208 / 409
第4章 盗まれたスペルブック編
第208話 人気投票と、ペットゲームと、ファンの励まし
しおりを挟む
ベークが来ないなと思っていたら、来やがった。
「次の勝負は人気投票だ」
ベークに人差し指を突き付けられてそう宣言された。
人気投票は建国祭でやったから目新しさがない。
あれをまだ引きずっているのかな。
「ルールは?」
「物を一つ用意する。その物の人気が、どちらが高いかで、人気投票だ。物や金での買収は禁止する」
「展示の期間は?」
「1週間だ」
こいつらしいと言えばらしいな。
純粋な人としての魅力で、勝負しようと言わない辺りがな。
ベークはもう既に品物を用意しているんだろうな。
「10日くれ」
「よし、10日後だ。逃げるなよ」
そう言ってベークは去って行った。
俺が何を作ろうかと考えていたら、レクティがそばに寄って来た。
「ベークの品物が何か分かりました」
レクティ、優秀だな。
「聞いても作ろうとしている物に影響はないが、せっかく調べてくれたんだから聞くよ」
「ベークの品物はハムです」
「地味な物を選んだな」
「いいえ、卑怯な手段で来るつもりですね。ベークの家、ライト伯爵家は畜産が盛んです。商会も経営しているのですが、そこでハムの大売り出しを10日後に、期間を一週間でするそうです。生徒会にも即売会をやりたいと申請書が出されています」
「食い物は建国祭で失敗したんだから、別の手でくれば良いのに。展示即売会はありなのか。まあ別に良いな。俺は魔道具を作るつもりだから」
「オルタネイト主催で展示即売会をしましょう」
「やるか。でも大売り出しはしない」
「商品に自信がおありなのですね」
「格の違いを見せつけてやるさ」
俺が考えたのはペットゲーム機だ。
1週間の展示で、ペットが星に帰るまでをやる。
要素は進化と、餌やりと、糞の処理と、一緒に遊ぶだ。
このぐらいなら、10日で作れる。
プログラムは条件分岐の塊になるだろうから面白みはないが。
あとはペットのデザインだな。
「レクティに聞いたのだけど、ベークが勝負のお題を伝えたみたいね。何か私に手伝えることない」
そうセレンが言ってきた。
「あるよ。デザインだ」
「デザイン、面白そう」
マイラも寄って来た。
「じゃあ、みんなでやろう。ペットは個性がないとね」
マイラは、少しキモイペットをデザインした。
でも動きがユーモラスだ。
レクティは、普通というか、どことなく上品さがある。
よく訓練された犬みたいなペットだ。
リニアのペットは狼系だな。
動きが野生を感じさせる。
セレンはというと可愛いのをデザインしてきた。
この中で一番じゃないかな。
俺、俺はロボットみたいなのにした。
動きが想像し易かったのだ。
たぶんハズレとか言われるんだろうな。
イメージで動きとデザインが出来るので作成は早い。
ペットの進化の条件と機嫌が悪くなったりのプログラムが厄介だった。
それ以外は難航はしない。
ペットの声のイメージも4人と俺が担当した。
俺のペットの声は電子音と電気信号の音だ。
簡単だった。
ペットゲームのβ版は勝負の日の3日前に無料で放出してある。
バグを見つけると、製品版がただで貰えるように手配した。
子供は夢中になった。
そりゃそうだよね。
バグも一日で大体落ち着いた。
進化系統のバグは分かりづらいので、滅茶苦茶な進化をしても仕様だと誤魔化す事にしている。
勝負の日が来た。
展示即売会が開かれる。
ベーク陣営も同じだ。
あっちは良い匂いをさせている。
「タイト、負けてるよ」
マイラが悔しそうに言った。
「まあまあ、そのうち食いつくさ」
展示即売会でぼちぼちと売れた。
メインの展示ブースでは係の人が交代でゲーム上のペットのお世話をしている。
世話を放棄すると星に帰ってしまうから大変だ。
もっとも頻繁に呼ばれたりはしないがな。
多くても30分に1回程度だ。
お休みの挨拶を言うと、ペットはスリープモードに入る。
呼ぶ間隔が大幅に広がる。
でも寝ている最中でも呼ばれる事はたまにある。
睡眠不足が多発しないと良いんだけど。
ゲームを買った人は真剣に係員に相談している。
上手い育て方のコツを聞いているようだ。
展示5日目になると人気が逆転した。
みんな、夢中だ。
そうそうゲームの名前は『お世話します』にした。
あのお世話は殺意を覚えたからな。
プログラムが見えると、ネタが分かって面白くなくて、単純作業だ。
で、殺意を覚えるというわけだ。
まあ殺意は大げさだな。
イラっとくる。
で『お世話します』にした。
お世話するゲームなんだよと言い聞かせれば出来ない事もない。
最終日、生徒会が投票を取り仕切る。
俺の圧勝だった。
「汚いぞ。どうせ展示即売会が終わったら商品の値段を上げるんだろう」
さっそくベークが文句を言いに来た。
「いや、1年ぐらいは値上げはしないんじゃないかな。そうだよなレクティ」
「材料の魔石が上がらない限りは、上げるつもりはございません」
「だそうだ」
「ぐぬぬ。覚えてろよ。あと勝負は2回ある」
ベークが大股で去って行った。
「こんかい私は役に立ったのだろうか」
「セレン、暗いぞ。ペットの人気投票を見てみろよ。セレンのが1位だ」
「ほんとう?」
「ああ、自信を持て」
この後、マイラ達3人の機嫌を取るのが大変だった。
でも、人気投票に一言書く欄を作ったんだ。
それには賞賛や溺愛の言葉が溢れている。
万人受けしなくても刺さる人には刺さるという事はある。
みんなそれを読んで納得した。
