貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
93 / 179

第93話 ノアフォロ問題決着

しおりを挟む
 ボスはでかいメタルリザードだった。

【こいつを討伐したパーティはいない】
【おっさんなら平気だろう】
【物凄くでかいんだが】
【名付けるとしたら、メタルドラゴンだな】
【たしかにドラゴン級の大きさだ】
【ノアフォロを解散しろ】
【なんで親戚が悪いことになっているんだ】
【俺もテレビみてたけど、手の平返しが凄い】
【訴えられたら、うっとうしいからじゃね】
【おっさん、テレビ局を告訴しているんだよな】
【そりゃあね。死亡率高い病院を勧められたら、複雑な気持ちにはなるよな】
【死亡率は数字のマジックだろ】
【おっさん、くたばれ】
【ボスに期待】

 さて、尻尾が銘木の丸太より太くて食いごたえがありそうだ。
 キャメルクラッチは大きさ的にできそうにないな。
 考えることはないな。
 久しぶりに連打の嵐とするか。

 メタルドラゴンの右前足に近づき連打。
 メタルドラゴンが悲鳴を上げて俺に食いつこうとした。
 俺はメタルドラゴンの歯を連打。
 全部折ってやった。

 メタルドラゴンがくるりと回り、尻尾で殴りかかってきた。

「どっせい」

 俺は尻尾を抱きとめた。
 尻尾の先を掴み、ジャイアントスイング。
 程よく回したところで、ダンジョンの壁に叩きつけた。
 フラフラになったメタルドラゴンの頭に登り、連打連打連打。
 メタルドラゴンの銀色の肌が真っ赤に染まる。

 やがてピクリとも動かなくなった。

【こいつでも駄目か】
【おっさんは止まらんよ】
【テレビ局、ノアフォロは素晴らしいだってさ】
【誘拐だの悪質宗教団体だって話はどこ行った】
【そういう事実はないんだから、捻じ曲げるのも無理がある】
【違う、ノアフォロは悪質だ】
【DV被害者の会の記者会見が始まるぞ】

 そうか、俺も見るかな。

「DV被害者の会の会見は説明のみです。質問は受け付けません。質問があれば後日弁護士の所にお願いします。ではどうぞ」
「まず、最初に、手厚くしてもらった埼京氏とコボルトとケットシー達に感謝を」

 話しているのは佐代子さよこさんだ。
 フラッシュが焚かれる。

「マスコミで腹がたったのは取材に応じないのはけしからんって言われたことです。取材に応じたら、居場所がばれるじゃないですか。そんなことはできません。私が出てきたのは離婚調停も済んで、接近禁止令が出されたからです。代表ですし、戦います。レベルもかなり上がりました。大の男だって勇気を持てば負けません。護身術も習ってます」

 うっぷんを晴らすように一気に喋った。

「埼京氏は監禁なんかしてません。裁判費用を持ってくれましたし、仕事を与えてくれただけでなく、住居を無償で提供してくれました。DVの恐怖も最近は少し薄らいだ気がします。ですが、ひょんなことでフラッシュバックして、身がすくんだり、パニックで暴れたりします。ダンジョンでの討伐の仕事はそれを許容してくれる職場です」

「会見は以上です」

【DVはいかん】
【一日1時間の仕事でも食っていけるおっさんの所は神】
【いろいろな事情に配慮してくれてるんだろうな】

「俺のところははみ出し者の集まりだからな」

【おっさんは干渉しないんだな】
【嘘だ。そんな事実認めない】
【ノアフォロ支部、DV被害者の会もマスコミが持ち上げているな】
【よく調べないで、監禁だの騒ぐのは間違っている】
【アンチが消えるかもな】
【DVと糞な親戚は消えるかもな。でもアンチは残る。あいつらは好き勝手騒ぎたいだけだから】

 ダンジョンコアの間にはやはりコボルトとケットシーがいた。
 かれらを救出して外に出る。

 マスコミが外に詰め掛けてた。

「ノアフォロメンバーの親戚の方々に対してひと言貰えますか?」
「病院と治療法ぐらい本人に任せてやれよ。遺産の分け前がないのは知らん。訴えたければ訴えるといい。こっちは全力でフォローする」
「DVしてた方々にたいしてはどうですか?」
「殴りたいなら、モンスターを殴れ。スカッとするぜ。俺もそれでまともになれた気がする」
「ありがとうございます。応援してます」

【マスコミの手の平返しの早いこと】
【記者会見で配ったノアフォロの活動内容の書類をテレビでみたが、あれが本当なら、文句は付けられないよな】
【おまけに第三者機関の監視もついているんだぜ】
【ノアフォロは金持ちだからな。弁護士など何人でも雇える】
【知ってるか。ノアフォロを監禁だなんて騒いだ奴は、保険金狙いだったって】
【いろいろとテレビでやっている】

 記者会見て影響力あるんだな。
 これからも炎上させて、記者会見で鎮火させよう。
 なんとなくそれが面白い。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

追放されたら無能スキルで無双する

ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。 見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。 僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。 咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。 僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます

内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」  ――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。  カクヨムにて先行連載中です! (https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)  異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。  残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。  一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。  そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。  そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。  異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。  やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。  さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。  そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた

羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件 借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...