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第6章 特使編
第316話 経済と、不戦地帯と、闘貨
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「なあリッツ、戦わないで物が手に入ると、どうディッブ人に説明したらいいと思う」
「あー、無理だと思う」
「しゃあない。とりあえず列をなしている挑戦者を捌くか」
魔闘術魔法で挑戦者の相手をする。
歓迎の立ち合いに出てきた奴に比べたら子供だな。
ほとんどワンパンで方がついた。
「まったく、こいつらに経済ってものを教えてやれないか」
「いちおうお金はあるみたい。下の者が上の者に頼んだりする時には使うらしいけど、貰うだけ貰って何もしてくれないなんてのが良くあるみたい」
「俺の物は俺の物、他人の物も俺の物ぐらい考えていそうだな。ちなみにトレンのどこがいいんだ」
「それはもうスタイル。これしかない」
「彼女のソレノもスタイルいいからな。引き締まっていて無駄な肉が無い」
「やだなぁ、ソレノのこと狙ってたんじゃ」
ソレノはレクティの所の工作員だ。
戦闘訓練は欠かさないはず。
ぜい肉など無縁なのは安易に想像できる。
「狙ってないよ。ただ、そう思っただけ」
「裸はみてないけど、いい体つきなんだよね。本当に好み」
「下半身で考える癖を治さないと、そのうち痛い目をみるぞ」
「みてから、考えるよ」
それにしても。
戦闘民族に経済を発展させるのは凄い難しい。
「ディッブ人はよく無法を働かないな」
「卑怯な奴は強い奴にボコボコにされるらしいよ。そういうのは生き残れないって」
あー、武道家の集団なわけか。
上にいくほど欲望と無縁になるんだろうな。
ある意味、凄い社会だ。
武力が法で、貨幣も兼ねている。
全部、武力で解決か。
金とは約束事だな。
だが、ディッブには約束事がない。
ないというか武力が約束事だ。
武力しか信じる物がないわけだ。
金貨なんか下らないんだろうな。
そんな物を必死に集めるなら、体を鍛えて鍛練しろって言いたいんだな。
俺がこの国の一番強い奴を叩きのめしても、その価値観は変わらないはず。
金の便利さは邪魔なんだろうな。
「こんなの無理ゲーじゃないか」
「無理ゲー? 言いたいことは分かるよ。先輩にもどうにもならないことがあって安心したよ」
「リッツ、トレンと結ばれたとしよう。浮気したら殺されるぞ」
「大変だ」
「だろ、ディッブ人の価値観を平和な物へと変えたくならないか?」
「変えたい」
「じゃあ、考えろ」
「試しに交易させてみたら。先輩なら、ディッブ人を1発殴って、言うことを聞かせられるよね」
「それしかないか」
さっき挑戦してきた者を集めた。
「余っている魔石やモンスター素材とかないか。魔道具と交換してやる。リッツ訳してくれ」
「チスイ・カクイスイ・チミン・トナスセリナト・モチキニソ・トカラミイト・ラス・モラミトカイス・モチカイスニチリトめ・ニやリリ・イサソクチミキイ・ニカ・ハラス・チ・モチキニソ・カララリル」
ディッブ人が頷いて、魔石や毛皮や牙を持ってきた。
大人しく魔道具と交換している。
だが、交換したそばから、ディッブ人同士の物を賭けた戦いが始まった。
こいつら、物々交換も理解しないのか。
何も戦わずに交換しろよと強く思う。
俺は王都のへの道中の休憩時間に不戦地帯を作った。
これを理解させるのは簡単だ。
殴って言うことを聞かせりゃいい。
不戦地帯では物々交換が成り立った。
戦いで奪われるのがいやな奴らは不戦地帯から出ると一目散に逃げた。
頭は悪くないんだよな。
戦いから逃げる頭はある。
ただ、逃げられない場合は戦う。
不戦地帯の境界を封鎖するなんて奴はいない。
ひとりでは無理だからだ。
集団を作るなんて考えはないらしい。
戦いも常に一対一だ。
だが、不戦地帯の有用性をディッブの偉い奴に説けば、少しはましになるような気がする。
殴ればなんとかなる。
俺もかなりディッブ人の考えに毒されたな。
仕方ないんだ。
郷に入れば郷に従えだよ。
道中、俺の不戦地帯では市が立った。
弱い奴も気軽に物が手に入るとなって、賑わいをみせた。
こんなんで良いのかな。
ふと考えた。
戦闘力を貨幣にしたらどうだろうな。
闘貨という魔道具を作る。
これを身に着けると強くなる。
経済が発展しないかな。
駄目だ。
争いの火種になる未来しか思い浮かばない。
闘貨を身に着けると、強くなるんだが、戦いは好まないとマインドコントロールする。
アドレナリンを抑制するんだ。
作れそうだな。
これなら穏やかな強い民になること請け合いだ。
さあ作るぞ。
「あー、無理だと思う」
「しゃあない。とりあえず列をなしている挑戦者を捌くか」
魔闘術魔法で挑戦者の相手をする。
歓迎の立ち合いに出てきた奴に比べたら子供だな。
ほとんどワンパンで方がついた。
「まったく、こいつらに経済ってものを教えてやれないか」
「いちおうお金はあるみたい。下の者が上の者に頼んだりする時には使うらしいけど、貰うだけ貰って何もしてくれないなんてのが良くあるみたい」
「俺の物は俺の物、他人の物も俺の物ぐらい考えていそうだな。ちなみにトレンのどこがいいんだ」
「それはもうスタイル。これしかない」
「彼女のソレノもスタイルいいからな。引き締まっていて無駄な肉が無い」
「やだなぁ、ソレノのこと狙ってたんじゃ」
ソレノはレクティの所の工作員だ。
戦闘訓練は欠かさないはず。
ぜい肉など無縁なのは安易に想像できる。
「狙ってないよ。ただ、そう思っただけ」
「裸はみてないけど、いい体つきなんだよね。本当に好み」
「下半身で考える癖を治さないと、そのうち痛い目をみるぞ」
「みてから、考えるよ」
それにしても。
戦闘民族に経済を発展させるのは凄い難しい。
「ディッブ人はよく無法を働かないな」
「卑怯な奴は強い奴にボコボコにされるらしいよ。そういうのは生き残れないって」
あー、武道家の集団なわけか。
上にいくほど欲望と無縁になるんだろうな。
ある意味、凄い社会だ。
武力が法で、貨幣も兼ねている。
全部、武力で解決か。
金とは約束事だな。
だが、ディッブには約束事がない。
ないというか武力が約束事だ。
武力しか信じる物がないわけだ。
金貨なんか下らないんだろうな。
そんな物を必死に集めるなら、体を鍛えて鍛練しろって言いたいんだな。
俺がこの国の一番強い奴を叩きのめしても、その価値観は変わらないはず。
金の便利さは邪魔なんだろうな。
「こんなの無理ゲーじゃないか」
「無理ゲー? 言いたいことは分かるよ。先輩にもどうにもならないことがあって安心したよ」
「リッツ、トレンと結ばれたとしよう。浮気したら殺されるぞ」
「大変だ」
「だろ、ディッブ人の価値観を平和な物へと変えたくならないか?」
「変えたい」
「じゃあ、考えろ」
「試しに交易させてみたら。先輩なら、ディッブ人を1発殴って、言うことを聞かせられるよね」
「それしかないか」
さっき挑戦してきた者を集めた。
「余っている魔石やモンスター素材とかないか。魔道具と交換してやる。リッツ訳してくれ」
「チスイ・カクイスイ・チミン・トナスセリナト・モチキニソ・トカラミイト・ラス・モラミトカイス・モチカイスニチリトめ・ニやリリ・イサソクチミキイ・ニカ・ハラス・チ・モチキニソ・カララリル」
ディッブ人が頷いて、魔石や毛皮や牙を持ってきた。
大人しく魔道具と交換している。
だが、交換したそばから、ディッブ人同士の物を賭けた戦いが始まった。
こいつら、物々交換も理解しないのか。
何も戦わずに交換しろよと強く思う。
俺は王都のへの道中の休憩時間に不戦地帯を作った。
これを理解させるのは簡単だ。
殴って言うことを聞かせりゃいい。
不戦地帯では物々交換が成り立った。
戦いで奪われるのがいやな奴らは不戦地帯から出ると一目散に逃げた。
頭は悪くないんだよな。
戦いから逃げる頭はある。
ただ、逃げられない場合は戦う。
不戦地帯の境界を封鎖するなんて奴はいない。
ひとりでは無理だからだ。
集団を作るなんて考えはないらしい。
戦いも常に一対一だ。
だが、不戦地帯の有用性をディッブの偉い奴に説けば、少しはましになるような気がする。
殴ればなんとかなる。
俺もかなりディッブ人の考えに毒されたな。
仕方ないんだ。
郷に入れば郷に従えだよ。
道中、俺の不戦地帯では市が立った。
弱い奴も気軽に物が手に入るとなって、賑わいをみせた。
こんなんで良いのかな。
ふと考えた。
戦闘力を貨幣にしたらどうだろうな。
闘貨という魔道具を作る。
これを身に着けると強くなる。
経済が発展しないかな。
駄目だ。
争いの火種になる未来しか思い浮かばない。
闘貨を身に着けると、強くなるんだが、戦いは好まないとマインドコントロールする。
アドレナリンを抑制するんだ。
作れそうだな。
これなら穏やかな強い民になること請け合いだ。
さあ作るぞ。
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