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第6章 特使編
第327話 同盟の提案と、窓口と、国技
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宴会が終わり、議会が再び再開した。
「リッツ、翻訳してくれ。俺はスライダーとディッブの同盟を提案する。そして2国間で問題が起こった時は試合によって決着をつけようではないか」
「ニ・セスラセラトイ・チミ・チリリニチミソイ・コイカテイイミ・トリニシイス・チミシ・シニセル・チミシ・テクイミ・セスラコリイモト・チスニトイ・コイカテイイミ・カクイ・カテラ・ソラナミカスニイトネ・リイカ・ナト・トイカカリイ・カクイモ・コン・チ・モチカソクル」
ディッブ人の戦士は頷いている。
どうやら反対意見はないようだ。
だが、ディッブ人が約束を守るとは限らない。
一方的に同盟を破棄する可能性がある。
「カクニト・モチカカイス・クチト・コイイミ・チソソイセカイシ」
銅鑼が鳴らされた。
どうやら俺の意見が通った。
また宴会が始まる。
この宴会は意見調整の場でもあるらしい。
通った議案に対してどのように運営するかなど細かいところを決める。
そういう役割のようだ。
「私を同盟の窓口に指名してはくれないだろうか」
トレンがそう言ってきた。
うーん、トレンだとたぶん軽く見られて同盟が危うくなりそうなんだよな。
トレンとしては、窓口になって結婚を回避して、学園に戻りたいのだろうけど、俺の立場だと容易く了承はできない。
「ごめん、トレンの立場は分かるけど、それは出来ない」
「分かっていたよ。上級戦士がするような大役だから」
俺は上級戦士筆頭のジェフトを探した。
「ジェフトに同盟の窓口を頼みたい」
「そう来ると思ったぜ。試合で問題を解決するなど、実にディップ人好みでやり方が上手い。だが本心が聞きたい。同盟の理由はなんだ?」
「兵士が戦いで死ぬのは百歩譲って許容できる。だが関係ない村人などが傷つくのは絶対に許容できない」
「それはスライダー人の考え方だ。ディッブでは死ぬのは力がないのが悪いと言われる」
「そう言うだろうなと思ったよ。こう言い換えればどうだ。戦争による戦いは戦士のものだ。民のものじゃない。参加するのは戦士でいい。それも選ばれた戦士による一騎打ちが望ましい」
「物は言いようだな。たしかにそれなら名誉ある戦いだ」
「だから戦争になっても、名乗りを上げて一騎打ちする方法を提案する」
「ディッブ人の好みが分かっているな。そういうつもりなら窓口の役目を受け入れよう」
良かった。
ジェフトなら力もあるし、人柄も良さそうだ。
宴会が終わった。
また、議会が再開する。
「テクチカ・ニト・カクイ・ミイサカ・カラセニソ」
司会役の議長が議会を進行する。
「ニ・テチミカ・ソイスチモニソト・カラ・コイ・スイソラキミニツイシ・チト・チ・ミチカニラミチリ・トセラスカル」
トレンが提案をした。
「リッツ、何だって?」
「陶芸を国技として認定してほしいだってさ」
嘲笑が戦士達から漏れる。
「ニカやト・カクイ・チスカ・ラハ・テラモイミ・チミシ・ソクニリシスイミ」
そう言った声があちこちから聞こえる。
「女と子供の技だって。トレンが勇気をもって提案したのに」
「リッツ、翻訳しろ。俺はこの提案を支持する」
「ニ・トナセセラスカ・カクニト・セスラセラトチリ」
戦士達が黙った。
「カクニト・モチカカイス・クチト・コイイミ・チソソイセカイシ」
銅鑼が鳴らされた。
トレンが涙ぐんでいるのが分かった。
宴会が始まる。
「トレン、やったな。見事だったぞ」
「カクチミノト」
「で国技として陶芸をどう発展していくんだ」
「品評会を開きたい」
「いいかもな。少しぐらい金を出してやってもいい。準備に費用が掛かるだろう」
「助かる」
「トレン、俺の商会を傾けてでも金を出すよ」
リッツがアピールに必死だ。
そうだよな通訳ぐらいしかやってないものな。
通訳はありがたいので役には立っているが、トレンへのアピールと考えると情けない。
「リッツ、トレンはいま釉薬の情報を欲しがっている」
「分かった。今日中に揃えるよ」
リッツが急ぎ足で去って行った。
どうやって情報を得るのだろうか。
夜、リッツは本当に情報を揃えてきた。
どうやったかというと、スライダーから連れてきた文官の中に魔導師がいたので魔報で連絡を取ったらしい。
