貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

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第87話 ソードリザード

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 トカゲの楽園の5階層。
 出てきたのは背中に剣を生やしたトカゲ。
 いや、強そうなのは分かるよ。
 恐竜にもこんなのがいたな。
 でもその剣なんの役に立つ。

 見せかけのハッタリか。

【ソードリザード。けっこう強敵】
【ここでやられる奴は結構いる】

 ええと強敵なのか。
 たしかに背中に乗ってキャメルクラッチは出来ないけども。
 その時、ソードリザードが背中を丸めた。
 そして発射される剣の雨。

 俺は鉄パイプで全て叩き落とした。
 これは、確かに強敵だ。
 弥衣やえ達じゃきついかもな。

【おっさん強い】
【直線的に飛んで来るなら叩き落とすのは容易いかもな】
【馬鹿言うな、Aランクぐらいじゃないと出来ないだろう】
【この誘拐監禁野郎】
【おっ、アンチ登場】

 さて、どう攻略しよう。
 シロガネなら剣を避けるか、当たっても大したダメージにはならなさそう。
 盾の陰に隠れながら、攻撃するのが正解なのかも知れない。
 俺に思いつくのはそれだけだ。

 弥衣やえ達がソードリザードにボウガンの矢を放った。
 背中の剣が抜けたソードリザードはあっけなく死んだ。
 剣を全て発射させちまえば、ザコのようだ。
 アイアンタイガーの砲弾を受け止めた盾を、アイテム鞄から出して弥衣やえ達に装備させる。

【盾装備が正攻法】
【相手の射程外から攻撃ってのもあるがな】
【犯罪者は配信を辞めろ】
【誘拐監禁を認めた動画見て、ここに辿り着いた。犯罪者は自首すべき】
【過去動画見て勉強するんだな。おっさんは『俺は札束と健康の檻で誘拐監禁してる』と言ったんだ】
【そうそう、お金と健康で離れられなくしていると言っている】
【いや、犯罪者だ】

 コメントが凄い勢いで流れていく。
 炎上は止まらないようだ。
 もっとも警察が動いている気配はない。
 俺の所に話を聞きにも来ない。

 さて、討伐に集中。
 ソードリザードは射程距離に入ると容赦なく剣を撃ってきた。
 飛んで来る剣を叩き落とすのはゲームみたいで楽しい。
 剣の雨が終わると、俺はソードリザードの背中に跨り、キャメルクラッチ。

 うん、少し強いがザコだな。
 それから時たま、とどめを弥衣やえ達に譲ったりして、進んだ。

 ボス部屋までは簡単に辿り着けた。
 ボスは、でかいソードリザードだった。

【グレートソードリザードだな】
【おっさん氏ね】
【アンチが凄いな】

 俺は討伐に集中した。
 グレートソードリザードは背中を丸めると剣を発射してきた。
 俺はその剣を叩き落とす。
 剣がやんで、こちらの攻撃タイムと思いきや、グレートソードリザードの背中には新しい剣が生えてきた。
 おい、順番守れよ。

 叩き落としながら、近づくしかないか。
 俺は、鉄パイプを振るいながら前進した。
 攻撃がやんだので、一気に近づく。
 グレートソードリザードは丸まって剣のボールになった。
 そして転がってきた。
 俺は鉄パイプ一閃。
 剣ごとはじき返した。

 丸まりが解けて腹を見せるグレートソードリザード。
 俺は腹に向かってジャンプ、鉄パイプを打ち込んだ。
 腹は柔らかいらしい。
 グレートソードリザードは口から血を吐いて死んだ。

【アンチ消えろ】
【アンチウザい】
【犯罪者が野放しなのがいけない】
【いいかげんおっさんの炎上商法だって気づけよ】
【犯罪者はいなくなれ】
【犯罪者は腐り果てて氏ね】
【許せん。即刻自首しろ】
【ああ、もう】
【しばらくコメント表示オフにするかな】

 良い具合に炎上してるな。
 こいつら叩けるものがあれば叩くんだな。
 滑稽なことだ。
 そんなことに労力を使わなくてもいいのにな。
 もっとも炎上はちょっと気持ちいい。
 馬鹿な奴らを見ていると、馬鹿な俺が利口に思えてくる。

 今までの討伐で溜まっていたボスから出た、要らないアイテムを売りさばく。
 そして、慈善団体に全て寄付した。
 その額1億を超えた。
 その様子をアップ。

【そんなことしたって逮捕はまぬがれないのにな】
【今更いいひとぶっても遅い】
【拉致監禁している人を解放するのが先だろ】
【やらない偽善よりやる偽善だよ】
【犯罪者がたまに良いことすると、何でもてはやすんだろうな】
【こんなのしても変わらない】


 アンチコメが多い。

「悔しかったらお前らも真似してみろ」

 そう言って配信を終えた。
 俺は俺のやりたいようにやる。
 それが俺の生きる意味だ。
 やりたいようにやれないなら死んだも同然。
 みっともない姿をコボルトとケットシーには見せられない。
 俺を貫くとしよう。
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