128 / 168
第128話 再びのスタンピード
しおりを挟む
サイレンが鳴り響く。
「スタンピード発生! 至急頑丈な建物に避難して下さい」
ふっ、ファントムの時間だぜ。
俺はミスリルの仮面を被ると駆け出した。
俺が走った跡には炎が上がる。
逃げ遅れた人達が喝采を送った。
目につくモンスターは手あたり次第バールでぶちのめす。
武器工房のおっちゃんにアダマンタイト製の奴を作ってもらって良かったぜ。
鉄パイプの次はバールかよと言われたが、たまにある注文らしい。
バール使いもそれなりにいる。
おっと、100メートルは超える大蛇がいたので、思わずぶちのめしてやった。
首から上がなくなった大蛇は血の噴水を噴き上げる。
人々の服に血しぶきが掛ったが、クリーニング代はスタンピード被害者の窓口に言ってくれ。
被害者支援金にはまた金を出しておくから。
大物は粗方片付いたな。
弥衣達がいたので近寄る。
俺は幻影魔法で、鉄パイプを持った自分の姿を映し出した。
これをやるのは少し苦労した。
【あれっ、おっさんの配信が始まったけど、視点がおっさん視点じゃない】
【ほんとだ。ヤエちゃんがカメラを手に持っている】
【ファントムがいるぞ】
【本物か】
「お嬢様方、ここは危険だ。非難したまえ」
【ファントムはヤエちゃん達を一般人だと思っているのか】
【ファントムの実力からしたら、ヤエちゃん達も一般人と変わらないだろ】
「私達はこれでも冒険者なの」
「私としては、お嬢様方には危険なことをして欲しくないのだが」
ここでファントムを幻影魔法に。
俺は埼京、つまり本物になった。
【いま、一瞬ぶれなかったか?】
【おっさんのカメラはポンコツだからな】
「お前、正義漢ぶりやがって、あわよくば女とお近づきになりたいと思っているんだろ」
「そんなことはない」
【また一瞬ぶれた】
【いよいよ買い替え時だな】
「どうだか。はん、正義の使者が笑わせてくれるぜ」
「お前こそなんだ」
「俺はいろんな手段で女を確保した。だが恥ずかしさなど微塵もない」
「お嬢様方、こんな男のそばにいては腐ってしまう。何か私に手伝えることがあれば相談に乗ろう。まだ残党が残っているかも知れないから、私は行くとしよう。ではさらばだ」
「けっ、恰好つけやがって」
【炎を出して走っていったな】
【おっさんと、ファントムで女の取り合いが始まるのか】
【どうだろな】
【あれっ、おっさんが消えたぞ】
【ほんとだ】
【モンスターが怖いから隠れたに決まっている】
コメントをチェックするが、俺の一人二役に気づいた奴はいない。
それにしても疲れた。
精神的な意味でな。
高速着替えは練習では上手くいってたが、本番だとどうなるかひやひやものだった。
映像のブレが課題だな。
カメラがポンコツでという理由で納得してくれたら良いのだが。
おっと、オーガか。
死んどけ。
バールで叩く。
「ファントム恰好良い」
「素敵」
「サイン下さい」
「早く安全な場所に避難したまえ」
俺はまた駆け出した。
駆け回って、町内からモンスターの姿を消した。
首都圏全域でスタンピードらしい。
まあ、前回のこともあったので、今回は自衛隊も役にたったらしい。
冒険者協会も事態の収拾に全力を傾けたみたいだし。
俺は冒険者協会に立ち寄った。
「ファントムだ」
「本物か」
「クリーニング代を寄付したい」
「寄付の用途は冒険者協会が決めるのですが、あなたがおっしゃられるなら」
「良かった。血で一般市民の服を汚してしまったものだから、これで心の荷が下りる」
俺は300万円の寄付をした。
「さすがファントム。なんて高潔なんだ」
「彼はきっと本物だよ」
「ファントムさんですか?」
レポーターが寄ってきた。
「自分から名乗ったりはしないが、巷で私はファントムと呼ばれているらしい」
「今回のスタンピードはどうだったですか」
「すべての犠牲者に哀悼の意を奉げる。モンスターは憎むべき敵だ。スタンピードだったな。スタンピードが起こるのはダンジョンがあるからだ。ダンジョン討伐こそが唯一の解決策。冒険者よ。犠牲者をこれ以上ださないために討伐を急げ」
「冒険者に責任の一端があると」
「そうはいってない。モンスターを退治する全ての冒険者は勇者だ。彼らを罵ることなど誰も出来ない。私でもね。ではさらばだ」
「ああ! もう少し」
炎の軌跡を残して去った。
ファントムムーブもそれなりに肩が凝る。
無口キャラとかの方が良かっただろうか。
それだと考えを伝えづらい。
とりあえず、こんな感じでしばらく行くさ。
「スタンピード発生! 至急頑丈な建物に避難して下さい」
ふっ、ファントムの時間だぜ。
俺はミスリルの仮面を被ると駆け出した。
俺が走った跡には炎が上がる。
逃げ遅れた人達が喝采を送った。
目につくモンスターは手あたり次第バールでぶちのめす。
武器工房のおっちゃんにアダマンタイト製の奴を作ってもらって良かったぜ。
鉄パイプの次はバールかよと言われたが、たまにある注文らしい。
バール使いもそれなりにいる。
おっと、100メートルは超える大蛇がいたので、思わずぶちのめしてやった。
首から上がなくなった大蛇は血の噴水を噴き上げる。
人々の服に血しぶきが掛ったが、クリーニング代はスタンピード被害者の窓口に言ってくれ。
被害者支援金にはまた金を出しておくから。
大物は粗方片付いたな。
弥衣達がいたので近寄る。
俺は幻影魔法で、鉄パイプを持った自分の姿を映し出した。
これをやるのは少し苦労した。
【あれっ、おっさんの配信が始まったけど、視点がおっさん視点じゃない】
【ほんとだ。ヤエちゃんがカメラを手に持っている】
【ファントムがいるぞ】
【本物か】
「お嬢様方、ここは危険だ。非難したまえ」
【ファントムはヤエちゃん達を一般人だと思っているのか】
【ファントムの実力からしたら、ヤエちゃん達も一般人と変わらないだろ】
「私達はこれでも冒険者なの」
「私としては、お嬢様方には危険なことをして欲しくないのだが」
ここでファントムを幻影魔法に。
俺は埼京、つまり本物になった。
【いま、一瞬ぶれなかったか?】
【おっさんのカメラはポンコツだからな】
「お前、正義漢ぶりやがって、あわよくば女とお近づきになりたいと思っているんだろ」
「そんなことはない」
【また一瞬ぶれた】
【いよいよ買い替え時だな】
「どうだか。はん、正義の使者が笑わせてくれるぜ」
「お前こそなんだ」
「俺はいろんな手段で女を確保した。だが恥ずかしさなど微塵もない」
「お嬢様方、こんな男のそばにいては腐ってしまう。何か私に手伝えることがあれば相談に乗ろう。まだ残党が残っているかも知れないから、私は行くとしよう。ではさらばだ」
「けっ、恰好つけやがって」
【炎を出して走っていったな】
【おっさんと、ファントムで女の取り合いが始まるのか】
【どうだろな】
【あれっ、おっさんが消えたぞ】
【ほんとだ】
【モンスターが怖いから隠れたに決まっている】
コメントをチェックするが、俺の一人二役に気づいた奴はいない。
それにしても疲れた。
精神的な意味でな。
高速着替えは練習では上手くいってたが、本番だとどうなるかひやひやものだった。
映像のブレが課題だな。
カメラがポンコツでという理由で納得してくれたら良いのだが。
おっと、オーガか。
死んどけ。
バールで叩く。
「ファントム恰好良い」
「素敵」
「サイン下さい」
「早く安全な場所に避難したまえ」
俺はまた駆け出した。
駆け回って、町内からモンスターの姿を消した。
首都圏全域でスタンピードらしい。
まあ、前回のこともあったので、今回は自衛隊も役にたったらしい。
冒険者協会も事態の収拾に全力を傾けたみたいだし。
俺は冒険者協会に立ち寄った。
「ファントムだ」
「本物か」
「クリーニング代を寄付したい」
「寄付の用途は冒険者協会が決めるのですが、あなたがおっしゃられるなら」
「良かった。血で一般市民の服を汚してしまったものだから、これで心の荷が下りる」
俺は300万円の寄付をした。
「さすがファントム。なんて高潔なんだ」
「彼はきっと本物だよ」
「ファントムさんですか?」
レポーターが寄ってきた。
「自分から名乗ったりはしないが、巷で私はファントムと呼ばれているらしい」
「今回のスタンピードはどうだったですか」
「すべての犠牲者に哀悼の意を奉げる。モンスターは憎むべき敵だ。スタンピードだったな。スタンピードが起こるのはダンジョンがあるからだ。ダンジョン討伐こそが唯一の解決策。冒険者よ。犠牲者をこれ以上ださないために討伐を急げ」
「冒険者に責任の一端があると」
「そうはいってない。モンスターを退治する全ての冒険者は勇者だ。彼らを罵ることなど誰も出来ない。私でもね。ではさらばだ」
「ああ! もう少し」
