19 / 179
第19話 アイアンウルフ
しおりを挟む
パニックになっていても仕方ない。
スキルの検証を始めないと。
まずはおなじみの魔力操作だ。
千人のうち、300人程が持っていたらしい。
その威力900%。
瞬く間に魔力が流れ込み必殺技が放てる。
アイアンオークに試してみたところ、武器強化と魔力操作の合わせ技で一撃だった。
魔法スキルは難しい。
魔力操作との合わせ技の力任せは出来るが、アイアンリッチがやっていた弾丸は無理だ。
原理が分からん。
土魔法で弾丸を出して風魔法で撃ち出せばいいのかな。
とにかくできない。
もう力技でも良いか。
俺達は2階層に踏み入れた。
キナコの話では、2階層の最初のザコはアイアンオークらしい。
楽勝だな。
「ふははっ、2階層に足を踏み入れたぜ」
【今度こそ爆死してくれ】
【見たところオークじゃないか】
【オークでは見込みが薄いな】
【とっとと次に行け】
「待て、乱獲してからだ」
俺達は弥衣達にレベル上げをさせて、アイアンオークを乱獲した。
【ヤエちゃん、レベル上げご苦労様です。レベルを上げてこのクズ男にざまぁしてやって下さい】
【無理だろ。止めを刺したほうが経験値は稼げる。だが、おっさん氏ね】
【今日も乱獲素敵です。頑張って下さい。愛してます】
【出たなおばさん】
【俺、冒険者だけど、アイアンオークの革を使ったプロテクターを装備している。この性能は凄いぜ】
【ステマは要らない。おっさん自演乙】
【はよ次行けや。おっさんが爆死する所が見たいんだ】
「よし、奥へ行くぞ」
いたのはアイアンウルフだ。
大型犬より大きい巨体。
トラほどの大きさがある。
【今度こそ、おっさん死んだな】
【美味い酒が飲めそうだ】
まずは一当てだな。
呪いを込めた鉄パイプの連撃を全てかわされた。
くっ、速いぞこいつ。
プチウルフが追い詰めらた時ぐらい速い。
アイアンウルフが大口を開いた。
大技がくる。
だが、その溜めは隙だ。
俺は鉄パイプでアイアンウルフの上顎を殴って口を閉じさせた。
アイアンウルフが呪いで弱体化する。
アイアンウルフの口から青白い炎が漏れて、それに鉄パイプが触れた途端、鉄パイプは溶けた。
「あちっちっ、熱いじゃないか」
慌てて鉄パイプを離すも手の肉は焼けただれていた。
余波でこれだけだとすると直接は食らいたくないな。
俺は替えの鉄パイプを取り出すと、アイアンウルフの頭を滅多打ちにした。
どうやら殺せたようだ。
大技を撃たせるのは得策ではないな。
だが、普通にこっちが必殺技を出しても、避けられたら厄介だ。
さっきみたいに余波の炎も食らいたくない。
【強敵かな。大きさはウルフ系では普通かな。Cランク相当だと思われる】
【炎のブレスは強い】
【鉄パイプが溶けるってどんだけ】
【鉄じゃなくてハンダで出来ているんじゃね】
【あり得る。重さが違うからな】
【鉛だとすると、力持ちじゃないかしら。素敵ね】
【パイプだからハンダでも振れるな】
【何で曲がらないんだ】
【おう、魔力が通ると硬くなるんだよ】
【おっさん、魔力凄いのか】
【そこは寄生スキルの出番だろ】
「今日の討伐はここまでだ」
俺はカメラのスイッチを切った。
「手を見せて」
弥衣に手を見せると悲しい顔をされた。
手の火傷は自己治癒能力で瞬く間に治った。
「言わんとすることは分かる。アイアンオークを狩って暮らせば良いってことはな」
「じゃあ、何で?」
「最近まで俺は世の中の物は全て意味がないって思ってた。今は違うと思っている。全ての物には意味があるってな。相棒のカメラに出会ったのも、ダンジョンが庭に出来たのも、弥衣に出会えたのも意味があるんだ。じゃあ、千撃必殺と寄生スキルは何のためだ」
「ダンジョンを制覇しろってこと?」
「ああ、そんな気がしてならない。馬鹿な俺だが、俺の勘がそう言っている。すまんな弥衣の頼みでも考えは曲げられない」
「ダンジョンには伝承があるわん。邪神と善神の遊戯だと伝えられているわん」
「そうにゃん。ダンジョンを制覇すれば善神の勝ち、制覇できなければ邪神の勝ちにゃん」
「邪神が支配する世界なんてきっとろくでもないんだろうな」
「そうね」
「納得してくれたか?」
「私はずっとついて行くから。それなら許可してあげる」
「ああ、弥衣はカメラに次いで相棒だ。キナコとモチも相棒だからな」
絆がより一層、強まった気がする。
寄生している関係だけど、俺のパーティメンバーは絶対に守る。
そう決意を新たにした。
スキルの検証を始めないと。
