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第84話 ノアフォロ炎上
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トカゲの楽園の2階層。
出てきたトカゲは、尻尾の先にトゲがいくつも付いている。
【メイスリザードだな。強敵なのだが、おっさんには敵わないのだろうな】
【どうするのかお手並み拝見】
そんなの食いたいからキャメルクラッチだろ。
背中に飛び乗り首に腕を回す。
背中にバンバン尻尾が当たる。
ボキっとへし折ってやった。
「ちょっと、平気なの?」
弥衣の心配そうな声。
ちょっと背中がスース―するな。
【おっさん、背中、背中】
【背中がどうした?】
【つヤエチャンネル】
【ああ、服がボロボロだ】
背中を触ると確かにボロボロだ。
「細かいことは気にしない」
【背筋凄いな】
【この筋肉が一撃必殺を生み出すのか】
【こんなのにキャメルクラッチされたら、首が折れる】
「バンバン行くぞ」
背中は叩かれるが、順調に討伐は進んだ。
ボスは尻尾の先が四角だ。
【ハンマーリザードだ】
【まあ、Cランク行くか行かないかって、ところだろ】
【おっさんでは強敵ではない】
毎度おなじみの背中に乗って、キャメルクラッチ。
背中がバンバン叩かれるが。
「マッサージにちょうどいい。そこそこ、ちょっと上」
【肩たたき機になってワラタ】
【頭に気を付けろ】
ゴインと後頭部に食らった。
「頭のマッサージも心地いい」
【ボスが可哀想に見える】
【キャメルクラッチ食らって泡拭いて、必死に尻尾を叩きつけるが、マッサージにしかならない】
【もうボスのHPはゼロよ。止めを刺してやりなよ】
「ボキっとな」
ボスが死んだ。
いやー、爽快。
マッサージ受けて得した気分。
ポータルの登録して、服を着替える。
そしてダンジョンから出た。
「この誘拐野郎。佐代子を返せ」
胸倉をつかまれた。
こいつ誰。
【ここは振り払っても良いと思う】
【だな】
【やさしくな。そっとだぞ】
俺は手を払いのけた。
男は吹っ飛び、バウンドし、何回か転がって止まった。
【あーあ】
【やっちまったか】
「みなさん見ましたか。暴行の現行犯です。たったいま犯罪が行われました」
そう言いながら、マイクを持った男が現れた。
背後にはテレビカメラを担いだ男。
【こういう仕掛けか】
【過剰防衛だな】
【謝ることはない】
【どう考えても相手は喧嘩売ってた】
「一連の出来事は録画してある。文句があれば訴えるといい」
「ノアフォロという宗教団体に誘拐された人が多数いるみたいなんですが、どう思いますか?」
レポーターが矛先を変える。
「誘拐なんのことだ?」
「ノアフォロに入信して家族からの説得に応じない。これが誘拐でなくて何だと思います?」
「俺は引き止めたりしてないぞ。抜けたければ、いつでも抜けていい」
【宗教団体持ってたのね】
【寄生スキルによる治療。病人がすがる最後の希望だ】
【抜けろと言っている家族はなんなん】
【たぶん、早く死んで欲しいんだよな】
【遺産目当てかよ。それは酷い】
「後の話は弁護士にどうぞ」
弥衣がそう言って連絡先を渡す。
苦虫を噛み潰したようなレポーター。
家に帰り、昼飯を食ってくつろいで、少しウトウト。
ハッと気が付くと午後3時だった。
テレビを点けると、宗教団体ノアフォロに密着とテロップが出た。
「たかし、そんな所で働かないで! 病気が悪化するわ! 寝てなきゃ!」
お婆さんが、中年の男性に話し掛けている。
「……」
中年の男性は応えない。
「いまのVTRを見てどう思います」
「洗脳されてますね。宗教団体にありがちなことです。自分が入っている宗教を否定する人は敵だと教えられます」
えー、なんでそういう解釈になる。
おかしいだろ。
「彼らがどういう活動をしているか撮ったVTRがあります。どうぞ」
ダンジョンの中の討伐や採取の仕事の様子が映し出された。
「簡単にやっているようですが、モンスター相手の仕事です。これはブラック企業より酷い。こういう苦行を積むと長生きできると洗脳されているようです。信者の中にはノアフォロに遺産を譲ると遺言を書いた人もいます。次のVTRどうぞ」
道路の清掃の様子が映し出された。
「これはこの教団のはっきり言えば外面の顔です。奉仕活動で善人ぶっているようです」
そして、俺の暴行とインタビュー映像。
何がしたいんだよ。
数字さえ取れればオッケーなのか。
SNSを見ると炎上してた。
ノアフォロのSNSもだ。
