異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第5章 魔戦士編

第271話 石取りゲームと、思考と、利用の仕方

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 おも研の部室で、ベークが新魔法の課題に挑戦し始めた。
 苦戦しているようだ。

 お題は石取りゲーム。
 石が何個かあり。
 プレイヤーは交互に石を取る。
 ただし、この時1個から3個までしか取れない。
 石は必ず取らなくてはいけない。
 最後の一個を取った方が負けだ。

 問題は魔道具側の思考だ。
 ここで必要な事は最後の手番で、1個残す。
 その前の手番では5個残す。
 そしてその前では9個残す。
 その前の手番では13個残す。

 つまり4で割って余り1になるようにすれば良い。

 プログラムでは『answer=(x%4+3)%4』
 『x』に今の石の数を入れるとこの数式で『answer』に取るべき石の数が入る。
 『%』はモジュロでこの場合は4で割った余りが入る。

 『answer』がゼロだった場合は負けパターンなので、ランダムに1から3個取る。
 そういうふうにプログラムすれば良い。

 ベークは最初に石の数を決定するところから躓いた。
 ここは『x=rand()%20+20』ぐらいで良いだろう。
 それを教えた。

 そして、問題のループと分岐だ。
 ループは『x』が0以下になると負けで終り。

 分岐は手番の制御と、答えが0個だった場合の処理。
 それと終わった後の勝利者の表示。
 ここにも分岐は必要だ。

 完成した魔法はこんな感じだ。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
void main(void)
{
 int x,answer,player; /*『x』は石の数。『answer』は取る石の数。『player』は0は魔道具、1は人間*/
 x=rand()%20+20; /*石の数は20個から39個*/
 player=0; /*最初は魔道具*/
 printf("石の数は%d\n",x);

 while(x>0){ /*ループと終了判定*/
  if(player==0){ /*魔道具サイド*/
   printf("魔道具の番です\n");
   answer=(x%4+3)%4; /*数決定*/
   if(answer==0){
    answer=rand()%3+1; /*負けパターンならランダム*/
    if(x==1){
     answer=1; /*負けなので最後の石を取る*/
    }
   }
  }
  else{
   printf("あなたの番です\n");
   scanf("%d",&answer); /*石の数入力*/
   if(answer<1 || answer>3){ /*反則判定*/
    x=0; /*反則処理*/
    printf("反則負けです\n");
    answer=0;
   }
  }
  x=x-answer; /*石を取る*/
  printf("石を%d個取りました。残り%d個です\n",answer,x);
  player=(player+1)%2; /*プレイヤーチェンジ*/
 }
 if(player==0){ /*勝ちメッセージ*/
  printf("魔道具の勝ちです\n");
 }
 else{
  printf("あなたの勝ちです\n");
 }
}

 改良点は色々とある。
 石の取れる範囲でなければ再入力させるとか。
 ランダムで魔道具がヘボな手を打つとか。

 これの新魔法版をベークが作ったわけだが、最初はバグが沢山あって見れたもんじゃなかった。
 俺の解答を最後には見せてやった。

「ううっ、分岐が簡単だなんて言った俺の馬鹿」
「やーい、やーい、馬鹿」

 マイラが煽る。

「あなただってできないでしょ」

 リニアがそう言ったが、ベークに助け舟を出したのではなさそうだ。

「階層の管理さえちゃんとすれば余裕ですね。空白でそれをしているのでしょう」

 レクティにはどうやれば良いのか分かったようだ。

「なるほどね。私にもできそう」

 分岐を侮るとはセレンもベークみたいになりそうだ。
 人がやると簡単に出来そうに思うんだよな。
 コロンブスの卵だ。

「もう僕は新魔法は自分で作らない。頭がぐちゃぐちゃでどうしたら良いか」
「ベーク様、頑張って♡」

「くっ、ラチェッタの愛と期待が重い」
「ベーク、言っておくがこんなのは入門編だぞ」
「所詮、僕は魔王にはなれない」

「やーい、負け犬。じゃあ何にならなれるの?」
「ぐっ、少なくともタイトの魔法は翻訳できる」
「それって寄生しているって事よね」
「人を上手く使うのも才能ですわ」

 ラチェッタがそう言ってフォローした。

「そうだな。ベークは俺の使い方を考えると良い。タイトぅって言うだけが能じゃないぞ」
「ぐっ、分かったよ。タイトの上手い使い方を考える」

 さて、どんな貢物を持って来るかな。
 面白い物を持って来たら魔法を教えてやろう。
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