異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第3章 狂戦士の守護者編

第192話 卒業式と、会長就任と、婚約式

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 あっと言う間に学園の行事が過ぎていく。
 大掃除。
 魔法舞踏祭。
 試験。
 本当にあっという間だ。

 今日は卒業式。
 エミッタとアキシャルが卒業する。
 俺達おも研のメンバーは花束を持って、会場の外で待ち構えた。

 出て来たようだ。
 パンパンと音がして紙吹雪と紙のリボンが飛び散る。
 クラッカーの魔道具だ。
 この日の為に作った。

「「「「「卒業おめでとう!」」」」」

「ありがとう、爆発の楽しい使い方をしてくれて、嬉しいのだ」
「ありがとう、花束は人にあげても貰っても嬉しいね」

 エミッタとアキシャルも卒業か。

「おもしろ魔法研究会の新しい会長はタイト君に、副会長はセレン君にお願いするのだ」
「精一杯やらせてもらうよ」
「頑張るわ」

「そんな気を張る必要はないのだ。面白く楽しくやるのだ」
「分かったよ」
「ええ」

 気がかりだったペストマスクの連中は出て来ない。
 沢山殺したから、打ち止めになったかな。

 まだ魔導師は沢山いる。
 違う奴らが出てくると思っていたが、ここ4ヶ月は音沙汰がない。

 卒業の祝いのパーティは学園が主催する。
 在校生は出られない。
 それにエミッタとアキシャルは結婚すると言っていた。
 新婚さんを邪魔しても悪い。

 俺達は5人で忘年会を開いた。

「婚約式は何時やるんですか」

 レクティがそう聞いてきた。
 めんどくさいな。
 結婚式もだが、俺は女性側の楽しみのような気がする。

 だが、めんどくさいなんて口にすると、実家に帰らせてもらいますぐらい言いそうだ。

「王族なんだから、王宮で盛大にやろう」
「それは良いですね。一生の記念になります」

 準備の大半はランシェに丸投げしてやろう。
 こっちだって色々と手伝ったのだから、こういう時こそ手伝ってもらいたい。
 ランシェに任せておけば王宮の大広間も使用できるに違いない。

「ピンクのドレスが着たいなぁ」

 そうマイラが憧れの眼差しで言った。

「4人とも、好きなドレスを作って良いぞ。金なら腐る程ある」
「じゃあ、私は純白」
「ダイヤモンドをちりばめたのが良いな」
「わたくしは青ですね。できれば、王族のみが許されるロイヤルブルーがいいですね」

「任せとけ」

 交渉はランシェに丸投げだ。

「正妻はどなたかに決めまして?」
「それね。正妻は決めない。みんな同列に扱う。誰か一人にという時は出会った順番だ」
「そうなると、マイラさん、セレンさん、わたくし、リニアさんの順番ですね」
「そうだ」

「ではマイラさんが第一夫人になりますが」
「その呼び方は好きじゃないな。屋敷を構える時は四季辺りで呼びたい」
「では、マイラさんが春の方、セレンさんが夏の方、わたくしが秋の方、リニアさんが冬の方ですね。リニアさんのイメージが悪そうですが」

「私は気にしないよ。冬は死のイメージがあるからちょうど良い。ぴったりだと思う」
「納得されているのでしたら構いません」

「ほわぁ、春の方。おも研の新入生が入ったらそう呼ばせよう」
「私はちょっと恥ずかしいな。夏の方なんて呼ばれたら、真っ赤になりそう」

「気に入らなければ、別の名前を考えさせるさ。マイラ、元締めの所に行こう」
「ぶすっ」
「悪かった春の方、一緒に行こう」
「喜んで」

 マイラは春の方の呼び名が気に入っているようだ。
 だが、すぐに飽きるだろう。

 元締めの所に顔を出した。

「どう、ウイルス付きの魔力アップ魔道具は?」
「売れてるぜ。金貨100枚の値段だってのにな」
「変死の情報はどうかな」

「貴族にぼちぼちと出ている。平民の情報は入らないから分からん。魔導師は秘密主義だから一層分からん」

 貴族で死んだのは魔導師の奴らだろうな。
 魔導師は貴族になれない決まりだが、この罪で告発された事はない。
 取り締まっているのは影ぐらいだろう。
 たぶん貴族魔導師の極悪人は暗殺しているはずだ。

 魔力アップの魔道具は魔導師に受けそうだが、他のも考えないと。
 ああ、そうだ。
 治療の魔道具がいいな。
 魔導師は治療の仕事を高額で請けている。

 プログラム的魔法は効率が良い。
 一日に何千人と治療できれば、使いたいはずだ。
 よし、ウイルス付きの治療の魔道具を売ろう。

 神秘魔法名を使った治療は不味いが、普通の治療も前に作ってある。
 神秘魔法名とは治療のプロセスが違うから、問題も起きないだろう。

「元締め、分からないように噂を流してほしい。魔導師だけ罹る病気が流行っていると。噂を流す時に尻尾を掴まれるなよ」
「それなら、情報屋を使おう。情報の出元を分からないように、あいつらに流すのは容易い。あいつらガセでも、顔を隠していても、情報を買うからな」

 くくっ、これで魔道具が原因だと気づかれ難くなるに違いない。
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