異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第7章 魔王大戦編

第393話 荒れ地と、スケルトンと、弱点

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 そろそろ、地竜のトプスの領域から、別の魔王の所に行こう。
 好奇心を刺激されるのは、アンデッドの魔王リッチだ。
 この世界にアンデッドはいないはずだ。
 どういう仕組みなのか聞いてみたい。

 リッチの領域は荒野だ。
 足を踏み入れた途端、ここは死の世界だと悟った。
 虫一匹、植物のひとつも、生きている物が何もない。

「これは酷い。大地の嘆きが聞こえてくるようだ」

 クリアの感想に俺も同意する。
 ここに入植するのは難しいな。
 テラフォーミング並みの努力が必要だ。

 何もない荒野を進んでいく。
 雑草をひとつ見つけた。
 死の荒野でも植物は生えるんだな。

 環境的には生き物が暮らしていけないわけじゃないのか。
 何がこの荒野を作り出しているのか。
 しばらく進むとちらほら雑草が生えていた。

 何か来る。
 近くにきて分かったスケルトンだ。
 スケルトン達が雑草に手をかざすと、雑草はみるみる枯れていった。
 アンデッドが死の領域を作り出しているのだな。

 スケルトン達は俺達にも手をかざしたが、俺達は別段痛くも痒くもなかった。
 生命力を吸い取る攻撃なのだろうか。
 でも、これも魔法の一種に違いない。
 魔法は他人の魔力に反発する。
 レジストできるから、エネルギーを伴わない魔法はほとんど効果がない。

 スケルトン達は諦めたのか去っていた。
 そして、しばらくして剣を持ったスケルトンの集団がやってきた。

 どうやら、一戦交えたいようだ。
 剣を持ったスケルトン達は、攻撃をバリヤに阻まれ、俺達は無傷。
 どうするか見ていたら引き上げていった。

 話し合いに来ているのだから、なるべく暴力は振るいたくない。
 テリトリーを侵しているのはこちら側だからな。

 モンスター相手だと事情は少し違う。
 モンスターは人間を餌だとみているふしがある。
 アンデッドもモンスター枠に入れるべきだろうか。

「また来たぞ」

 クリアが警告を発する。
 投げ槍を手に携えたスケルトン集団が近づいてきて、投げ槍を構えて投げる。
 投げ槍はバリヤに当たって爆発した。

 バリヤを破る程ではないが、結構な威力だな。

「こちらから手を出さざるを得ないか」
「攻撃は厳しくなる一方だから、しょうがないと思う」

 投げ槍を放ったスケルトンに火球を当てる。
 スケルトンは燃え灰になった。
 レジストした感触がないことから、スケルトン自体は大した魔力をもってないようだ。
 スケルトンの一体を爆発で粉々にする。

 復活しないのだな。
 ある小説のスケルトンは核を壊さない限り、活動をやめなかったのだが。

 爆発の余波で骨折したスケルトンも、怪我が治ったりしないようだ。

 そして、スケルトンは撤退していった。

 粉々にしたスケルトンの残骸を調べる。
 残骸の中に魔石を5つ見つけた。
 なんだモンスターなのか。
 それとも魔道具の一種か。
 姿形からみるに魔道具のような気がする。

 魔道具だとするとかなり高度だな。

 俺は木の棒を取り出して、スケルトンだった魔石を取り付けた。
 そして、魔道具を起動。
 木のスケルトンが立ち上がった。

 やっぱり魔道具か。
 主人は魔道具を起動した者になるらしい。
 俺に襲い掛かるそぶりは見せない。

 リッチサイドの弱点が分かった。
 スケルトンの魔石を回収されると、敵に武器を与える感じになる。
 数を100万体ぐらい用意すれば別だが、人間には敵わないと思う。
 それが分かっているから、ここに引きこもっているんだな。

「間抜けな魔道具だ。寝返ってしまうとは」

 クリアもそう考えたみたいだ。

「敵味方、の識別が出来なかったのかな。神秘魔法名を使えば出来ると思うけど」
「雑兵だから手を抜いたんだろ」

 調べたら、スケルトンは神秘魔法名を持ってなかった。
 神秘魔法名で敵を判別すると、スケルトン同士で同士討ちが発生するのか。
 動いている物を攻撃から除外すると、スケルトンは飛び道具に対するなすすべがないことになる。

 こういう魔道具の設計は難しいな。
 AIでも組み込めればいいが、学習が手間だ。
 学習されたデータが全て揃っていれば出来ない事はない。
 だが、それは出来ないと言っていることと等しい。

 それからは暇な物だった。
 スケルトンは現れない。

 うーん、あれが魔王の最大戦力だとは思わないんだけど。
 たぶんどこかで様子を窺っているな。
 そんな気がする。
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