83 / 170
第83話 トカゲの楽園
しおりを挟む
「癌が小さくなって手術しました。術後も良好です」
ノアフォロの人からそう言われた。
ノアフォロは末期癌の患者の団体だ。
「それはなによりだ。長生きして奴隷として仕えるが良い」
「やはりあなたは神でしょう。優れた人を神と言いますが、あなたならそう言われても不思議はない」
俺が何の神かと問われれば連打の神と答えるだろう。
どんな障害も連打でぶち壊す。
それしか俺は知らない。
さて、次のダンジョンはどこにしよう。
トカゲの楽園にやってきた。
最初のザコがオオトカゲ。
炎を吐いたりはしない。
毒液も吐かない。
だが、Dランクだ。
一般人には手ごわいのだろう。
フィールドは砂浜。
オオトカゲが何頭も日向ぼっこしている。
ワニとどっちがでかいかな。
【トカゲの楽園ね。結構強敵】
【ちょっとどこがトカゲなのよ】
【ここのこれが普通サイズだ】
【ボウガンはちょっと狙いづらいんじゃね】
【そうだな。斜めだから、刺さらないかも】
【酸の水鉄砲と毒があるじゃないか】
【まあね】
弥衣達は酸の水鉄砲を選択した。
酸を掛けられオオトカゲがのたうち回る。
【地獄絵図。綺麗ではないな】
【仕方ない。ボウガンは地面を狙うようにはできてない】
【おっさん、見本を見せてよ】
「よし」
素材の観点から言ったら、キャメルクラッチが良いだろう。
俺はオオトカゲに飛び乗ると顎に腕を回し、思いっ切り持ち上げた。
ボキっという音がしてくびの骨が折れて一丁上がり。
オオトカゲの肉を食ってみたかったのだ。
「どんどんいくぜ。ボキボキボキっとな」
【いやこんなに簡単に折れるのか】
【おっさんなら造作もない】
【俺達がやるなら、酸の水鉄砲だな】
【ロープで口をグルグル巻きにして脳天にナイフの一撃とかできないかな】
【やってみろよ】
【ワニでもそうだが、口をグルグル巻きは度胸がいるぞ】
討伐は順調に進んだ。
ボス部屋の扉の前まで簡単に進めた。
まあ序盤だからな。
ボスは俗称オオオオトカゲ。
ギガントリザードという名前があるらしいが、オオトカゲのでかいのだから、オオオオトカゲ。
まあいいや。
俺は食材にしたかったのでキャメルクラッチ。
簡単に首をへし折った。
ダンジョンから出ると、子連れの女が抱きついてきた。
弥衣の目が冷ややかだ。
【おっ、修羅場】
【次の言葉はあなたの子供よかな】
「どちら様?」
「やだ忘れたの。佐代子よ」
「あー、さよちゃんか。弥衣、こちら昔、近所にいた佐代子さん」
【近所の知り合いか】
【おっさんとの年齢差を考えると、付き合っていたとは考えにくい】
【いま若いけど】
【若さ吸い取ったからな】
「いつまで抱き着いているの」
弥衣が鬼の形相だ。
【やっぱり修羅場だ】
【ヤエちゃんより年齢的にはカップルになる可能性がある】
【ない! 絶対にない!】
【ヤエちゃん降臨かな】
「ごめんなさい。懐かしかったのよ。よく遊んでもらったから。この子は知代子。ほら挨拶して」
知代子ちゃんの年齢は幼稚園児ぐらいだ。
知代子ちゃんは佐代子さんの後ろに隠れた。
そして、何も言わないでこっちをじっと見てる。
「ごめんなさい。人見知りなの」
「別にいいさ」
「お願いダンジョンの中で匿って」
「別に良いけど、ダンジョンの中は危険だぞ」
「安心できる所がないのよ」
「それなら、コボルトとケットシー達が暮らすマンションはどうだ」
「そこは安全なの」
「まあな。やつら気が良い奴ばっかりだぞ」
「じゃあ、お願い」
「キナコとモチ、案内してやれ」
知代子ちゃんは突然モチに抱きついた。
珍しくモチが動揺してる。
「モチ、おんぶしてやれ」
「はいにゃ」
知代子ちゃんはモチに背負われて満足そうだ。
さて、トカゲの肉はどんな味かな。
トカゲの尻尾を輪切りにして、網で焼く。
うほっ、油が垂れた匂いが、良い匂いだ。
醤油を少し垂らして、かぶりついた。
油が乗った鶏肉だな。
癖もほとんどなくて美味しい。
張り切っている弥衣達には悪いが、キャメルクラッチでいける所は全てそれでいきたい。
美味しい肉は正義だなと思う。
