貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
95 / 179

第95話 グラトニーマテリアルの矢じり

しおりを挟む
 今日は久しぶりにうちの庭ダンジョンの続きだ。
 アイアントレントがいて、アイアンクロウの攻略法を見出したところだった。
 アイアンクロウのを一般人が攻略する手段はまだない。
 ボウガンでも駄目、酸化ミスリルの羽は、アシッドの酸もはじくと思う。

弥衣やえ、アイアンクロウを倒せる方法が何かない?」
「グラトニーマテリアルの矢じりなら大丈夫だと思う。実は用意してきたんだ」
「やるなぁ」
「じゃあ撃ってみる」

【それが通用するなら、無敵だと思う】
【だよな】
【さてどうなるか。ワクワク】

 弥衣やえが矢じりに魔力を込めたようだ。
 軸が消えて矢じりがポロっと落ちた。

「てへっ、失敗しちゃった」

 弥衣やえは馬鹿だなあ。
 俺もオチは分からなかったけど。

【ヤエちゃん可愛い】
【周りの物を消す物質を固定するのは難しいな】
【魔法で射出するしかないか】

「魔法使うなら、レールガンの方が早い」

【魔力イレーサーDXあったよな。あれを軸との接着面に使えば良い】
【おお、賢い】

 なるほどな。
 接着剤に魔力イレーサーDXを混ぜて矢じりを軸に取り付けた。

「じゃあやるよ」

 弥衣やえが矢じりに触って魔力を込める。
 今度は大丈夫みたいだ。
 弥衣やえはアイアンクロウに向かってボウガンを発射。
 矢じりはアイアンクロウに刺さって、アイアンクロウは落ちた。

 いい素材が採れないってことを抜かせば、いい攻撃方法だ。
 銃に使えたらと思ったが、銃にこれを使うのは難しいな。
 魔力を込めたら銃身が消えるんじゃどうしようもない。
 魔法で射出なら銃弾にこだわる必要もない。

 同士討ちが怖いから、俺が前衛で出てるうちは使えない。
 でも一般人でもここまで来れるのはありがたい。

 取り扱いはちょっと注意が必要だ。
 だが、矢じりぐらいでは、少し肉を削るだけだから、当たり所が悪くなければ致命傷にはならない。

弥衣やえでかした」
「えへへ」

「コメントのみんなもありがとう」

 よし先に進もう。
 先に進むと森はなく、岩肌が露出してた。
 坂道になっていることから、小高い丘になっていると思われる。

 岩場にいたのは10メートルはありそうなでかいムカデ。

「アイアンセンチピードだな」

【おっさんムカデの英語が良く分ったな】

「子供の頃にゲームで覚えた」

【子供の時のことで忘れないことはあるよな】
【トラウマは特に】
【好きだった女の子も忘れない】

「さて攻略だが」

【巻きつかれたら厄介かもな】
【それとムカデは毒がある】
【おそらく特殊能力は噛むことで発揮されると思う】

「まずは一当てだな」

【おっさんらしい】
【まあ、おっさんなら平気だろう】

 俺はアイアンセンチピードに近寄るとアダマンパイプで叩いた。
 アイアンセンチピードは俺に巻きついた。

「ふんがー」

 俺はありったけの力を込めた。
 少し巻きつきが緩んだ。

 むっ、暑いぞ。
 アイアンセンチピードの牙を見ると灼熱して真っ赤だ。
 俺はアイアンセンチピードにヘッドロックを決めた。
 このままへし折るのが吉か。

 ボキっとな。
 ふう、暑いぞ。

 巻きついているアイアンセンチピードを解いて、弥衣やえに向かってピースした。

【頭を潰すのが良いみたいだな】
【ヤエチャンネル見たら、おっさんがぐるぐる巻きで凄かった】
【おっさんの方は、迫りくる灼熱の牙で凄かった】

「さあ、この死骸をアイテム鞄に収納して凱旋だ」

 買取場でアイアンセンチピードの死骸を出す。

「牙が凄いんだぜ。真っ赤になってな」
「なるほど。それは魔力発電とか、カイロまで、幅広く使えそうだな。どうかな、よっこらせと」

 おっちゃんが、アイアンセンチピードの牙に魔力を込める。
 牙は真っ赤に色づいた。

【また新素材だな】
【魔力込めると暖かくなるカイロ欲しい】
【こたつとかもいいな。電気代は馬鹿にならないから】
【一般人は魔力使う事があまりないからな】

「おお、素晴らしいな。粉にして色々と使いたい」
「体の方はどうだ」
「かなり硬いな。ミスリルとか含まれていてもおかしくはない。待ってろ。今調べる」

【含まれている流れだな】
【確実にな】
【ミスリルの鉱脈とかが山にあったりして】
【あるかもな】

「出たぞ。この体の重さだと100グラムは含まれている計算だ」

【おい1000万だぞ】
【素敵。おじ様、結婚して】
【こんなのがバンバン獲れたら、そりや堪らないよな】

 明日からは、アイアンセンチピードは弥衣やえ達にやらそう。
 グラトニーマテリアルの矢じりがあれば負けないだろう。
 巻きつかれたら助けてやればいい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

追放されたら無能スキルで無双する

ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。 見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。 僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。 咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。 僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます

内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」  ――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。  カクヨムにて先行連載中です! (https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)  異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。  残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。  一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。  そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。  そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。  異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。  やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。  さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。  そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた

羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件 借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...