炎の軌跡を残して去った。
ファントムムーブもそれなりに肩が凝る。
無口キャラとかの方が良かっただろうか。
それだと考えを伝えづらい。
とりあえず、こんな感じでしばらく行くさ。
151
お気に入りに追加
710
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
リフォーム分譲ダンジョン~庭にダンジョンができたので、スキルを使い改装して、分譲販売することにした。あらぬ罪を着せてた奴らにざまぁしてやる~
喰寝丸太
ファンタジー
俺はソフトウェア開発会社の社員だった。
外注費を架空計上して横領した罪に問われ会社を追われた。
不幸は続く。
仲の良かった伯父さんが亡くなった。
遺産が転がり込むかと思われたら、貰った家の庭にダンジョンができて不良物件に。
この世界は10年前からダンジョンに悩まされていた。
ダンジョンができるのは良く聞く話。
ダンジョンは放っておくとスタンピードを起こし、大量のモンスターを吐き出す。
防ぐ手段は間引きすることだけ。
ダンジョンの所有者にはダンジョンを管理する義務が発生しますとのこと。
そして、スタンピードが起きた時の損害賠償は所有者である俺にくるらしい。
ダンジョンの権利は放棄できないようになっているらしい。
泣く泣く自腹で冒険者を雇い、討伐する事にした。
俺が持っているスキルのリフォームはダンジョンにも有効らしい。
俺はダンジョンをリフォーム、分譲して売り出すことにした。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
身バレしないように奴隷少女を買ってダンジョン配信させるが全部バレて俺がバズる
ぐうのすけ
ファンタジー
呪いを受けて冒険者を休業した俺は閃いた。
安い少女奴隷を購入し冒険者としてダンジョンに送り込みその様子を配信する。
そう、数年で美女になるであろう奴隷は配信で人気が出るはずだ。
もしそうならなくともダンジョンで魔物を狩らせれば稼ぎになる。
俺は偽装の仮面を持っている。
この魔道具があれば顔の認識を阻害し更に女の声に変える事が出来る。
身バレ対策しつつ収入を得られる。
だが現実は違った。
「ご主人様は男の人の匂いがします」
「こいつ面倒見良すぎじゃねwwwお母さんかよwwww」
俺の性別がバレ、身バレし、更には俺が金に困っていない事もバレて元英雄な事もバレた。
面倒見が良いためお母さんと呼ばれてネタにされるようになった。
おかしい、俺はそこまで配信していないのに奴隷より登録者数が伸びている。
思っていたのと違う!
俺の計画は破綻しバズっていく。
底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜
サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。
冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。
ひとりの新人配信者が注目されつつあった。
元探索者のおじいちゃん〜孫にせがまれてダンジョン配信を始めたんじゃが、軟弱な若造を叱りつけたらバズりおったわい〜
伊藤ほほほ
ファンタジー
夏休み。それは、最愛の孫『麻奈』がやって来る至福の期間。
麻奈は小学二年生。ダンジョン配信なるものがクラスで流行っているらしい。
探索者がモンスターを倒す様子を見て盛り上がるのだとか。
「おじいちゃん、元探索者なんでしょ? ダンジョン配信してよ!」
孫にせがまれては断れない。元探索者の『工藤源二』は、三十年ぶりにダンジョンへと向かう。
「これがスライムの倒し方じゃ!」
現在の常識とは異なる源二のダンジョン攻略が、探索者業界に革命を巻き起こす。
たまたま出会った迷惑系配信者への説教が注目を集め、
インターネット掲示板が源二の話題で持ちきりになる。
自由奔放なおじいちゃんらしい人柄もあってか、様々な要因が積み重なり、チャンネル登録者数が初日で七万人を超えるほどの人気配信者となってしまう。
世間を騒がせるほどにバズってしまうのだった。
今日も源二は愛車の軽トラックを走らせ、ダンジョンへと向かう。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる