異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第5章 魔戦士編

第304話 文化祭と、写真と、フリップフロップ

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 ひと月経ち、魔戦士の噂はさっぱりと入ってこなくなって、試験の季節になった。
 例年通り、ベークとリッツはひいひい言っていた。
 それが終わり、文化祭の季節だ。

 今回は何をしよう。

「というわけで何かアイデアがあるか」
「写真を撮る魔道具はあるんだから。女の子の写真展を開きたい」

 そう言ったのはリッツ。
 懲りない奴だ。
 たぶんエッチな写真を撮りたいんだろうな。

 エロ目的かどうかは嘘判別魔法で判る。
 これを組み込めば良いだろう。

「一部採用だ。写真を撮る魔道具を貸し出して、写真の展示会をやろう」
「では私は御猫様の姿を記録してまいります」

 ダイナがそう言って、俺が前に作った写真魔道具を掴んで出て行った。
 久しぶりにダイナの顔を見た気がする。
 ダイナは王家の影所属だから、魔戦士の件で忙しかったのだと思う。

 俺の護衛は、ダイナではなく密かに王家の影が付いていたはずだ。
 この間のダイアックとの決闘は、民衆の保護が優先だったから、俺の方に手が回らなかったのだろう。

「じゃあ、写真のコンテストということで」

 みんな賛成してくれた。
 魔法を作り始める。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>

char ray[100000]; /*光を指定*/
char paper[1000]; /*紙を指定*/
extern void mystery_magic_name_get(char *str);
extern char liar_checks(char *q,char *mm_name);
extern MAGIC *paper_init(char *paper_material,int paper_size);
extern void paper_draw_color(MAGIC *mp,char *scene_material,int scene_size);
extern int mclose(MAGIC *mp);
void main(void)
{
 MAGIC *mp; /*魔法定義*/
 char str[256+5]; /*神秘魔法名の格納場所*/

 mystery_magic_name_get(str); /*神秘魔法名ゲット*/
 strcat(str,".soul "); /*神秘魔法名に『.soul 』を連結*/

 if(liar_checks("エロ目的か?",str)=='N'){ /*エロ排除*/
  mp=paper_init(paper,sizeof(paper)); /*紙を魔法の対象に*/
  paper_draw_color(mp,ray,sizeof(ray)); /*情景を紙に描く*/
  mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
 }
}

 カメラ魔法が出来た。
 欠点は染料を持ってないと発動しない事だ。
 カメラの魔道具は、四角いケースに魔石を収め、照準の穴を開け、染料容れを付けて、出来上がり。

 俺は何を撮ろうかな。
 そう思って思案している場面をマイラに撮られた。

 とりあえず、婚約者の4人は一枚ずつ撮らないとだな。
 俺が他の女の子を撮るとマイラ達は嫉妬するだろうな。

 エレクを撮るのも良いが、ダイナと被るのも芸がない。
 何か面白い被写体はないか。
 アキシャル辺りだと花を撮っただろう。
 エミッタとかだと花火だな。

 俺を象徴するのは魔法だな。
 C言語の呪文は撮っても映えない。
 魔法で作った幻を撮ってもそれほど面白くないだろう。

 俺はフリップフロップ回路を、魔法を使って宙に描いた。
 そしてそれを写真に撮った。
 デジタル回路の基本の一つだ。
 コンピューターの大元と言っても良い。

 ほとんどの人間は意味が分からないだろう。
 でも良いんだ。
 のちの世にこれを見て何か発明してくれると嬉しい。

 みんなの写真が出そろった。
 俺のは婚約者4枚とフリップフロップ回路。

 マイラのは俺を10枚ぐらい。
 レクティは色とりどりの、何かの結晶。
 セレンは星や月が数枚。
 リニアはサイリスの姿が数枚だった。

 ベークはラチェッタの笑顔数枚。
 リッツはトレンの運動しているところと、ソレノがほほ笑んでいるところ。
 ラチェッタは何の事はない畑の風景が数枚。

 ベスは花々。
 コネクタは鳥だった。

 ダイナは言わずと知れた猫達。

 文化祭が始まった。
 俺達の作品は言わばサンプル。

 来た観客はカメラの魔道具を手にすると被写体を追い求めて、色々な場所に散っていった。
 優勝したのは王都の夕日を撮った作品だった。

 エロ作品を撮ろうとして、魔道具が起動せず、文句を言って来た馬鹿な奴らは、マイラに叩きのめされたのは言うまでもない。
 写真の魔道具は売れに売れた。
 また儲かってしまったな。
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