「次の勝負は人気投票だ」
ベークに人差し指を突き付けられてそう宣言された。
人気投票は建国祭でやったから目新しさがない。
あれをまだ引きずっているのかな。
「ルールは?」
「物を一つ用意する。その物の人気が、どちらが高いかで、人気投票だ。物や金での買収は禁止する」
「展示の期間は?」
「1週間だ」
こいつらしいと言えばらしいな。
純粋な人としての魅力で、勝負しようと言わない辺りがな。
ベークはもう既に品物を用意しているんだろうな。
「10日くれ」
「よし、10日後だ。逃げるなよ」
そう言ってベークは去って行った。
俺が何を作ろうかと考えていたら、レクティがそばに寄って来た。
「ベークの品物が何か分かりました」
レクティ、優秀だな。
「聞いても作ろうとしている物に影響はないが、せっかく調べてくれたんだから聞くよ」
「ベークの品物はハムです」
「地味な物を選んだな」
「いいえ、卑怯な手段で来るつもりですね。ベークの家、ライト伯爵家は畜産が盛んです。商会も経営しているのですが、そこでハムの大売り出しを10日後に、期間を一週間でするそうです。生徒会にも即売会をやりたいと申請書が出されています」
「食い物は建国祭で失敗したんだから、別の手でくれば良いのに。展示即売会はありなのか。まあ別に良いな。俺は魔道具を作るつもりだから」
「オルタネイト主催で展示即売会をしましょう」
「やるか。でも大売り出しはしない」
「商品に自信がおありなのですね」
「格の違いを見せつけてやるさ」
俺が考えたのはペットゲーム機だ。
1週間の展示で、ペットが星に帰るまでをやる。
要素は進化と、餌やりと、糞の処理と、一緒に遊ぶだ。
このぐらいなら、10日で作れる。
プログラムは条件分岐の塊になるだろうから面白みはないが。
あとはペットのデザインだな。
「レクティに聞いたのだけど、ベークが勝負のお題を伝えたみたいね。何か私に手伝えることない」
そうセレンが言ってきた。
「あるよ。デザインだ」
「デザイン、面白そう」
マイラも寄って来た。
「じゃあ、みんなでやろう。ペットは個性がないとね」
マイラは、少しキモイペットをデザインした。
でも動きがユーモラスだ。
レクティは、普通というか、どことなく上品さがある。
よく訓練された犬みたいなペットだ。
リニアのペットは狼系だな。
動きが野生を感じさせる。
セレンはというと可愛いのをデザインしてきた。
この中で一番じゃないかな。
俺、俺はロボットみたいなのにした。
動きが想像し易かったのだ。
たぶんハズレとか言われるんだろうな。
イメージで動きとデザインが出来るので作成は早い。
ペットの進化の条件と機嫌が悪くなったりのプログラムが厄介だった。
それ以外は難航はしない。
ペットの声のイメージも4人と俺が担当した。
俺のペットの声は電子音と電気信号の音だ。
簡単だった。
ペットゲームのβ版は勝負の日の3日前に無料で放出してある。
バグを見つけると、製品版がただで貰えるように手配した。
子供は夢中になった。
そりゃそうだよね。
バグも一日で大体落ち着いた。
進化系統のバグは分かりづらいので、滅茶苦茶な進化をしても仕様だと誤魔化す事にしている。
勝負の日が来た。
展示即売会が開かれる。
ベーク陣営も同じだ。
あっちは良い匂いをさせている。
「タイト、負けてるよ」
マイラが悔しそうに言った。
「まあまあ、そのうち食いつくさ」
展示即売会でぼちぼちと売れた。
メインの展示ブースでは係の人が交代でゲーム上のペットのお世話をしている。
世話を放棄すると星に帰ってしまうから大変だ。
もっとも頻繁に呼ばれたりはしないがな。
多くても30分に1回程度だ。
お休みの挨拶を言うと、ペットはスリープモードに入る。
呼ぶ間隔が大幅に広がる。
でも寝ている最中でも呼ばれる事はたまにある。
睡眠不足が多発しないと良いんだけど。
ゲームを買った人は真剣に係員に相談している。
上手い育て方のコツを聞いているようだ。
展示5日目になると人気が逆転した。
みんな、夢中だ。
そうそうゲームの名前は『お世話します』にした。
あのお世話は殺意を覚えたからな。
プログラムが見えると、ネタが分かって面白くなくて、単純作業だ。
で、殺意を覚えるというわけだ。
まあ殺意は大げさだな。
イラっとくる。
で『お世話します』にした。
お世話するゲームなんだよと言い聞かせれば出来ない事もない。
最終日、生徒会が投票を取り仕切る。
俺の圧勝だった。
「汚いぞ。どうせ展示即売会が終わったら商品の値段を上げるんだろう」
さっそくベークが文句を言いに来た。
「いや、1年ぐらいは値上げはしないんじゃないかな。そうだよなレクティ」
「材料の魔石が上がらない限りは、上げるつもりはございません」
「だそうだ」
「ぐぬぬ。覚えてろよ。あと勝負は2回ある」
ベークが大股で去って行った。
「こんかい私は役に立ったのだろうか」
「セレン、暗いぞ。ペットの人気投票を見てみろよ。セレンのが1位だ」
「ほんとう?」
「ああ、自信を持て」
この後、マイラ達3人の機嫌を取るのが大変だった。
でも、人気投票に一言書く欄を作ったんだ。
それには賞賛や溺愛の言葉が溢れている。
万人受けしなくても刺さる人には刺さるという事はある。
みんなそれを読んで納得した。
0
お気に入りに追加
1,136
あなたにおすすめの小説

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる