異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第4章 盗まれたスペルブック編

第247話 後見人と、魔導師代表と、学校

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「ベーク様、またお会いできる事を楽しみにしております。ではみな様方、ごきげんよう」

 ラチェッタがランシェに引き取られていった。
 彼女の立場は微妙だ。
 彼女の名の下に魔導師が結束して国に歯向かう可能性がある。
 殺すのも悪手なんだろうな。
 彼女を殺せば、ファラドの直系は絶える。
 だが、恨みは残る。
 ゲリラ戦やテロ行為に走られるのは勘弁してほしい展開だ。

 こういう時に有効なのは婚姻だ。
 女性だし、適当な男と結婚させれば、魔導師の手綱を握れる。
 目ざとい貴族などは、彼女と結婚させようと、画策を開始している事だろう。

 ランシェから手紙がきて、ラチェッタの結婚相手としてどうかと言ってきた。
 もうハーレムの増員は結構です。
 断りの手紙を書いたが、ややこしい事になりそうだ。

 そして、しばらく経った日。
 ラチェッタが学園にやってきた。
 婚約者ではなく、被後見人としてだ。
 俺が後見人として面倒を見ろって事らしい。

「ベーク、ラチェッタと恋人関係になりたかったら、俺を倒していくんだな」

 絶望したベークの顔。
 そして、決意に燃える眼差しで俺を見た。

「やってやる。魔王が何だ」
「意気込みだけは合格だな。とりあえずは魔法学園の卒業資格と、勘当を解く事だな。これが最低条件だ

「頑張れベーク。ラチェッタのハーレム入り阻止」

 マイラのやる気のなさそうなベークへの激励、ハーレム阻止の所は力がこもっていた。

「僕だってやればできるんだ。ラチェッタ、待ってて。必ず迎えに行くから」
「お待ちしておりますわ」

 座学ぐらいはなんとかしろよ。
 勉強ぐらいわけないだろ。
 若いんだし、吸収力はあるはずだ。
 ラチェッタは受講生として学園に通う事になった。
 今は9月、ラチェッタは12月に行う魔法学園の入学試験を受けるらしい。

「お初にお目に掛かります。魔導師代表のスコット・ファラドです」
「ああ、よろしく」
「よろしくですわ」

 スコットは王国に降伏した魔導師の代表だ。
 大して罪を犯してないので、自由に出歩けるので、こうして挨拶に来た。

「罪を犯さない限りは生存を許そう。魔導師はそれだけ罪深い事をした。ファラドの名前を捨てるなら構わないぞ」
「置かれている立場は十分に理解しています。ですが、罪を償うのは、ファラドの名前でないと意味がありません」

「何人ぐらいいるんだ」
「3千人ぐらいでしょうか」

「よし、土地を買ってやる。そこに里を作れ。非道な行いでなければ、研究に明け暮れても良い」
「分かりました」

 スコットが去って行った。

「ラチェッタは魔導師をどうしたい」
「難しい問題です。攻撃魔法を禁止しようかとも思いましたが、モンスターや盗賊の脅威がある以上、戦いは避けて通れませんわ。どのような集団にしたいか、考えがまとまりません」

 枷が必要だ。
 でもそれはロボット3原則みたいなじゃ駄目だ。
 ウイルス付きの魔道具は常に使ってもらうとして、俺の死後はどうなんだ。
 ウイルス付きの魔道具が作れなくなったら、枷が無くなる。

 結局のところ人が作ったシステムでは破綻は目に見えている。
 よりベターな長く続く施策だな。
 全国民が魔導師になるのが一番だと思う。
 魔導師を資格にして合格した者に神秘魔法名の秘密を教える。
 もちろん資格獲得は国が主導する。
 魔導師には学者になって貰おう。

 博士号みたいな感じだ。
 血を重視するのではなくて、能力を重視する。
 モラルの面は国になんとかしてもらおう。

「魔導師は学者や研究者として生きてもらうのが良いと思う」
「いいアイデアですわね」

 同意するラチェッタ。

「魔導師という血統ではなく、資格にしてもらうのが良いだろう」
「なるほどですわ。では、いまいる魔導師も合格しなければ名乗れない」
「そうなるな。とりあえず魔法学園を卒業は最低条件だな。そして、論文審査だ。審査は学会にさせたいな」
「わたくし、魔導師第1号を目指しますわ」

「魔法学園みたいな学校を増やしたい。競わせないと、伸びないような気がする」
「でしたら、今いるファラド一族を纏め上げて学校を作りたいですね」

「私もやる。学校を作る」

 マイラが話に入ってきた。

「ではわたくしも」
「私もやる」
「私もやりたいけど、どんな学校にしたら」

「セレンのいう通りビジョンがないと」
「ふふん、みんなはどうか知らないけど、私は魔法陣の学校を作る」
「薬学と魔法の学校が作りたいですわ」
「武術の学校がいいな」
「そうよ、星の研究」

「マイラとレクティは資金がありそうだけど、リニアとセレンは資金が問題だな」

 だけど、考えようによっては、資金は問題じゃないかもな。
 リニアの武術は、修練場さえあれば可能だ。

 セレンの星の研究なんかは、目視でもできる事はある。
 望遠鏡なら魔法で再現したりも出来るはずだ。
 若いんだからゆっくりやれば良い。
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