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第85話 カメレオンリザード
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トカゲの楽園の3階層。
出てきたのは何だろな。
見た目じゃ分からん。
トカゲが口をパカリと開けた。
おっ、ブレスか。
発射されたのは長い舌。
鉄パイプに巻きついたそれを俺は手繰り寄せた。
そして跨り、キャメルクラッチ。
意味が分からん。
この攻撃が1、2階層より強いのか。
【カメレオンリザード。武器を封じられると強敵】
【引き寄せられると体勢も崩されるし】
「弱いんだけど」
【それはおっさんだけ】
【そうそう】
【インチキ教祖は配信するな】
【香ばしい奴が湧いたな】
【宗教はどれもインチキ】
「いや、俺のは宗教じゃないから。宗教法人ってわけじゃない。サークルみたいなもの」
【サークルで神と崇められているのか】
【まあ、おっさんならそんなもの】
【家族を返せ】
おっと舌が絡みついた。
引き寄せてキャメルクラッチ。
「誘拐や監禁の事実はない」
【あったら警察が動いているよな】
【また配信が荒れるのか。嫌だな】
【インチキ教祖は吸い上げたお金を返せ】
「いっとくがノアフォロは1円も金取ってないから」
【嘘つき。労働はどうなんだ】
「あれは、利益の半分のお金を取っているが、ダンジョンの入場料だぞ。酸の採取にも正当なお金を払っている」
【ピンハネしといてよく言う】
【そうだそうだ】
おっと、また舌が来た。
引き寄せて、キャメルクラッチ。
【片手間に討伐しているのが草】
【アンチ湧くけど結局はチャンネル登録者数増えるのな】
【休眠してる奴も多いと思われ】
「ピンハネねぇ。みんな月に何百万と稼いでいるんだけど」
【嘘だ。じゃあなんで、俺達の手元にこない】
【守銭奴丸出しで、みっともない】
「個人が稼いだ金の使い道なんて俺は知らん。干渉するほど暇じゃない」
【ノアフォロですが、病院とか病気治療の研究に寄付してます。誰が欲深い親戚なんかに渡すものですか】
「だそうだよ」
【サクラだ。こんなことは信じない】
おっとまた舌攻撃だ。
手繰り寄せてキャメルクラッチ。
【アンチの奴ら、排除しろよ。管理人何してる】
「面白いから好きにさせてる。証拠が出そろったらもれなく訴える」
【アンチは炎上を嗅ぎつけると、知ったかして叩く】
【クレーマーだからな】
おっと、弥衣達に舌攻撃が。
ミスリルの矢に酸を塗りたくって巻きつかせたようだ。
カメレオンリザードの舌から白煙が上がった。
シロガネは、舌に噛みついて千切った。
俺は苦鳴を上げているカメレオンリザードにキャメルクラッチをかました。
「クレーマー大歓迎。名誉棄損があったら訴えるけどな」
【おや、アンチが黙った】
【許さん。訴えてやる】
「どうぞ、どうぞ」
カメレオンリザードにみんな慣れ、討伐はサクサク進んだ。
ボス部屋まであっさりと到達。
出てきたボスは、カメレオンリザードだった。
ただし透明の。
俺は見えない舌に絡めとられた。
引き寄せて、手探りで首に腕を回し、キャメルクラッチ。
【強敵なんだぜ】
【見えなくても、自分から、捕まりに行ってたら、そりゃ負ける】
【おつかれ】
【おつ】
【とつ】
【もつ】
【そつ】
【なつ】
【かつ】
【そつ無つ勝つ、お後がよろしいようで】
さあ、カメレオンリザードの舌を食わないとな。
ダンジョンから出て、コボルトとケットシーのマンションに行く。
カメレオンリザードの舌をスライスして炭火で焼く。
焼肉のたれを付けて完成だ。
お味はどうかな。
むっちゃ噛み応えがあってジューシー。
佐代子さんも、匂いに釣られたのか出てきた。
お子さんの知代子ちゃんも一緒だ。
二人とも無言でリザードタンを食べている。
美味い物は無言にさせるよな。
俺の視線に気づいた知代子ちゃんが佐代子さんの後ろに隠れる。
腕を伸ばして焼肉を取っていくところは何かなという感じ。
俺が怖いのかな。
何となくそんな気がした。
モチが察したのか、知代子ちゃんに焼肉を甲斐甲斐しく取ってあげている。
コボルトとケットシーは怖くないんだな。
癒し系だものな彼らは。
このマンションに馴染めているようで良かった。
何があったかは聞かない。
そのうち話してくれるだろう。
それまで待つさ。
だいたいの予想はつくけどもな。
あの胸倉をつかんだ男が悪いに違いない。
あいつが旦那なんだろうな。
離婚したければ弁護士費用ぐらい貸してもいい。
ダンジョン労働であっという間に返せるさ。
出てきたのは何だろな。
見た目じゃ分からん。
トカゲが口をパカリと開けた。
おっ、ブレスか。
発射されたのは長い舌。
鉄パイプに巻きついたそれを俺は手繰り寄せた。
そして跨り、キャメルクラッチ。
意味が分からん。
この攻撃が1、2階層より強いのか。
【カメレオンリザード。武器を封じられると強敵】
【引き寄せられると体勢も崩されるし】
「弱いんだけど」
【それはおっさんだけ】
【そうそう】
【インチキ教祖は配信するな】
【香ばしい奴が湧いたな】
【宗教はどれもインチキ】
「いや、俺のは宗教じゃないから。宗教法人ってわけじゃない。サークルみたいなもの」
【サークルで神と崇められているのか】
【まあ、おっさんならそんなもの】
【家族を返せ】
おっと舌が絡みついた。
引き寄せてキャメルクラッチ。
「誘拐や監禁の事実はない」
【あったら警察が動いているよな】
【また配信が荒れるのか。嫌だな】
【インチキ教祖は吸い上げたお金を返せ】
「いっとくがノアフォロは1円も金取ってないから」
【嘘つき。労働はどうなんだ】
「あれは、利益の半分のお金を取っているが、ダンジョンの入場料だぞ。酸の採取にも正当なお金を払っている」
【ピンハネしといてよく言う】
【そうだそうだ】
おっと、また舌が来た。
引き寄せて、キャメルクラッチ。
【片手間に討伐しているのが草】
【アンチ湧くけど結局はチャンネル登録者数増えるのな】
【休眠してる奴も多いと思われ】
「ピンハネねぇ。みんな月に何百万と稼いでいるんだけど」
【嘘だ。じゃあなんで、俺達の手元にこない】
【守銭奴丸出しで、みっともない】
「個人が稼いだ金の使い道なんて俺は知らん。干渉するほど暇じゃない」
【ノアフォロですが、病院とか病気治療の研究に寄付してます。誰が欲深い親戚なんかに渡すものですか】
「だそうだよ」
【サクラだ。こんなことは信じない】
おっとまた舌攻撃だ。
手繰り寄せてキャメルクラッチ。
【アンチの奴ら、排除しろよ。管理人何してる】
「面白いから好きにさせてる。証拠が出そろったらもれなく訴える」
【アンチは炎上を嗅ぎつけると、知ったかして叩く】
【クレーマーだからな】
おっと、弥衣達に舌攻撃が。
ミスリルの矢に酸を塗りたくって巻きつかせたようだ。
カメレオンリザードの舌から白煙が上がった。
シロガネは、舌に噛みついて千切った。
俺は苦鳴を上げているカメレオンリザードにキャメルクラッチをかました。
「クレーマー大歓迎。名誉棄損があったら訴えるけどな」
【おや、アンチが黙った】
【許さん。訴えてやる】
「どうぞ、どうぞ」
カメレオンリザードにみんな慣れ、討伐はサクサク進んだ。
ボス部屋まであっさりと到達。
出てきたボスは、カメレオンリザードだった。
ただし透明の。
俺は見えない舌に絡めとられた。
引き寄せて、手探りで首に腕を回し、キャメルクラッチ。
【強敵なんだぜ】
【見えなくても、自分から、捕まりに行ってたら、そりゃ負ける】
【おつかれ】
【おつ】
【とつ】
【もつ】
【そつ】
【なつ】
【かつ】
【そつ無つ勝つ、お後がよろしいようで】
さあ、カメレオンリザードの舌を食わないとな。
ダンジョンから出て、コボルトとケットシーのマンションに行く。
カメレオンリザードの舌をスライスして炭火で焼く。
焼肉のたれを付けて完成だ。
お味はどうかな。
むっちゃ噛み応えがあってジューシー。
佐代子さんも、匂いに釣られたのか出てきた。
お子さんの知代子ちゃんも一緒だ。
二人とも無言でリザードタンを食べている。
美味い物は無言にさせるよな。
俺の視線に気づいた知代子ちゃんが佐代子さんの後ろに隠れる。
腕を伸ばして焼肉を取っていくところは何かなという感じ。
俺が怖いのかな。
何となくそんな気がした。
モチが察したのか、知代子ちゃんに焼肉を甲斐甲斐しく取ってあげている。
コボルトとケットシーは怖くないんだな。
癒し系だものな彼らは。
このマンションに馴染めているようで良かった。
何があったかは聞かない。
そのうち話してくれるだろう。
それまで待つさ。
だいたいの予想はつくけどもな。
あの胸倉をつかんだ男が悪いに違いない。
あいつが旦那なんだろうな。
離婚したければ弁護士費用ぐらい貸してもいい。
ダンジョン労働であっという間に返せるさ。
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