あれは1回ごとに料金を取られるからかなり金を使ったようだ。
もっともこんな場面でケチっていては、好きになってもらえるとは思えない。
リッツはトレンの好感度を1ポイント得たようだ。
「リッツ、翻訳してくれ。俺はスライダーとディッブの同盟を提案する。そして2国間で問題が起こった時は試合によって決着をつけようではないか」
「ニ・セスラセラトイ・チミ・チリリニチミソイ・コイカテイイミ・トリニシイス・チミシ・シニセル・チミシ・テクイミ・セスラコリイモト・チスニトイ・コイカテイイミ・カクイ・カテラ・ソラナミカスニイトネ・リイカ・ナト・トイカカリイ・カクイモ・コン・チ・モチカソクル」
ディッブ人の戦士は頷いている。
どうやら反対意見はないようだ。
だが、ディッブ人が約束を守るとは限らない。
一方的に同盟を破棄する可能性がある。
「カクニト・モチカカイス・クチト・コイイミ・チソソイセカイシ」
銅鑼が鳴らされた。
どうやら俺の意見が通った。
また宴会が始まる。
この宴会は意見調整の場でもあるらしい。
通った議案に対してどのように運営するかなど細かいところを決める。
そういう役割のようだ。
「私を同盟の窓口に指名してはくれないだろうか」
トレンがそう言ってきた。
うーん、トレンだとたぶん軽く見られて同盟が危うくなりそうなんだよな。
トレンとしては、窓口になって結婚を回避して、学園に戻りたいのだろうけど、俺の立場だと容易く了承はできない。
「ごめん、トレンの立場は分かるけど、それは出来ない」
「分かっていたよ。上級戦士がするような大役だから」
俺は上級戦士筆頭のジェフトを探した。
「ジェフトに同盟の窓口を頼みたい」
「そう来ると思ったぜ。試合で問題を解決するなど、実にディップ人好みでやり方が上手い。だが本心が聞きたい。同盟の理由はなんだ?」
「兵士が戦いで死ぬのは百歩譲って許容できる。だが関係ない村人などが傷つくのは絶対に許容できない」
「それはスライダー人の考え方だ。ディッブでは死ぬのは力がないのが悪いと言われる」
「そう言うだろうなと思ったよ。こう言い換えればどうだ。戦争による戦いは戦士のものだ。民のものじゃない。参加するのは戦士でいい。それも選ばれた戦士による一騎打ちが望ましい」
「物は言いようだな。たしかにそれなら名誉ある戦いだ」
「だから戦争になっても、名乗りを上げて一騎打ちする方法を提案する」
「ディッブ人の好みが分かっているな。そういうつもりなら窓口の役目を受け入れよう」
良かった。
ジェフトなら力もあるし、人柄も良さそうだ。
宴会が終わった。
また、議会が再開する。
「テクチカ・ニト・カクイ・ミイサカ・カラセニソ」
司会役の議長が議会を進行する。
「ニ・テチミカ・ソイスチモニソト・カラ・コイ・スイソラキミニツイシ・チト・チ・ミチカニラミチリ・トセラスカル」
トレンが提案をした。
「リッツ、何だって?」
「陶芸を国技として認定してほしいだってさ」
嘲笑が戦士達から漏れる。
「ニカやト・カクイ・チスカ・ラハ・テラモイミ・チミシ・ソクニリシスイミ」
そう言った声があちこちから聞こえる。
「女と子供の技だって。トレンが勇気をもって提案したのに」
「リッツ、翻訳しろ。俺はこの提案を支持する」
「ニ・トナセセラスカ・カクニト・セスラセラトチリ」
戦士達が黙った。
「カクニト・モチカカイス・クチト・コイイミ・チソソイセカイシ」
銅鑼が鳴らされた。
トレンが涙ぐんでいるのが分かった。
宴会が始まる。
「トレン、やったな。見事だったぞ」
「カクチミノト」
「で国技として陶芸をどう発展していくんだ」
「品評会を開きたい」
「いいかもな。少しぐらい金を出してやってもいい。準備に費用が掛かるだろう」
「助かる」
「トレン、俺の商会を傾けてでも金を出すよ」
リッツがアピールに必死だ。
そうだよな通訳ぐらいしかやってないものな。
通訳はありがたいので役には立っているが、トレンへのアピールと考えると情けない。
「リッツ、トレンはいま釉薬の情報を欲しがっている」
「分かった。今日中に揃えるよ」
リッツが急ぎ足で去って行った。
どうやって情報を得るのだろうか。
夜、リッツは本当に情報を揃えてきた。
どうやったかというと、スライダーから連れてきた文官の中に魔導師がいたので魔報で連絡を取ったらしい。
あれは1回ごとに料金を取られるからかなり金を使ったようだ。
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