まずはおなじみの魔力操作だ。
千人のうち、300人程が持っていたらしい。
その威力900%。
瞬く間に魔力が流れ込み必殺技が放てる。
アイアンオークに試してみたところ、武器強化と魔力操作の合わせ技で一撃だった。
魔法スキルは難しい。
魔力操作との合わせ技の力任せは出来るが、アイアンリッチがやっていた弾丸は無理だ。
原理が分からん。
土魔法で弾丸を出して風魔法で撃ち出せばいいのかな。
とにかくできない。
もう力技でも良いか。
俺達は2階層に踏み入れた。
キナコの話では、2階層の最初のザコはアイアンオークらしい。
楽勝だな。
「ふははっ、2階層に足を踏み入れたぜ」
【今度こそ爆死してくれ】
【見たところオークじゃないか】
【オークでは見込みが薄いな】
【とっとと次に行け】
「待て、乱獲してからだ」
俺達は弥衣達にレベル上げをさせて、アイアンオークを乱獲した。
【ヤエちゃん、レベル上げご苦労様です。レベルを上げてこのクズ男にざまぁしてやって下さい】
【無理だろ。止めを刺したほうが経験値は稼げる。だが、おっさん氏ね】
【今日も乱獲素敵です。頑張って下さい。愛してます】
【出たなおばさん】
【俺、冒険者だけど、アイアンオークの革を使ったプロテクターを装備している。この性能は凄いぜ】
【ステマは要らない。おっさん自演乙】
【はよ次行けや。おっさんが爆死する所が見たいんだ】
「よし、奥へ行くぞ」
いたのはアイアンウルフだ。
大型犬より大きい巨体。
トラほどの大きさがある。
【今度こそ、おっさん死んだな】
【美味い酒が飲めそうだ】
まずは一当てだな。
呪いを込めた鉄パイプの連撃を全てかわされた。
くっ、速いぞこいつ。
プチウルフが追い詰めらた時ぐらい速い。
アイアンウルフが大口を開いた。
大技がくる。
だが、その溜めは隙だ。
俺は鉄パイプでアイアンウルフの上顎を殴って口を閉じさせた。
アイアンウルフが呪いで弱体化する。
アイアンウルフの口から青白い炎が漏れて、それに鉄パイプが触れた途端、鉄パイプは溶けた。
「あちっちっ、熱いじゃないか」
慌てて鉄パイプを離すも手の肉は焼けただれていた。
余波でこれだけだとすると直接は食らいたくないな。
俺は替えの鉄パイプを取り出すと、アイアンウルフの頭を滅多打ちにした。
どうやら殺せたようだ。
大技を撃たせるのは得策ではないな。
だが、普通にこっちが必殺技を出しても、避けられたら厄介だ。
さっきみたいに余波の炎も食らいたくない。
【強敵かな。大きさはウルフ系では普通かな。Cランク相当だと思われる】
【炎のブレスは強い】
【鉄パイプが溶けるってどんだけ】
【鉄じゃなくてハンダで出来ているんじゃね】
【あり得る。重さが違うからな】
【鉛だとすると、力持ちじゃないかしら。素敵ね】
【パイプだからハンダでも振れるな】
【何で曲がらないんだ】
【おう、魔力が通ると硬くなるんだよ】
【おっさん、魔力凄いのか】
【そこは寄生スキルの出番だろ】
「今日の討伐はここまでだ」
俺はカメラのスイッチを切った。
「手を見せて」
弥衣に手を見せると悲しい顔をされた。
手の火傷は自己治癒能力で瞬く間に治った。
「言わんとすることは分かる。アイアンオークを狩って暮らせば良いってことはな」
「じゃあ、何で?」
「最近まで俺は世の中の物は全て意味がないって思ってた。今は違うと思っている。全ての物には意味があるってな。相棒のカメラに出会ったのも、ダンジョンが庭に出来たのも、弥衣に出会えたのも意味があるんだ。じゃあ、千撃必殺と寄生スキルは何のためだ」
「ダンジョンを制覇しろってこと?」
「ああ、そんな気がしてならない。馬鹿な俺だが、俺の勘がそう言っている。すまんな弥衣の頼みでも考えは曲げられない」
「ダンジョンには伝承があるわん。邪神と善神の遊戯だと伝えられているわん」
「そうにゃん。ダンジョンを制覇すれば善神の勝ち、制覇できなければ邪神の勝ちにゃん」
「邪神が支配する世界なんてきっとろくでもないんだろうな」
「そうね」
「納得してくれたか?」
「私はずっとついて行くから。それなら許可してあげる」
「ああ、弥衣はカメラに次いで相棒だ。キナコとモチも相棒だからな」
絆がより一層、強まった気がする。
寄生している関係だけど、俺のパーティメンバーは絶対に守る。
そう決意を新たにした。
400
お気に入りに追加
734
あなたにおすすめの小説
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる