異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第4章 盗まれたスペルブック編

第216話 ペットゲームと、グッズ展開と、武の商

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 ペットゲームの勢いが止まらない。
 増産につぐ増産。
 作るのは元締めに任せている。
 俺の役目はバージョンアップだ。
 ペットの種類とアニメーションを増やしていく作業だから、たいした手間ではない。

「デザインのロイヤリティを要求する」

 そう、マイラが言ってきた。

「そうだね。4人に配分しないと」

 今まで利益を5等分する。

「ごっつぁんです」

 マイラが力士になっている。

「それ流行っているの?」
「ボスから小遣いをもらった手下が言ってた」

 さいですか。

「有難く頂きますわ」
「レクティには小遣い程度だね」
「いえ、そんな事も。機関を動かすお金は膨大ですが、わたくしの小遣いなどたかが知れてます」
「そんなもんか」

「ほわわ、このような大金を貰ってもいいの」

 セレンが金額に驚いている。

「創作物は当たればでかいんだよ。他の展開もできる。たとえばペットのぬいぐるみだ。売りだせば儲かる」
「類似品が多数、出そうね」
「そこは正規品のマークだ。魔道具で作れば真似できない。簡単なホログラフィを出すなら、ゴブリンの魔石でも可能だからな」
「なるほど」
「カップから歯ブラシまで、何でも展開が可能だ」
「そんな事が」

「その展開とやら、アリの外皮で何か考えてよ」
「まずは置物だろ。着色も、もちろんする。ペン立て。文鎮なんでもござれだ。ペットのキャラクターが付いていれば良い。うちわなんてのもあったな。骨をアリの外皮で作れるだろう」
「じゃあ、やってよ」

「めんどくさい。丸投げだ。レクティやるか?」
「やらせて頂きますわ。諜報機関は金食い虫ですから」

「アイデアは出してやろう。グッズ展開は美味しいぞ」

 ホログラフィなんだから、3Dアニメとか作れるが、めんどくさいな。
 飛び出す絵本ぐらいで辞めておこう。

「成功の秘訣は何ですか?」

 真剣なセレン。

「そんなの決まっているじゃない。死角からズバっとよ。先手必勝」

 マイラが俺の代わりに応える。
 マイラの言も少し当たっている。
 最初にやった者が勝つ。
 それも今までない物をだ。

 俺は前世の記憶でこういうのが流行ったと知っている。
 ずるだけど、言わないでおこう。

「他の人に出来ないというのは、利点ですわね。独占は美味しいです」

 プログラム的魔法を使わない限りゲームを作るのは難しいだろう。
 類似品が出る恐れがないのは良い事だ。

「真似される必殺技は必殺技足りえない。初見殺しにしかならない」
「ですわね。こうも美味しい商売だと、それを生み出しているタイト様からは離れられません」

「ふむ、金儲けも武に通ずるのね」
「マイラの事は気にしない方が良いぞ。適当言っているだけだから」

「ならば、手数で勝負は?」
「それがグッズ展開だな」
「力で強引にねじ伏せるは?」
「デザイナーに有名な人を起用して、いいデザインを創らせる事かな」
「やっぱり武に通ずるのか」

 マイラの言っている事が正しいだと。
 そんな馬鹿な。
 ならば、フェイントは?
 スピンオフか。
 引っ掛からなくて失敗したりするところなんか、フェイントと似てる。
 スピンオフはこける事もあるからな。

 じゃあ、ブランドは?
 名声にビビって相手が実力を出せなくなるのと一緒か。

 マイラを馬鹿に出来ない。

「ふふん、マイラ様の慧眼、恐れ入ったか」
「こじつけ、だけどね」

「タイト様の商売のビジョンは素晴らしいの一言に尽きます」
「タイトが凄いのは当たり前」
「なるほど追いつけないね」
「お腹が減ったわ」

「よし、飯にしよう」

 ゲームは美味しいな。
 ペット育成がきたら、次は対戦か。
 育成の魔道具作って、魔石に情報をセーブして、対戦ゲームの魔道具を作ればいけるな。
 RPGは作るのが、めんどくさい。
 流行るのは分かっているが、どんだけ作成に掛かるんだよって事だな。
 一人で全部作るんだぞ。
 5年ぐらい掛かりそうだ。

 外注が欲しい。
 だが、無理だな。
 英語を教えて、プログラムの教育をする。
 これも5年ぐらいは掛かりそうだ。

 結局めんどくさい。
 パズルゲームとか音ゲーとかなら簡単に出来そうだ。
 それでも1ヶ月ぐらいは掛かるかも知れない。

 辞めよう。

「なに難しい顔しているの?」

 マイラの怪訝けげんな顔。

「料理が不味かったわけじゃないんだ。頭が10個ぐらいほしい」
「増やしたら」

 魂のコピーはやってみたけど、コピーすると動かない。
 クローンとしては存在出来ないんだよな。
 なんか神様的な存在の干渉を感じる。

 サイリスは魂の移動だから出来た。
 通信機に魂を入れたが、イエスマンが出来ただけだ。
 仕様だから仕方ない。
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