上 下
99 / 170

第99話 ゴミ屋敷殲滅

しおりを挟む
 人類は悪、自覚しようぜキャンペーンが始まった
 コボルトとケットシーの封印スキル使いがゴミを次々に封印。
 ダンジョンに運び込んだ。
 グラトニーにゴミを食わせて、グラトニーマテリアルを採取する。
 この様子を撮影して、処理したゴミの量に応じて、途上国に寄付金が送られる。
 なんか違うんだよな。
 悪党感が薄い。
 よし、ゴミ屋敷殲滅行ってみるか。

「というわけでゴミ屋敷殲滅にやってきた」

【唐突の始まり】
【ゴミ屋敷殲滅、こういうのはなんか楽しい】
【そうそう、ごそっと減っていくのが良いんだよな】

「コボルトとケットシーの諸君やってしまえ」
「やめるんじゃ」

【家主のお爺ちゃん登場か】
【わくわく】

「家主か、お主も悪よのう。だが俺の方が悪だ。一筆もう貰っている」
「それは家族に無理やり押させられた判子。この宝は誰にも渡さん」
「うんうん、宝だよな。グラトニーマテリアルに生まれ変わって、売った金を届けるからまた悪行を積むといい。だが、俺は何度でも宝を強奪に来るぞ。悪党だからな」

【お爺ちゃん涙目】
【ゴミ捨てられない人ってゴミが宝なんだ】
【人権無視だ】
【人を悪党呼ばわりは辞めろ】
【登場遅いよ】
【アンチなんだから24時間張り付いてないと】

「おー、気持ちいいぐらい減っていくな。グラトニーにここのゴミを食わせる様子を見せてやれ」
「はい」
「わしの宝が消えていく」

【追い打ち掛けるこの所業。血も涙もないな】
【辞めてやれよ】
【俺は見てて気持ちいいけどな】

「封印はいいな。ゴキとかも一緒に封印されるから見なくて済む。じいさんゴキの友達と別れを済ますならいまだぞ」
「ゴキブリが友達なわけないだろう」
「でも宝の中で一緒に住んでたよな」
「ぐっ馬鹿にしやがって」
「訴えたければどうぞ」

【使えそうな物もちらほらあるな】
【そんなことを言っているとゴミ屋敷になる】

「ああ、それは持っていかんでくれ。大事な宝なんだ」
「もふもふ壁」

 ケットシーとコボルトがお爺さんに邪魔をさせないように壁を作る。

【お爺さん泣いているぞ】
【きっと綺麗になって嬉しいんだろう】
【撮影許可は取ってるのか? 人権侵害じゃないだろうな】

「弁護士が作成した書類に抜けはない」

【このおっさんの暴挙を許していいのか?】
【暴言といいこの老人虐待といい。誰か正義の鉄拳を食らわしてやれ】
【ゴミ屋敷片付けが老人虐待。それは流石に草】
【本人の承諾書がある以上どうにもならない】

「家族に騙されたんじゃ。誰か助けてくれ」

【ほら助けを求めてるぞ。アンチよ、行って励ましてやれよ】
【こんな暴挙がまかり通るのか】

「俺はお爺さんほどの悪党は見たことがない。恐れ入ったぜ」
「馬鹿にしおって」
「いや心から言っている」

【確かに悪だな。悪臭がするし、ゴキやネズミは出るし】
【蚊も凄いのを忘れてはいけない】
【こんなの正義でも何でもない】
【おっさんは悪を名乗っている】
【どうやったら謝罪させられるのか、みんなの力を貸してくれ。見ていて歯がゆく思っている人も多いだろ。力を合わせようぜ】

「まとめて掛かってきてくれると嬉しい。ひとりひとりやるのは面倒だからな」

【アンチの勇者がどうするのか見物だ】
【たぶん何も出来ない。口だけの奴らだからな。集団訴訟できたらたいしたものだ】
【俺達を馬鹿にするな。正論は勝つんだよ】
【お手並み拝見】

「おー、綺麗になったな」
「わしの宝が。許さん」
「いつでも掛かって来い。俺は逃げも隠れもしない」

【このお爺さんにいくらぐらいいくの】
【おれも気になる】

「そうだな。500万円は超えると思う」

【それだけあったら、またゴミを集めるんじゃね】
【確実にな】

「そしたらまた、掃除しに来るさ。家族が一団となって説得すれば、判子を押さざるを得ない」

【家族にいくら払った?】
【そうだな。いくらだ?】

「ほんのひとり10万円ぐらいだ」

【それは本腰いれて説得するな】
【近所の人にも悪いし】
【土地を相続したら、近所付き合いするんだし】

 ゴミ屋敷潰しは楽しかった。
 次は何をしようかな。
 不法投棄の業者を告発して、ゴミを粗方貰って、おまけに清掃料を業者から取るか。
 取り立てには自信があるよ。
 呪いがあるからな。
 よし次はそれいってみよう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

リフォーム分譲ダンジョン~庭にダンジョンができたので、スキルを使い改装して、分譲販売することにした。あらぬ罪を着せてた奴らにざまぁしてやる~

喰寝丸太
ファンタジー
俺はソフトウェア開発会社の社員だった。 外注費を架空計上して横領した罪に問われ会社を追われた。 不幸は続く。 仲の良かった伯父さんが亡くなった。 遺産が転がり込むかと思われたら、貰った家の庭にダンジョンができて不良物件に。 この世界は10年前からダンジョンに悩まされていた。 ダンジョンができるのは良く聞く話。 ダンジョンは放っておくとスタンピードを起こし、大量のモンスターを吐き出す。 防ぐ手段は間引きすることだけ。 ダンジョンの所有者にはダンジョンを管理する義務が発生しますとのこと。 そして、スタンピードが起きた時の損害賠償は所有者である俺にくるらしい。 ダンジョンの権利は放棄できないようになっているらしい。 泣く泣く自腹で冒険者を雇い、討伐する事にした。 俺が持っているスキルのリフォームはダンジョンにも有効らしい。 俺はダンジョンをリフォーム、分譲して売り出すことにした。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

女体化入浴剤

シソ
ファンタジー
康太は大学の帰りにドラッグストアに寄って、女体化入浴剤というものを見つけた。使ってみると最初は変化はなかったが…

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

元探索者のおじいちゃん〜孫にせがまれてダンジョン配信を始めたんじゃが、軟弱な若造を叱りつけたらバズりおったわい〜

伊藤ほほほ
ファンタジー
夏休み。それは、最愛の孫『麻奈』がやって来る至福の期間。 麻奈は小学二年生。ダンジョン配信なるものがクラスで流行っているらしい。 探索者がモンスターを倒す様子を見て盛り上がるのだとか。 「おじいちゃん、元探索者なんでしょ? ダンジョン配信してよ!」 孫にせがまれては断れない。元探索者の『工藤源二』は、三十年ぶりにダンジョンへと向かう。 「これがスライムの倒し方じゃ!」 現在の常識とは異なる源二のダンジョン攻略が、探索者業界に革命を巻き起こす。 たまたま出会った迷惑系配信者への説教が注目を集め、 インターネット掲示板が源二の話題で持ちきりになる。 自由奔放なおじいちゃんらしい人柄もあってか、様々な要因が積み重なり、チャンネル登録者数が初日で七万人を超えるほどの人気配信者となってしまう。 世間を騒がせるほどにバズってしまうのだった。 今日も源二は愛車の軽トラックを走らせ、ダンジョンへと向かう。

底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜

サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。 冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。 ひとりの新人配信者が注目されつつあった。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

処理中です...