全くマスコミは碌なことをしないな。
もっともさっき言ったことに当てはまる宗教団体もある。
そこと違うんだよといくら言っても駄目なんだろうな。
出てきたトカゲは、尻尾の先にトゲがいくつも付いている。
【メイスリザードだな。強敵なのだが、おっさんには敵わないのだろうな】
【どうするのかお手並み拝見】
そんなの食いたいからキャメルクラッチだろ。
背中に飛び乗り首に腕を回す。
背中にバンバン尻尾が当たる。
ボキっとへし折ってやった。
「ちょっと、平気なの?」
弥衣の心配そうな声。
ちょっと背中がスース―するな。
【おっさん、背中、背中】
【背中がどうした?】
【つヤエチャンネル】
【ああ、服がボロボロだ】
背中を触ると確かにボロボロだ。
「細かいことは気にしない」
【背筋凄いな】
【この筋肉が一撃必殺を生み出すのか】
【こんなのにキャメルクラッチされたら、首が折れる】
「バンバン行くぞ」
背中は叩かれるが、順調に討伐は進んだ。
ボスは尻尾の先が四角だ。
【ハンマーリザードだ】
【まあ、Cランク行くか行かないかって、ところだろ】
【おっさんでは強敵ではない】
毎度おなじみの背中に乗って、キャメルクラッチ。
背中がバンバン叩かれるが。
「マッサージにちょうどいい。そこそこ、ちょっと上」
【肩たたき機になってワラタ】
【頭に気を付けろ】
ゴインと後頭部に食らった。
「頭のマッサージも心地いい」
【ボスが可哀想に見える】
【キャメルクラッチ食らって泡拭いて、必死に尻尾を叩きつけるが、マッサージにしかならない】
【もうボスのHPはゼロよ。止めを刺してやりなよ】
「ボキっとな」
ボスが死んだ。
いやー、爽快。
マッサージ受けて得した気分。
ポータルの登録して、服を着替える。
そしてダンジョンから出た。
「この誘拐野郎。佐代子を返せ」
胸倉をつかまれた。
こいつ誰。
【ここは振り払っても良いと思う】
【だな】
【やさしくな。そっとだぞ】
俺は手を払いのけた。
男は吹っ飛び、バウンドし、何回か転がって止まった。
【あーあ】
【やっちまったか】
「みなさん見ましたか。暴行の現行犯です。たったいま犯罪が行われました」
そう言いながら、マイクを持った男が現れた。
背後にはテレビカメラを担いだ男。
【こういう仕掛けか】
【過剰防衛だな】
【謝ることはない】
【どう考えても相手は喧嘩売ってた】
「一連の出来事は録画してある。文句があれば訴えるといい」
「ノアフォロという宗教団体に誘拐された人が多数いるみたいなんですが、どう思いますか?」
レポーターが矛先を変える。
「誘拐なんのことだ?」
「ノアフォロに入信して家族からの説得に応じない。これが誘拐でなくて何だと思います?」
「俺は引き止めたりしてないぞ。抜けたければ、いつでも抜けていい」
【宗教団体持ってたのね】
【寄生スキルによる治療。病人がすがる最後の希望だ】
【抜けろと言っている家族はなんなん】
【たぶん、早く死んで欲しいんだよな】
【遺産目当てかよ。それは酷い】
「後の話は弁護士にどうぞ」
弥衣がそう言って連絡先を渡す。
苦虫を噛み潰したようなレポーター。
家に帰り、昼飯を食ってくつろいで、少しウトウト。
ハッと気が付くと午後3時だった。
テレビを点けると、宗教団体ノアフォロに密着とテロップが出た。
「たかし、そんな所で働かないで! 病気が悪化するわ! 寝てなきゃ!」
お婆さんが、中年の男性に話し掛けている。
「……」
中年の男性は応えない。
「いまのVTRを見てどう思います」
「洗脳されてますね。宗教団体にありがちなことです。自分が入っている宗教を否定する人は敵だと教えられます」
えー、なんでそういう解釈になる。
おかしいだろ。
「彼らがどういう活動をしているか撮ったVTRがあります。どうぞ」
ダンジョンの中の討伐や採取の仕事の様子が映し出された。
「簡単にやっているようですが、モンスター相手の仕事です。これはブラック企業より酷い。こういう苦行を積むと長生きできると洗脳されているようです。信者の中にはノアフォロに遺産を譲ると遺言を書いた人もいます。次のVTRどうぞ」
道路の清掃の様子が映し出された。
「これはこの教団のはっきり言えば外面の顔です。奉仕活動で善人ぶっているようです」
そして、俺の暴行とインタビュー映像。
何がしたいんだよ。
数字さえ取れればオッケーなのか。
SNSを見ると炎上してた。
ノアフォロのSNSもだ。
全くマスコミは碌なことをしないな。
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