佐代子さんの所にもおすそ分けしてやろう。
ノアフォロの人からそう言われた。
ノアフォロは末期癌の患者の団体だ。
「それはなによりだ。長生きして奴隷として仕えるが良い」
「やはりあなたは神でしょう。優れた人を神と言いますが、あなたならそう言われても不思議はない」
俺が何の神かと問われれば連打の神と答えるだろう。
どんな障害も連打でぶち壊す。
それしか俺は知らない。
さて、次のダンジョンはどこにしよう。
トカゲの楽園にやってきた。
最初のザコがオオトカゲ。
炎を吐いたりはしない。
毒液も吐かない。
だが、Dランクだ。
一般人には手ごわいのだろう。
フィールドは砂浜。
オオトカゲが何頭も日向ぼっこしている。
ワニとどっちがでかいかな。
【トカゲの楽園ね。結構強敵】
【ちょっとどこがトカゲなのよ】
【ここのこれが普通サイズだ】
【ボウガンはちょっと狙いづらいんじゃね】
【そうだな。斜めだから、刺さらないかも】
【酸の水鉄砲と毒があるじゃないか】
【まあね】
弥衣達は酸の水鉄砲を選択した。
酸を掛けられオオトカゲがのたうち回る。
【地獄絵図。綺麗ではないな】
【仕方ない。ボウガンは地面を狙うようにはできてない】
【おっさん、見本を見せてよ】
「よし」
素材の観点から言ったら、キャメルクラッチが良いだろう。
俺はオオトカゲに飛び乗ると顎に腕を回し、思いっ切り持ち上げた。
ボキっという音がしてくびの骨が折れて一丁上がり。
オオトカゲの肉を食ってみたかったのだ。
「どんどんいくぜ。ボキボキボキっとな」
【いやこんなに簡単に折れるのか】
【おっさんなら造作もない】
【俺達がやるなら、酸の水鉄砲だな】
【ロープで口をグルグル巻きにして脳天にナイフの一撃とかできないかな】
【やってみろよ】
【ワニでもそうだが、口をグルグル巻きは度胸がいるぞ】
討伐は順調に進んだ。
ボス部屋の扉の前まで簡単に進めた。
まあ序盤だからな。
ボスは俗称オオオオトカゲ。
ギガントリザードという名前があるらしいが、オオトカゲのでかいのだから、オオオオトカゲ。
まあいいや。
俺は食材にしたかったのでキャメルクラッチ。
簡単に首をへし折った。
ダンジョンから出ると、子連れの女が抱きついてきた。
弥衣の目が冷ややかだ。
【おっ、修羅場】
【次の言葉はあなたの子供よかな】
「どちら様?」
「やだ忘れたの。佐代子よ」
「あー、さよちゃんか。弥衣、こちら昔、近所にいた佐代子さん」
【近所の知り合いか】
【おっさんとの年齢差を考えると、付き合っていたとは考えにくい】
【いま若いけど】
【若さ吸い取ったからな】
「いつまで抱き着いているの」
弥衣が鬼の形相だ。
【やっぱり修羅場だ】
【ヤエちゃんより年齢的にはカップルになる可能性がある】
【ない! 絶対にない!】
【ヤエちゃん降臨かな】
「ごめんなさい。懐かしかったのよ。よく遊んでもらったから。この子は知代子。ほら挨拶して」
知代子ちゃんの年齢は幼稚園児ぐらいだ。
知代子ちゃんは佐代子さんの後ろに隠れた。
そして、何も言わないでこっちをじっと見てる。
「ごめんなさい。人見知りなの」
「別にいいさ」
「お願いダンジョンの中で匿って」
「別に良いけど、ダンジョンの中は危険だぞ」
「安心できる所がないのよ」
「それなら、コボルトとケットシー達が暮らすマンションはどうだ」
「そこは安全なの」
「まあな。やつら気が良い奴ばっかりだぞ」
「じゃあ、お願い」
「キナコとモチ、案内してやれ」
知代子ちゃんは突然モチに抱きついた。
珍しくモチが動揺してる。
「モチ、おんぶしてやれ」
「はいにゃ」
知代子ちゃんはモチに背負われて満足そうだ。
さて、トカゲの肉はどんな味かな。
トカゲの尻尾を輪切りにして、網で焼く。
うほっ、油が垂れた匂いが、良い匂いだ。
醤油を少し垂らして、かぶりついた。
油が乗った鶏肉だな。
癖もほとんどなくて美味しい。
張り切っている弥衣達には悪いが、キャメルクラッチでいける所は全てそれでいきたい。
美味しい肉は正義だなと思う。
佐代子さんの所にもおすそ分けしてやろう。
214
お気に入りに追加
