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第149話 落とし物
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巨人のダンジョンに入ったところ、スマホから警報音が。
スタンピードが起こったらしい。
スタンピードが起こるとどうやらポータルを使ってモンスターが排出されるようだ。
途中で防いだりできないのか。
まあいい。
外に出るか。
【スタンピードにも慣れてきた】
【モンスターは怖い】
【ファントム、俺を守ってくれ】
「さあ、稼ぐぞ」
【おっ、おっさんがやる気を出している。討伐するのかな】
【それはないだろ。でもゴブリン程度ならなんとかなるかもな】
【それじゃ稼げない】
ダンジョンから出て、ファントムに着替える。
カメラはアイテム鞄の中にしまった。
そして、ドラゴンに出会ったのでサクッと殺す。
おっさんになり。
「おっ、ドラゴンの死骸が落ちている。警察に届けてやらないとな」
ドラゴンの死骸をアイテム鞄の中に入れる。
【うわっ、これどうなるんだ】
【落とし物だろう】
【ファントムが受け取りにくれば問題ない】
【ファントムって偽名使っているよな。受け取れないだろう】
【そうだ。なんというこすい作戦】
またファントムになり、ファイヤージャイアントを殺す。
「うわっ、巨人の死骸が落ちている。儲け、ラッキー。いや届けるよ。俺は法律は守るから」
【儲け、ラッキーとか言ってるよ】
【しかし、ファントムの討伐の場所が良く分かるな】
【何かカラクリがあるとみた】
「分かっちゃうか。発信器を付けたんだよ。電波の奴じゃなくて魔力の奴な。弥衣が作ってくれた」
そういう設定。
【くっ、ファントム。この動画を見てたら発信器を外すんだ】
【ファントムにメールで知らせてあげたい】
【連絡先不明だものな】
【おっさんはよく考えているな】
またファントムになり、飛んでいるグリフォンを落とした。
「グリフォンめっけ」
【くっ、なんという悪辣さ】
【ハイエナ行為はクズ冒険者の基本だからな】
【だけど落とし物として届けられたら、合法だ】
【だよな】
ファントムになって討伐、おっさんになってハイエナを繰り返す。
【ところで発信器はどうやって付けた】
【俺も知りたい】
【きっとこすい手だぜ】
「企業秘密だ」
そんなの考えつくか。
ガムを道に撒いてとか駄目そうだしな。
靴磨きに扮しても説得力に欠ける。
やっぱり企業秘密が一番だな。
いいこと考えた。
「俺は今回、ファントムに対して非常に感謝した。今回の死骸で換金できるであろう金額でファントムファンクラブを作る」
【おっさんがファントムのファンクラブ作るか】
【ライバルだとか言ってなかったか】
【おっさんがおかしいのは今に始まってない】
「ファントムをライバルとして認めたからこその行動だ」
【これっぽっちも分からん】
【好きにしたら】
「ファンクラブの会員にはもれなく、ファントムマスクレプリカを進呈する。ただじゃないがな。ファントムのマスクの型は取ってある。どうやって取ったのかは企業秘密だ」
【どうせ、3Dスキャンとか使ったんだろ】
【金を持っているからな。出来るかも知れない】
【俺、ファントムマスクほしい】
「気軽にファンクラブに申し込んでくれ。ファンクラブの会員はファントムの秘密動画が見られるぞ」
こんなこともあろうかとモチとキナコに動画を撮影して貰ってる。
ファントムファンクラブ公式が立ち上がった。
ファントム様が不快なようなら、いつでもファンクラブを解散しますとホームページには書いておいた。
続々と会員が集まった。
燃えてないビニールの炎が付いた靴とか。
火花を出す玩具のバールとかも売り出した。
ファントムのファンの一部からは非難が殺到。
俺は儲けた金の一部を寄付したりした。
偽善だという声が上がる。
「みんな、ファントムファンクラブは楽しんでる?」
【よく考えたら、おっさんの魂胆が分かった。ファントムを苛立たせるためにやっているんだろ】
【ああ、先に手を出させたら勝ちだものな】
【で合法にやっていると】
【死骸の落とし物の件からこういう流れか】
【でもファンクラブは楽しいよ。映像コンテンツが豊富だ。ファントム争奪戦のは全部あるし】
【肖像権侵害だな】
【ファントムは偽名だから告訴できない】
【さすがに本名を晒したりしないだろ】
「ふふふっ、全て計算通り」
【うわっ、ゲスがいる】
【ファントムさん、こいつを訴えてやって下さい】
【出来ないだろうな】
【俺もそう思う】
【ファンクラブを解散しろとかも言えないな。批判が殺到する】
【だな。ファントムがそんなけち臭いことを言ったらイメージダウンだ】
【それにおっさんが本物なのか証明しろ、本名を出せとか言ったら、もう詰みだな】
俺はそんなところまで考えてない。
ファントムの名前で商売したら、悪党みたいかなと。
なにせ権利料払ってないからな。
もっともファントムは俺だから、構わないのだけど。
しばらくはこのムーブで行こう。
ファントムを苛立たせるおっさんの構図。
スタンピードが起こったらしい。
スタンピードが起こるとどうやらポータルを使ってモンスターが排出されるようだ。
途中で防いだりできないのか。
まあいい。
外に出るか。
【スタンピードにも慣れてきた】
【モンスターは怖い】
【ファントム、俺を守ってくれ】
「さあ、稼ぐぞ」
【おっ、おっさんがやる気を出している。討伐するのかな】
【それはないだろ。でもゴブリン程度ならなんとかなるかもな】
【それじゃ稼げない】
ダンジョンから出て、ファントムに着替える。
カメラはアイテム鞄の中にしまった。
そして、ドラゴンに出会ったのでサクッと殺す。
おっさんになり。
「おっ、ドラゴンの死骸が落ちている。警察に届けてやらないとな」
ドラゴンの死骸をアイテム鞄の中に入れる。
【うわっ、これどうなるんだ】
【落とし物だろう】
【ファントムが受け取りにくれば問題ない】
【ファントムって偽名使っているよな。受け取れないだろう】
【そうだ。なんというこすい作戦】
またファントムになり、ファイヤージャイアントを殺す。
「うわっ、巨人の死骸が落ちている。儲け、ラッキー。いや届けるよ。俺は法律は守るから」
【儲け、ラッキーとか言ってるよ】
【しかし、ファントムの討伐の場所が良く分かるな】
【何かカラクリがあるとみた】
「分かっちゃうか。発信器を付けたんだよ。電波の奴じゃなくて魔力の奴な。弥衣が作ってくれた」
そういう設定。
【くっ、ファントム。この動画を見てたら発信器を外すんだ】
【ファントムにメールで知らせてあげたい】
【連絡先不明だものな】
【おっさんはよく考えているな】
またファントムになり、飛んでいるグリフォンを落とした。
「グリフォンめっけ」
【くっ、なんという悪辣さ】
【ハイエナ行為はクズ冒険者の基本だからな】
【だけど落とし物として届けられたら、合法だ】
【だよな】
ファントムになって討伐、おっさんになってハイエナを繰り返す。
【ところで発信器はどうやって付けた】
【俺も知りたい】
【きっとこすい手だぜ】
「企業秘密だ」
そんなの考えつくか。
ガムを道に撒いてとか駄目そうだしな。
靴磨きに扮しても説得力に欠ける。
やっぱり企業秘密が一番だな。
いいこと考えた。
「俺は今回、ファントムに対して非常に感謝した。今回の死骸で換金できるであろう金額でファントムファンクラブを作る」
【おっさんがファントムのファンクラブ作るか】
【ライバルだとか言ってなかったか】
【おっさんがおかしいのは今に始まってない】
「ファントムをライバルとして認めたからこその行動だ」
【これっぽっちも分からん】
【好きにしたら】
「ファンクラブの会員にはもれなく、ファントムマスクレプリカを進呈する。ただじゃないがな。ファントムのマスクの型は取ってある。どうやって取ったのかは企業秘密だ」
【どうせ、3Dスキャンとか使ったんだろ】
【金を持っているからな。出来るかも知れない】
【俺、ファントムマスクほしい】
「気軽にファンクラブに申し込んでくれ。ファンクラブの会員はファントムの秘密動画が見られるぞ」
こんなこともあろうかとモチとキナコに動画を撮影して貰ってる。
ファントムファンクラブ公式が立ち上がった。
ファントム様が不快なようなら、いつでもファンクラブを解散しますとホームページには書いておいた。
続々と会員が集まった。
燃えてないビニールの炎が付いた靴とか。
火花を出す玩具のバールとかも売り出した。
ファントムのファンの一部からは非難が殺到。
俺は儲けた金の一部を寄付したりした。
偽善だという声が上がる。
「みんな、ファントムファンクラブは楽しんでる?」
【よく考えたら、おっさんの魂胆が分かった。ファントムを苛立たせるためにやっているんだろ】
【ああ、先に手を出させたら勝ちだものな】
【で合法にやっていると】
【死骸の落とし物の件からこういう流れか】
【でもファンクラブは楽しいよ。映像コンテンツが豊富だ。ファントム争奪戦のは全部あるし】
【肖像権侵害だな】
【ファントムは偽名だから告訴できない】
【さすがに本名を晒したりしないだろ】
「ふふふっ、全て計算通り」
【うわっ、ゲスがいる】
【ファントムさん、こいつを訴えてやって下さい】
【出来ないだろうな】
【俺もそう思う】
【ファンクラブを解散しろとかも言えないな。批判が殺到する】
【だな。ファントムがそんなけち臭いことを言ったらイメージダウンだ】
【それにおっさんが本物なのか証明しろ、本名を出せとか言ったら、もう詰みだな】
俺はそんなところまで考えてない。
ファントムの名前で商売したら、悪党みたいかなと。
なにせ権利料払ってないからな。
もっともファントムは俺だから、構わないのだけど。
しばらくはこのムーブで行こう。
ファントムを苛立たせるおっさんの構図。
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