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第5章 魔戦士編

第295話 空間魔導師と、情報収集と、伝言魔法拒否

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「「囲まれている」」

 マイラとリニアから同時に警告が発せられた。
 モンスターかな。
 出てきたのは魔戦士の一団。
 こいつら、どうやって追いついてきたんだ。
 空を飛ぶ俺達の方が早いはずだ。

「ぐっ」

 いつの間にか魔戦士が俺の背後に回って剣を突き立てている。
 剣はバリアに防がれたようだ。
 魔戦士は手首を痛めたようで顔をしかめている。
 マイラが首をかき切って魔戦士を殺した。

 手口は分かった。
 空間魔導師だ。
 転移魔法を使う。
 たしか重力に弱いんだったな。

 俺は暴徒鎮圧用の重力球を複数放った。

 人間の玉が出来て行く。

「残念だったな。空間魔導師の対策は練ってある」
「我は魔戦士の第三席、トライオード。1対1の決闘に応じろ」
「セレン、止めを」
「はい。【小石飛ばし】」
「おのれ卑怯な。ぐわっ」

 トライオードは、セレンによって体の中に生じた石で、死んだ。
 ザコの魔戦士は奴隷化して開拓村に送る。

「わたし、病気が治ったら、開拓村を一度訪れてみようかと思います」

 ラチェッタが何やら決意したようだ。

「好きにしたらいい」

 俺は許可を出した。

 それにしても、魔戦士の質は下がる一方だな。
 ロータリ人の割合が増えたように思う。
 もっともザコなので、戦闘訓練を受けているとは思えない。

 頭が痛いのは、ロータリ人をこの国から締め出すわけにもいかない。
 戦争状態になっても人の行き来はなかなか制限できないのが現状だ。
 まして平時の今では難しい。

 いやらしい手を打ってくる。
 テロリストを送り込むなと警告しても知らぬ存ぜぬだろうな。
 個人が勝手にやっているとかほざきそうだ。

 魔戦士をロータリ人のテロリストが受け継ぐ、最悪の未来が見える。
 テロを防ぐのは容易ではない。

 ロータリ人のテロリストを判別する魔道具は作れる。
 とりあえずこれをランシェに渡して活用してもらおう。

 ロータリ人商人のスパイを魔道具で判別して監視なりをつけてもらうか。
 人員が足りなくてランシェが頭を抱えそうだな。
 便利道具はなんとかなっても、人員をどうにかする魔法は思いつかない。

「難しい顔している」

 マイラが心配そうに俺の顔を見つめている。

「テロリストを取り締まるのは難しいんだよ。地下に潜られると本当に厄介だ」
「嘘判別の機能を魔道具に盛り込んだら」
「スパイとかテロリストをあぶりだすって言うんだろ。やっているよ」
「違う。一般の人から情報を得るの」

 ええと、こっちの知りたい情報を嘘判別魔法で選別して伝言魔法するのか。
 そうするとアジトなんかがすぐに判る。
 質問の内容をかなり考えないといけない。
 伝言魔法の受け取り手に情報があり過ぎてパニックになってもな。

 この辺りはランシェに任せればいいか。
 魔道具を使っている、全国民が密告者になるのか。
 恐ろしい力だな。
 使い方次第では世界征服もできそうだ。

 機密がボロボロと漏れるんだからな。
 前世でも通信機器に情報を集める機能をつけて、売っているとの噂があった。
 本当か分からないが、実現は容易い。

 ロータリのやり口は、もはや戦争だ。
 ただし、宣戦布告しない策謀の戦争だ。
 こちらも汚い手を使わざるを得ない。

 人を使って情報を集めるやり方は古い。
 プログラムを効率的に使うべきだ。

 さっき、情報が多過ぎてパニックになると言ったが、伝言魔法は拒否できる。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>

extern void mystery_magic_name_get(char *str);
void main(void)
{
 char str[256]; /*神秘魔法名の格納場所*/
 char str_com[256+10]; /*コマンドの格納場所*/
 mystery_magic_name_get(str); /*神秘魔法名ゲット*/
 strcpy(str_com,"attrib +R "); /*コマンドに『attrib +R 』をコピー*/
 strcat(str_com,str); /*コマンドに神秘魔法名を連結*/
 system(str_com); /*伝言魔法拒否*/
}

 こんな感じかな。
 魔石に伝言魔法を送り表示させるのは前に作った。
 これと併用すれば巨大な情報も捌けるだろう。

 俺はランシェに丸投げするだけだ。
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