712
あなたにおすすめの小説
リフォーム分譲ダンジョン~庭にダンジョンができたので、スキルを使い改装して、分譲販売することにした。あらぬ罪を着せてた奴らにざまぁしてやる~
喰寝丸太
ファンタジー
俺はソフトウェア開発会社の社員だった。
外注費を架空計上して横領した罪に問われ会社を追われた。
不幸は続く。
仲の良かった伯父さんが亡くなった。
遺産が転がり込むかと思われたら、貰った家の庭にダンジョンができて不良物件に。
この世界は10年前からダンジョンに悩まされていた。
ダンジョンができるのは良く聞く話。
ダンジョンは放っておくとスタンピードを起こし、大量のモンスターを吐き出す。
防ぐ手段は間引きすることだけ。
ダンジョンの所有者にはダンジョンを管理する義務が発生しますとのこと。
そして、スタンピードが起きた時の損害賠償は所有者である俺にくるらしい。
ダンジョンの権利は放棄できないようになっているらしい。
泣く泣く自腹で冒険者を雇い、討伐する事にした。
俺が持っているスキルのリフォームはダンジョンにも有効らしい。
俺はダンジョンをリフォーム、分譲して売り出すことにした。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
元探索者のおじいちゃん〜孫にせがまれてダンジョン配信を始めたんじゃが、軟弱な若造を叱りつけたらバズりおったわい〜
伊藤ほほほ
ファンタジー
夏休み。それは、最愛の孫『麻奈』がやって来る至福の期間。
麻奈は小学二年生。ダンジョン配信なるものがクラスで流行っているらしい。
探索者がモンスターを倒す様子を見て盛り上がるのだとか。
「おじいちゃん、元探索者なんでしょ? ダンジョン配信してよ!」
孫にせがまれては断れない。元探索者の『工藤源二』は、三十年ぶりにダンジョンへと向かう。
「これがスライムの倒し方じゃ!」
現在の常識とは異なる源二のダンジョン攻略が、探索者業界に革命を巻き起こす。
たまたま出会った迷惑系配信者への説教が注目を集め、
インターネット掲示板が源二の話題で持ちきりになる。
自由奔放なおじいちゃんらしい人柄もあってか、様々な要因が積み重なり、チャンネル登録者数が初日で七万人を超えるほどの人気配信者となってしまう。
世間を騒がせるほどにバズってしまうのだった。
今日も源二は愛車の軽トラックを走らせ、ダンジョンへと向かう。
底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜
サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。
冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。
ひとりの新人配信者が注目されつつあった。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
ポリゴンスキルは超絶チートでした~発現したスキルをクズと言われて、路地裏に捨てられた俺は、ポリゴンスキルでざまぁする事にした~
喰寝丸太
ファンタジー
ポリゴンスキルに目覚めた貴族庶子6歳のディザは使い方が分からずに、役に立たないと捨てられた。
路地裏で暮らしていて、靴底を食っている時に前世の記憶が蘇る。
俺はパチンコの大当たりアニメーションをプログラムしていたはずだ。
くそう、浮浪児スタートとはナイトメアハードも良い所だ。
だがしかし、俺にはスキルがあった。
ポリゴンスキルか勝手知ったる能力だな。
まずは石の板だ。
こんなの簡単に作れる。
よし、売ってしまえ。
俺のスキルはレベルアップして、アニメーション、ショップ、作成依頼と次々に開放されて行く。
俺はこれを駆使して成り上がってやるぞ。
路地裏から成りあがった俺は冒険者になり、商人になり、貴族になる。
そして王に。
超絶チートになるのは13話辺りからです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる