異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第4章 盗まれたスペルブック編

第205話 建国祭と、白熱と、勝利

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 建国祭、当日。
 色々とトラブルがあったものの、無事準備は整った。

 俺は敵情視察という事でベーク陣営の催し物を覗いた。
 あっちは食べ物屋をやるらしい。
 定番だな。
 食べ放題らしいが、大食いコンテストも開かれるらしい。
 ポスターが張ってあった。

 だいたい分かった。
 よし開始だ。

 続々と客が詰めかける。
 うーん、デコをするのは時間が掛かる。
 回転率がよろしくないな。
 かと言って机を並べるスペースはないし。
 食い物屋の方が回転が早いのに違いない。
 このままだと負ける。

 接着剤の乾燥に時間が掛かるのがいけない。
 よし、乾燥の魔道具を作ろう。

extern MAGIC *dry(void);

void main(void)
{
 MAGIC *mp; /*魔法定義*/
 mp=dry(); /*乾かす*/
}

 急ぎで作ったから、色々と端折ってるがまあ良いだろう。
 客の回転が早くなり始めた。

 接着剤を塗って、パーツを貼り付けて、乾燥の魔道具。
 早い人は1分で終わっている。

 次のボトルネックは審査だな。
 客の出来栄えを審査して点数を出す。
 10位以内なら、ボードに名前を書き込んで待ってもらう。
 10位から陥落した時は記念品を渡して終わりだ。

 とにかく審査のところが難しい。
 適当にやってほしい。

 俺は1点から10点の札を作った。
 審査員は見せられた作品の点数を上げるだけにして、集計は魔道具でやる事にした。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main(int argc,char *argv[])
{
 int i,ans; /*カウンターと足し算の答え*/
 ans=0; /*答えをゼロに*/
 for(i=0;i<5;i++){ /*審査員は五人*/
  ans+=atoi(argv[1+i]); /*審査員の得点を足す*/
 }
 return(ans); /*出た答えを返す*/
}

 これで良いだろう。
 これならだいぶ早くなる。

「タイト、負けてるよ」

 マイラが報せにきた。
 よし、嫌がらせをしてやる。

「リニア、相手の食い物屋に行って目一杯食ってこい」
「ちょうどお腹が減ったところ」

 リニアが相手の食い物屋に行き、手あたり次第料理を食う。
 料理の供給が追い付かなくなる。
 でも、これじゃ焼け石に水だ。

 仕方ないずるしよう。
 俺は口の中に収納魔法を展開して料理を詰め込んだ。
 料理は後でゴブリンに持って行ってやろう。

 リニアは満腹になって腹をさすっている。
 俺が満腹にならないのを見て、ベークが文句を言いに来た。

「汚いぞ。そっちがそんな手に出てくるなら、考えがある。おいあれを出せ」
「ただいまから高級食材のメタルシュリンプの串焼き始めます!」

 銅貨10枚で出せる食材じゃないだろう。
 そっちがその気なら。
 俺は会場に戻り。

「ただいまから、審査で25点以上獲得した方には魔道具を進呈します!」

 こっちはゴブリンの魔石だから、原価はそんなに掛かってない。
 大盛り上がりになった。

 マイラが元締めの所に行ってゴブリンの魔石を千個ぐらい持ってきた。
 魔道具を作る魔道具があるから、それを使いマイラと二人で魔道具を作り始めた。

 魔道具を作るのに1秒と掛からない。
 すぐに魔石がなくなった。
 客は順調に入っている。

「汚いぞ、金貨何枚もする魔道具を配るなんて」

 ベークが文句を言いに来た。

「材料はゴブリンの魔石だ。そんなにお金は掛かってない」
「くそっ」
「営業の邪魔だ。帰った帰った」

「何でも良い。高級食材を買い付けて来い」
「坊ちゃん、もうお金がありません」
「父上に言ってもらって来い」
「なんと言ってですか?」
「ぐっ」

「マイラ、ゴブリンの魔石を追加で千個だ」
「行って来る」

「結局、財力で負けるのか」

 いや、財力ではないな。
 プログラム的魔法に負けるのだ。

 夕暮れになる頃に勝負は締め切られた。

「結果は、タイト3265枚、ベーク812枚。勝者タイト」

 カソードが発表して終わった。

「みんなお疲れ」

 勝因は食い物は2回は食べられないって事だ。
 デコは同じ人が何度でも出来る。
 それが勝敗を分けた。
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