貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
125 / 179

第125話 設定できる

しおりを挟む
 巨人のダンジョンという所にお邪魔してる。
 うちのダンジョンは綺羅々きらら弥衣やえには荷が重そうだからだ。
 それに冒険者協会から、指名依頼というかお題が綺羅々きらら弥衣やえに出されたのだ。
 Aランクダンジョンのモンスターを討伐せよらしい。

 巨人のダンジョンはSランクに近いAランク。
 問題ないはずだ。
 この巨人のダンジョンのモンスターは言わずと知れたジャイアント。
 下の階層に行くとファイヤージャイアントとかフロストジャイアントとか色々といるが、とにかくでかい。
 だが、最初の階層は3メートルぐらいのただの巨人だ。

 最初のザコジャイアントはBランクといったところか。

「みんな、討伐始まるよー」

 綺羅々きららが元気に声を上げる。
 弥衣やえとモチとキナコはバリスタを引いていた。

 シロガネはゆっくり歩いている。
 緊張感の欠片もない。
 でかいだけのモンスターなんか、シロガネの敵ではない。

「必殺、ファイナルスラッシュ」

 綺羅々きららの剣に酸が滲み出て斬りつける。
 ザコジャイアントの足は切り口から白煙を上げて、斬り飛ばされた。
 酸が効いているうちは、たぶん余裕だな。
 ドラゴンにも効いたそうだから、ボスモンスター以外は平気だと思う。

「ぐへへっ、俺の女達は働き者だ。たっぷり働いてくれる。夜の方でもな」

【なんかゲス度が強くなったな】
【いままでは編集が入っていたんだろ】
【おっさんは見てるだけか】

「やってやるよ。究極乱舞アタック。とりゃとりゃ」

 俺はアダマン鉄パイプを縦横無尽に振るった。
 ザコジャイアントには当ててない。
 ザコジャイアントが何をしてるのかと不思議がり。

「テクチカ」

 と巨人が言ってうるさそうに手で俺を払った。

「へぶしっ」

 俺はやられたように装い自分から跳んだ。

「よくもすぐるを」

 弥衣やえがバリスタを発射。
 バリスタの矢はジャイアントに刺さり、殺した。

【なんか飛ばされたが平気か】
【幻想と現実は違うってってことか】
【究極乱舞アタックか。名前負けだな】
【CGの時も面白かったが、これはこれで面白い】
【てか今回のも釣りでギャグなのか。おっさんやられたけど、ピンピンしてるぞ】
【ポーションでも飲んだんだろ】

「もっと稼がないと。エリクサーの借金の一億は体で払う」

綺羅々きららちゃんはおっさんに借金したのか】
【で奴隷というわけか】
【体で払うは意味深だな】

「ぐへへっ、可愛がってやるぜ」

【ゲスだな】
【ファントム、このおっさんをどうにかしてくれ】
【こんな3流悪人の所へは来ないよ】

「ファントムと言ったな。奴は俺の実力に怯えているんだ」

【なんか面白いな。偽物ファントムでもいいから、おっさんの所に来ないかな】
【言うだけは無料だが。おっさん、痛い目を見るぞ】
【さっきみたいにポーション飲んで復活するんじゃね。金はもってそうだから】

「俺は逃げも隠れもしない。正義を騙る奴は全部敵だ」

【ファントムの正体は分かったのか?】
【偽物が多くて特定は無理だな】
【冒険者バトルやるそうだから、それに勝った奴がファントムの名前を名乗るんじゃね】
【そんなのでいいのか】
【実力さえあれば別にいいだろ。モンスターを倒すのが誰だってさ】
【ヒーローが詐欺師ってのは嫌だな】
【おっさんはその点いいよな。悪党だから詐欺師でも許される】

「ンラナ・キナント・トクラナリシ・コイ・セスイセチスイシ」

【巨人が何か喚いてるぞ】
【きっとおっさんを馬鹿にしている】
【そんな所だな】

「むきっー、馬鹿にしやがって。究極乱舞アタック、そりゃー、そりゃそりゃ」

 巨人が俺を叩き潰した。
 土魔法を使って、足元を柔らかくする。

「へぶっ」

 俺は腰まで土に埋まった。

 綺羅々きららがジャイアントに斬りかかる。
 そして腕を斬り飛ばし、返す刀で胴体を切り裂いた。

 俺は弥衣やえに助け出された。

【むっ、腰まで埋まって平気だと】
【確かにギャグみたいだ】
【体を頑丈にするカラクリがあるとみた】
【となると寄生スキルの効果は嘘じゃないのだな】
【寄生スキルみたいな便利スキルはないと思う。防御薬だろな。おっさんのダンジョンは色々と採れるから】
【攻撃はヘロヘロで防御はピカイチなのか】
【あのイキり方はこれがあるからだな】
【最近開発されたのかもな】
【なるほど死ぬ危険性がなくなったから、CGではなく実写になった】

「ふう、ジャイアントはきっとSSSランクだ。だが負けてない。死なない限り負けではない」

【言ってら】
【でもおっさんは酸の力を使わないよな。水鉄砲もあるのに】
【自分に酸が掛かるのを恐れているとみた】
【そうかもな】

 いろいろと設定が出来上がりつつある。
 最大の見せ場は冒険者バトルだな。
 いまから楽しみだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

ダンジョンのモンスターになってしまいましたが、テイマーの少女が救ってくれたので恩返しします。

紗沙
ファンタジー
成長に限界を感じていた探索者、織田隆二。 彼はダンジョンで非常に強力なモンスターに襲われる。 死を覚悟するも、その際に起きた天災で気を失ってしまう。 目を覚ましたときには、襲い掛かってきたモンスターと入れ替わってしまっていた。 「嘘だぁぁあああ!」 元に戻ることが絶望的なだけでなく、探索者だった頃からは想像もつかないほど弱体化したことに絶望する。 ダンジョン内ではモンスターや今まで同じ人間だった探索者にも命を脅かされてしまう始末。 このままこのダンジョンで死んでいくのか、そう諦めかけたとき。 「大丈夫?」 薄れていく視界で彼を助けたのは、テイマーの少女だった。 救われた恩を返すために、織田隆二はモンスターとして強くなりながら遠くから彼女を見守る。 そしてあわよくば、彼女にテイムしてもらうことを夢見て。

借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた

羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件 借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

処理中です...