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第3章 狂戦士の守護者編
第157話 デートと、強さの秘密と、マイラと仲直り
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リラがおも研に顔を出した。
「タイト先輩、リラとデートして下さい。きゃは、言っちゃった」
「くっ、このキメラ女が」
いきなりそんな事を言われた。
どういう風の吹き回しなんだろう。
「後でマイラともデートしてやるから」
「それなら発言だけは許す」
「順位戦優勝のお願いを使うという事でいいのかな?」
「はい」
「何歳ぐらいの俺が良い?」
「18歳でお願いしようかなっと」
「分かった。要望に応えよう」
「見たい。18歳のタイトが見たい。でもデートは許容できない」
「マイラ、デートだって考えるからいけないんだ。食事を一緒にしたってだけだ。セレンとご飯を食べに行った事もあるだろう」
「そうだけど」
「私が代わりに見張っておきます」
そうダイナが申し出た。
護衛だから付いてくることは確定している。
「不埒な事をしそうになったら止めて。お願い」
「ええ」
部活が終わってから、寮で18歳の体になって着替える。
「素敵」
「そうですね」
「これは護衛が大変そうです」
マイラとレクティとダイナが話している。
「じゃあ、行って来る」
「行ってらっしゃい。ダイナ、くれぐれもよろしく」
「行ってらっしゃいませ」
リラの寮の前で待つ。
女の子の視線が鬱陶しい。
鏡を見て、もてそうな顔だなと思っていたが、過小評価だったらしい。
「待った?」
「それほどでもないよ」
「そこは、ううん来たばかりだよって言わないと」
「時間が惜しい。行こう」
「もう、ムードがないと減点しゃうぞ」
リラと何故か腕を組んで歩いている。
マイラが見たら怒るだろうな。
適当なレストランに入り夕食を注文した。
料理はまずまずだった。
「じゃあ、演劇を見てから帰ろうか」
「るんるん、楽しみ」
演劇は喜劇だった。
だが、笑いのツボが、現代人の記憶がある俺とずれているために、笑えない。
「タイト先輩、面白くなかった?」
「正直笑いのセンスがずれていた」
「今日は帰りたくないな」
「帰りたくないって夜通し飲むのか」
「ううん、このままどこかに連れ去ってほしい」
リラの表情は真面目だ。
口調も茶化した感じがない。
内容は誘いを掛ける女性の言葉だが、色っぽい感じはない。
生活に疲れ果ててどこかに逃げたいという中年サラリーマンの悲哀を感じる。
よく中年サラリーマンが家に帰りたくないとベンチに座って呟く様な感じだ。
「体、そんなに悪いのか?」
「死にゆく老人を見るような目をしないで」
「すまん」
「タイト先輩は何でそんなに強いんです?」
「強くないさ。魔法の腕は自信があるけど、そんなのは本当の強さじゃない。本当の強さは、守りたい人を命を捨ててでも守るような人だ。それこそ全力の何倍もの力を発揮してな」
「私には守りたい人はいないなぁ。タイト先輩は?」
「守りたい人なら一杯いる。リラも含まれているぞ。裏切らない限りはな」
「そっかあ。そこが違うのか。それは勝てないね。ただでさえ強いのに、何倍もの力をだされちゃね」
「俺が何倍もの力を出せるかは分からないが、そうありたいと思う」
「リラがピンチでそうしてくれるの」
「もちろんだ」
リラは何かしら思ったようだ。
その思いが良い方向に、向かえば良いと思う。
ほっぺにキスされて、リラがほほ笑む。
寂しそうな微笑みだった。
「キスはお礼。私にも大切な人が出来たみたい」
「ストップ」
ダイナが割って入った。
「ぷんぷん、いい所だったのに。もうちょっとでタイト先輩を落とせるかなと」
いつもの茶化した雰囲気のリラが戻って来た。
「良い子は寝る時間です。帰りましょう」
「そうだな帰ろう」
「今日はありがと」
リラを寮の前まで送って、考えた。
リラは組織から抜けたいのかな。
俺に背負えるかな。
でも、人体実験するような組織は潰したい。
「タイト、お帰り。デートはどうだった」
「報告します。ほっぺにキスされていました」
「タイトの浮気者」
「あんなの挨拶だよ。デートは普通だったよ」
「腕を組んでました」
ダイナはこの状況を楽しんでいるな。
全く、性格の悪い奴だ。
お仕置きしてやりたいところだ。
俺の部下じゃないから出来ないが。
「食事会じゃ、腕なんか組まないでしょ」
めんどくさくなったので、マイラの口をキスで塞いだ。
「むぐっ。えへへっ、許してあげる。でも、これっきりよ」
めんどくさいけど、マイラのそういう所も可愛いなと思う。
「タイト先輩、リラとデートして下さい。きゃは、言っちゃった」
「くっ、このキメラ女が」
いきなりそんな事を言われた。
どういう風の吹き回しなんだろう。
「後でマイラともデートしてやるから」
「それなら発言だけは許す」
「順位戦優勝のお願いを使うという事でいいのかな?」
「はい」
「何歳ぐらいの俺が良い?」
「18歳でお願いしようかなっと」
「分かった。要望に応えよう」
「見たい。18歳のタイトが見たい。でもデートは許容できない」
「マイラ、デートだって考えるからいけないんだ。食事を一緒にしたってだけだ。セレンとご飯を食べに行った事もあるだろう」
「そうだけど」
「私が代わりに見張っておきます」
そうダイナが申し出た。
護衛だから付いてくることは確定している。
「不埒な事をしそうになったら止めて。お願い」
「ええ」
部活が終わってから、寮で18歳の体になって着替える。
「素敵」
「そうですね」
「これは護衛が大変そうです」
マイラとレクティとダイナが話している。
「じゃあ、行って来る」
「行ってらっしゃい。ダイナ、くれぐれもよろしく」
「行ってらっしゃいませ」
リラの寮の前で待つ。
女の子の視線が鬱陶しい。
鏡を見て、もてそうな顔だなと思っていたが、過小評価だったらしい。
「待った?」
「それほどでもないよ」
「そこは、ううん来たばかりだよって言わないと」
「時間が惜しい。行こう」
「もう、ムードがないと減点しゃうぞ」
リラと何故か腕を組んで歩いている。
マイラが見たら怒るだろうな。
適当なレストランに入り夕食を注文した。
料理はまずまずだった。
「じゃあ、演劇を見てから帰ろうか」
「るんるん、楽しみ」
演劇は喜劇だった。
だが、笑いのツボが、現代人の記憶がある俺とずれているために、笑えない。
「タイト先輩、面白くなかった?」
「正直笑いのセンスがずれていた」
「今日は帰りたくないな」
「帰りたくないって夜通し飲むのか」
「ううん、このままどこかに連れ去ってほしい」
リラの表情は真面目だ。
口調も茶化した感じがない。
内容は誘いを掛ける女性の言葉だが、色っぽい感じはない。
生活に疲れ果ててどこかに逃げたいという中年サラリーマンの悲哀を感じる。
よく中年サラリーマンが家に帰りたくないとベンチに座って呟く様な感じだ。
「体、そんなに悪いのか?」
「死にゆく老人を見るような目をしないで」
「すまん」
「タイト先輩は何でそんなに強いんです?」
「強くないさ。魔法の腕は自信があるけど、そんなのは本当の強さじゃない。本当の強さは、守りたい人を命を捨ててでも守るような人だ。それこそ全力の何倍もの力を発揮してな」
「私には守りたい人はいないなぁ。タイト先輩は?」
「守りたい人なら一杯いる。リラも含まれているぞ。裏切らない限りはな」
「そっかあ。そこが違うのか。それは勝てないね。ただでさえ強いのに、何倍もの力をだされちゃね」
「俺が何倍もの力を出せるかは分からないが、そうありたいと思う」
「リラがピンチでそうしてくれるの」
「もちろんだ」
リラは何かしら思ったようだ。
その思いが良い方向に、向かえば良いと思う。
ほっぺにキスされて、リラがほほ笑む。
寂しそうな微笑みだった。
「キスはお礼。私にも大切な人が出来たみたい」
「ストップ」
ダイナが割って入った。
「ぷんぷん、いい所だったのに。もうちょっとでタイト先輩を落とせるかなと」
いつもの茶化した雰囲気のリラが戻って来た。
「良い子は寝る時間です。帰りましょう」
「そうだな帰ろう」
「今日はありがと」
リラを寮の前まで送って、考えた。
リラは組織から抜けたいのかな。
俺に背負えるかな。
でも、人体実験するような組織は潰したい。
「タイト、お帰り。デートはどうだった」
「報告します。ほっぺにキスされていました」
「タイトの浮気者」
「あんなの挨拶だよ。デートは普通だったよ」
「腕を組んでました」
ダイナはこの状況を楽しんでいるな。
全く、性格の悪い奴だ。
お仕置きしてやりたいところだ。
俺の部下じゃないから出来ないが。
「食事会じゃ、腕なんか組まないでしょ」
めんどくさくなったので、マイラの口をキスで塞いだ。
「むぐっ。えへへっ、許してあげる。でも、これっきりよ」
めんどくさいけど、マイラのそういう所も可愛いなと思う。
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