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第5章 魔戦士編
第283話 ペットゲームと、バグ出しと、徹夜
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ペットゲームを覚えているだろうか。
あれは今もバージョンアップしている。
要素として付け加えているのはレア仕草。
条件を満たすと、特別な仕草をとる。
バグは物凄くあるが気にしない。
これがバグっていても、ゲームの進行に影響は出ないからだ。
「はははっ、狼の奴発情している」
マイラが笑い転げている。
「えっ」
マイラが操作している魔道具を見る。
狼型のペットがカクカクしてた。
うわっ、お子様にはそぐわない動きだ。
バグはあっても良いけど下ネタはやばい。
くそっ、回収騒ぎか。
「元締め、ペットゲームで不味いバグが出た」
「虫が魔道具の中に住み着いたのか」
「まあ、そんなところ。回収したい」
「無理だ。無料バージョンアップが精々だな」
「えー」
どうすんのこれっ。
別にペットゲームが衰退しても構わないけど、今までバージョンアップしてきた苦労がぁ。
いい気になっていたのか。
プログラムにバグは付き物。
バグ出し作業を怠った俺が悪いのか。
おも研のメンバーでバグ出しチームが結成された。
「というわけで徹夜でゲームする。おかしな挙動したら知らせてくれ。俺は仮眠をとる」
「徹夜で作業なんてほとんどした事がなかったね。何か新鮮」
「箱を作りました。みなさんおかしな所が見つかったら、チェックシートを記入して放り込んで下さいませ。映像記録の魔道具を一緒に提出するのをお忘れなく」
「はい」
「さっそくバグ見つけた」
「お兄様やりますね」
「妹よ、いくつ見つけられるか競争だ」
よし、寝よう。
夜中に起こされた。
チェックシートが38枚あった。
意外に少ないな。
映像記録を見て、バグの原因を推測する。
映像記録の魔道具を作って良かった。
これがないと説明が下手な奴に振り回されるからな。
ええと、これは仕様と。
バグじゃない、レア仕草の一つだ。
これも仕様だな。
レクティにチェックシートを持っていくと、仕様と直ったバグをまとめてくれた。
各員が項目を読む。
「えー、おかしいよ。これって仕様なの」
「リッツ、仕様だ。バグ臭いとは俺も思った。次のバージョンアップの時は考える」
「あれっ、僕が書いた奴。再度、状況確認ってなっている」
「ベーク、チェックシートにおかしいとしか書いてないからな。どこがおかしいかぐらいは書け。そんな事だと、今日のアルバイト代を減給するぞ」
「所詮、僕の崇高な考えなんか伝わらないさ」
「ベーク、人に指示する時は的確にだ。これが出来ないと人を使う事はできないぞ。ラチェッタと魔導師を率いるんだろ。これも訓練だと思って真剣にやれ」
「ベーク様、頑張って」
「ラチェッタ、分かったよ」
よし、寝よう。
夜中にまた起こされた。
うわっ、直したと思ったバグが再発してる。
くそっ、確認したのにな。
頻度が減っているから、あそこのプログラムが関与している事は間違いない。
みんなの様子をみると、口数が少ない。
「あー、もう!!!」
リニアが叫んだ。
ゲームオーバーになったんだろ。
デバックコマンドは作ったが、確認作業は大変だ。
デバックコマンドというのは、裏技みたいな物で、シーンを飛ばしたり色々と出来る。
製品版の時は削除するが、これがあってもなかなか苦労する。
レア仕草の確認は残り4割ほどになっていた。
半数を超えたな。
「リニアさん、静かにして下さいませ」
「やーい、怒られた」
リニアがレクティとマイラを睨む。
ごめん無理言った俺が悪い。
でも一刻も早くバージョンアップしないとこのゲームが終わってしまう。
一日延びる毎に損害が広がるんだ。
「質問して良い?」
セレンが疑問点を書いて持って来た。
仕様かどうかの質問だな。
「怪しいのは全部チェックシートに書いてくれ。実際に映像をみないと、何とも言えないのもあるから」
「はい」
よし、寝よう。
そんなこんなで、朝になる頃にはバグがほとんどなくなった。
「太陽がなんか変」
それがバグ出しの徹夜明けというものだ。
リニアがケタケタ笑っている。
テンションがおかしくなったんだな。
栄養が足りてないのか。
「みんなご苦労様。本当だったら1週間はやりたいところだ」
「げっ」
前世ではそれぐらいやってた。
3日目ぐらいからは無言になるんだよな。
トイレに行って行方不明になる奴とか出てくる。
自分の手を幽霊の手だと勘違いして、絶叫をあげた奴もいたっけ。
足の感覚が、雲の上を歩いている様になるんだよな。
とにかく酷かった。
納期なんて嫌いだ。
予定では予備日も確保してあるはずなんだが。
不思議となくなる。
ちなみに俺が仮眠をとったのは、プログラマーの頭がすっきりしてないと始まらないからだ。
10分でも寝るとあら不思議、頭がさえる。
仮眠を上手くとるのも才能だ。
とにかく終わって良かった。
次からはバージョンアップ版を出す前に、1週間ぐらいバグ出し期間を作ろう。
あれは今もバージョンアップしている。
要素として付け加えているのはレア仕草。
条件を満たすと、特別な仕草をとる。
バグは物凄くあるが気にしない。
これがバグっていても、ゲームの進行に影響は出ないからだ。
「はははっ、狼の奴発情している」
マイラが笑い転げている。
「えっ」
マイラが操作している魔道具を見る。
狼型のペットがカクカクしてた。
うわっ、お子様にはそぐわない動きだ。
バグはあっても良いけど下ネタはやばい。
くそっ、回収騒ぎか。
「元締め、ペットゲームで不味いバグが出た」
「虫が魔道具の中に住み着いたのか」
「まあ、そんなところ。回収したい」
「無理だ。無料バージョンアップが精々だな」
「えー」
どうすんのこれっ。
別にペットゲームが衰退しても構わないけど、今までバージョンアップしてきた苦労がぁ。
いい気になっていたのか。
プログラムにバグは付き物。
バグ出し作業を怠った俺が悪いのか。
おも研のメンバーでバグ出しチームが結成された。
「というわけで徹夜でゲームする。おかしな挙動したら知らせてくれ。俺は仮眠をとる」
「徹夜で作業なんてほとんどした事がなかったね。何か新鮮」
「箱を作りました。みなさんおかしな所が見つかったら、チェックシートを記入して放り込んで下さいませ。映像記録の魔道具を一緒に提出するのをお忘れなく」
「はい」
「さっそくバグ見つけた」
「お兄様やりますね」
「妹よ、いくつ見つけられるか競争だ」
よし、寝よう。
夜中に起こされた。
チェックシートが38枚あった。
意外に少ないな。
映像記録を見て、バグの原因を推測する。
映像記録の魔道具を作って良かった。
これがないと説明が下手な奴に振り回されるからな。
ええと、これは仕様と。
バグじゃない、レア仕草の一つだ。
これも仕様だな。
レクティにチェックシートを持っていくと、仕様と直ったバグをまとめてくれた。
各員が項目を読む。
「えー、おかしいよ。これって仕様なの」
「リッツ、仕様だ。バグ臭いとは俺も思った。次のバージョンアップの時は考える」
「あれっ、僕が書いた奴。再度、状況確認ってなっている」
「ベーク、チェックシートにおかしいとしか書いてないからな。どこがおかしいかぐらいは書け。そんな事だと、今日のアルバイト代を減給するぞ」
「所詮、僕の崇高な考えなんか伝わらないさ」
「ベーク、人に指示する時は的確にだ。これが出来ないと人を使う事はできないぞ。ラチェッタと魔導師を率いるんだろ。これも訓練だと思って真剣にやれ」
「ベーク様、頑張って」
「ラチェッタ、分かったよ」
よし、寝よう。
夜中にまた起こされた。
うわっ、直したと思ったバグが再発してる。
くそっ、確認したのにな。
頻度が減っているから、あそこのプログラムが関与している事は間違いない。
みんなの様子をみると、口数が少ない。
「あー、もう!!!」
リニアが叫んだ。
ゲームオーバーになったんだろ。
デバックコマンドは作ったが、確認作業は大変だ。
デバックコマンドというのは、裏技みたいな物で、シーンを飛ばしたり色々と出来る。
製品版の時は削除するが、これがあってもなかなか苦労する。
レア仕草の確認は残り4割ほどになっていた。
半数を超えたな。
「リニアさん、静かにして下さいませ」
「やーい、怒られた」
リニアがレクティとマイラを睨む。
ごめん無理言った俺が悪い。
でも一刻も早くバージョンアップしないとこのゲームが終わってしまう。
一日延びる毎に損害が広がるんだ。
「質問して良い?」
セレンが疑問点を書いて持って来た。
仕様かどうかの質問だな。
「怪しいのは全部チェックシートに書いてくれ。実際に映像をみないと、何とも言えないのもあるから」
「はい」
よし、寝よう。
そんなこんなで、朝になる頃にはバグがほとんどなくなった。
「太陽がなんか変」
それがバグ出しの徹夜明けというものだ。
リニアがケタケタ笑っている。
テンションがおかしくなったんだな。
栄養が足りてないのか。
「みんなご苦労様。本当だったら1週間はやりたいところだ」
「げっ」
前世ではそれぐらいやってた。
3日目ぐらいからは無言になるんだよな。
トイレに行って行方不明になる奴とか出てくる。
自分の手を幽霊の手だと勘違いして、絶叫をあげた奴もいたっけ。
足の感覚が、雲の上を歩いている様になるんだよな。
とにかく酷かった。
納期なんて嫌いだ。
予定では予備日も確保してあるはずなんだが。
不思議となくなる。
ちなみに俺が仮眠をとったのは、プログラマーの頭がすっきりしてないと始まらないからだ。
10分でも寝るとあら不思議、頭がさえる。
仮眠を上手くとるのも才能だ。
とにかく終わって良かった。
次からはバージョンアップ版を出す前に、1週間ぐらいバグ出し期間を作ろう。
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