貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

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第7話 千撃必殺

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【底辺おっさんが潜っているダンジョンて推定SSSランクって本当?】
【どこ情報?】
【ドラスレチャンネル。最初のザコがアイアンスライムでむちゃ強いらしい】
【ルミちゃんに体要求するクズは氏ね】
【一緒のパーティ組んでるってことは……】
【嘘だ。底辺おっさんは氏ね】

 あー、今日も俺のチャンネルを見てくれて、ありがとうと言おうとした。
 だが考えた。
 悪役になるんだったら、徹底的にやってやろうじゃないか。

「ぐへへっ、その通りだ。留美るみは頂いた」

【氏ね】
【俺はもう一人の女の子が気になる】
【もしかしてそっちも】

「そっちもだ。分かったか愚民共。底辺より下になった気分はどうだ。たが、俺は既に底辺じゃない」

 通帳を開いて見せてやった。

【くっ、桁が多くて分からん】
【負けた。何でだよ。この前までは底辺仲間だったじゃないか】
【氏ね】

「俺は死なん。憎まれっ子世にはびこるってあるだろあれだ」

【はびこってどうする。分裂するのか。くそワラタ】
【低学歴乙】
【本当に高校出たのか】
【でも意味的には通じる。分かってて言っているんだよ】
【おっさんのギャグは寒い】
【氏ね】
【呪】

「くくくっ。呪うが良い。俺は呪われるほど力が増すぞ」

【みんなで呪ってやれ。呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪】
【呪われてて草】

「さあ、女達と共に今日は協会に行くぜ」

【あの安い鉄鉱石を売りに行くのか?】
【言うなよ。あれで飯を食っているんだから】
【おっさんは一生穴掘って暮らせ】

「じゃあ行って来る」

 笠幡かさはたさんのいくらするか分からないスポーツカーで協会に行く。
 アイテム鞄を買うためだ。
 一番小さいアイテム鞄は5000万円ほどする。
 だが、必要だと思う。

 協会に着いた。

「おい、あれ見ろよ。埼京さいきょうのクズ野郎だ。これ見よがしに女を見せつけやがって」

 ここにも俺のチャンネルの視聴者がいたようだ。
 歩いている俺の前に男が立ち塞がった。

「邪魔だ。どけ」

 俺は軽く男を払いのけた。
 男はくの字になって飛んで壁に激突した。
 やべっ、やっちまったか。
 いつもの調子で力を入れちまった。
 謝るとたかられるな。
 こういう時は。

「ハエがいたようだな。虫を追い払おうとして当たったみたいだ」

【おっさん強いのか?】
【やべぇ】
【吹っ飛んだぞ】
【女にもてて、金もあって、強いなんて許せん】
【いや吹っ飛んだのはサクラ。あんなに軽々とは飛ばない】
【なんだ、やっぱりな】

「アイテム鞄をひとつ貰おうか。サイズは一番小さいので良い」

「それですと、4987万円になります」
「カードで頼む」

 冒険者協会は銀行と提携している。
 キャッシュカードが使えるのだ。

 やった、アイテム鞄を手に入れたぞ。

すぐるさんは何時まで底辺冒険者を装うんですか」
「この女、いつの間にか名前呼びになってる」

「パーティメンバーなんだし良いでしょ。私のことは留美るみって呼んでね」

 パーティメンバー何だよな。
 悪役ムーブのために呼び方を変えるか。

「じゃあ、留美るみって呼ばせてもらう。ヤエちゃんも弥衣やえって呼ばせてもらう」
「えへへ、呼び捨てかぁ」

【くっ、名前呼びの呼び捨てだと】
【悔しい】
【諦めろよ。みっともないぞ】
【あれが許せるか。ハーレムだぞ】

すぐるさん、誤魔化されませんよ。Sランク冒険者なんでしょ」
「いやFランクだが。ほらギルドカード」

 俺はギルドカードを見せた。

「あれっ。そうよ、協会の中にも協力者がいるのね」

 彼女が何を言っているのか分からない。
 まあいいか。

すぐるさん、一緒にスキル鑑定受けてようよ」

 弥衣やえにそう言われた。

「いいぞ、金ならあるしな。二人分スキル鑑定頼む」
「お二人ですと、2万円になります」
「カードで」

 カードを渡すと道具を向けられた。

「ええと、千撃必殺というスキルがありますね。一撃必殺系のスキルでパッシブのようです。千回ほど攻撃すると殺せるというスキルになります。女性のかたはスキルがありません」

 ありがとうとか言うと悪役ムーブから外れるな。

「はっはっは、当然だな。必殺スキルは俺にふさわしい」
「がっくり」

 俺にスキルがあったなんてな。

「あの硬いSランクモンスターをどうやって倒していたか、謎がひとつ解けました。私のスキルも教えておきます。火魔法と魔力操作です」

 留美るみは魔法使いのスキルだな。
 俺のは強いのかな。
 低確率で必殺の一撃が出せるんだから、良いスキルなんだろう。
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