異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第4章 盗まれたスペルブック編

第211話 パーティと、ライト伯と、オルタネイト伯

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 親族見学会の始まりだ。
 別に緊張などしない。
 いつも通り授業を受ける。

 この後のパーティがな。
 4人も婚約者をエスコートするのは、見せびらかしているようで気が咎める。
 パーティに何人も奥さんを連れてきて、嫉妬を浴び喧嘩になったという話を聞いた事がある。

 かと言って誰か一人を連れて行くのも問題だ。
 誰も連れて行かないのもな。
 奇策に打って出るか。

 俺はランシェをエスコートの相手として選んだ。
 ランシェは義理の母親だ。
 王族だし、申し分ない。
 マイラもランシェには頭が上がらないようだし。
 他のみんなも納得するだろう。

「頼ってもらって嬉しい事であるな」
「他の人間だと角が立つような気がしたんだ」
「無難な選択よな。しかし、結婚したらそうもいかないのである。先送りよ」
「まあね。その時はその時で考える」
「パーティ用の愛妾を作るのも一つよな」
「これ以上増やすのは勘弁してほしい」

 会場に入りランシェと別れた。
 オルタネイト伯には挨拶しておかないと。
 レクティの父親だからな。
 未来の義理の父に不義理は出来ない。

 オルタネイト伯を探して、歩く。
 俺の前に立ち塞がるように人が現れた。
 見た事のない人だ。

「失礼。どなただったかな」
「これはこれは、タイト王子におかれましてはご機嫌麗しく。ライト伯爵でございます。愚息がお世話になりましたので、ご挨拶と思いまして」

 ああ、ベークの父親ね。

「名ばかり王子だから、かしこまらなくても良いよ」
「現存する魔王様に敬語抜きだなんて、とてもとても」
「好きにするといいよ」

「愚息は謹慎させております。どうして、ああも出来が悪いのか。やはり養子でもとって競わせた方が良かったですかな」
「競争相手は必要だと思うな。まあ、負け犬になって卑屈になるのも問題だけど」
「今からでも遅くありませんな。分家から何人か見繕うとしましょう」

 ベークはこれから前途多難だな。
 自分のやった事だから、責任は取らないと。

「俺はまだ人と会わないとだから、行くよ」
「ベークがこれからも迷惑を掛けると思いますが、なにとぞよろしくお願いします」
「問題ない範囲で相手をするよ」

 そう言ってライト伯と別れた。
 オルタネイト伯を見つけた。

「お久しぶりです」
「そうだね。たまには顔を見せてくれ。他の婚約者の顔も見てみたい」
「興味があるの」
「ああ、有能な人物は何人でも味方にほしい。魔導師との諍いは終わっていないのだからね」

 ドンパチは現在も進行中か。
 表立って戦争はしてないが、水面下で戦争中だもんな。
 対魔導師組織レジスタの大口スポンサーでもあるし。

 魔導師が片付いたら、オルタネイト伯はどうするつもりなんだろう。
 王家打倒とか言い出さないか心配だな。
 ちょっと聞いてみるか。

「終わりは見えている様な気がするんだ。その後の世界図が見えない」
「タイト君は流石だね。もう次の事を考えている。外国の事はどれだけ知っているかな」
「地理はなんとか。ここ何十年も戦争はない」
「そうなんだ。戦争がない理由が魔導師にあるのだよ。彼等は戦力だ」
「蝕む寄生虫だけど、宿主も守っている」
「その通りだ」

 そうなるとやばいね。
 魔導師を片付けて終わりという訳にはいかないのか。

「情勢が動くのか」
「そうだね。だからと言って寄生虫は放置出来ない。やつらは大きくなり過ぎた」

 オルタネイト伯にとりあえずの野心がないようで良かった。
 魔導師がいなくなると外国が攻めてくるのか。
 全く嫌だね。

「外国の対処も考えておくよ」
「聡明な義理の息子で助かるよ」

 オルタネイト伯が、魔導師の変死は君の仕業だろうと耳打ちしてきた。
 気づかれるよな。
 諜報機関も抱えているし切れ者だから。

「さてどうかな」

 惚けておいた。
 秘密を知る人間は少なければ少ないほど良い。

「では近々遊びに行きます」
「待ってるよ」

 マイラ達を見つけた。
 四人で固まっている。

「みんなそろってるね」
「タイト、次からは私達をエスコートして。迷惑を掛けないよう順番を決めたから。春夏秋冬の順番だよ」

「そんなのも決めたっけな」

 マイラが春で、セレンが夏、レクティが秋で、リニアが冬。
 確かそうだったはず。

 本人たちがそれで納得したなら良いか。
 そう言えば、セレンの親に挨拶してない。
 しないといけないな。
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