異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第3章 狂戦士の守護者編

第146話 アリの巣と、クィーンと、リベンジの誓い

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Side:リラ
 はっ、所詮はアリよね。
 笑っちゃうぐらい弱い。
 こんなの100万匹出て来ようが、物の数じゃないわ。

 ほらっ。
 私は手刀でアリの巣ダンジョンにいる2メートルほどのアリモンスターの首を落とした。
 アリのモンスターは頭と胴体が離れていてもまだ生きている。
 頭は盛んに顎を開け閉めして、攻撃しようとしていた。
 頭だけじゃ動けないんだから、いい加減死んでよね。

「回収、お願い」
「ご苦労、いい研究材料だ【収納魔法】」

「私、先に行っている」

 団体でお出迎えね。
 関係ないけど。
 首を一撃で落として回る。

 歯ごたえが無さ過ぎてちょっとね。
 弱い物虐めは好きじゃない。

 3メートルはあろうかというアリモンスターが出て来た。
 ファイターね。
 歯ごたえがあるのかしら。
 首に一撃。
 ころんと頭が転がった。
 なんだ、一撃じゃない。

 Aランク危険地帯も大した事ないのね。
 魔の森も同じかしら。
 タイトはあそこを縦断して、エシェントドラゴンを屈服させたようだけど。

「先に進みましょう。ねっ、サイリス」

 その後は単調だった。
 100匹ぐらいの、ファイターに率いられた集団も、大した事がなかった。

 そして、通路が太くなり。
 いよいよかと思われた時に、ナイトが現れた。

 ファイターと同じぐらいの大きさだけど、移動速度が違う。
 でも、余裕だけど。

 首を落とそうとして、かわされた。
 手刀は頭で受けられた。
 硬いわね。
 手が痺れる。

 大あごが迫ってきたので、両手でつかんで引き千切ろうとするが、びくともしない。
 どんなパワーしているのよ。
 そして、至近距離で液体を食らった。
 溶ける鎧と肉体。

 サイリスが起きる。
 私の意識は暗闇になった。
 気づいた時にはボロボロの体と、もっとボロボロのナイト。
 勝ったようね。
 肉体が治っていく。

 10匹のナイトを見た時、絶望した。
 そして、ナイトどころか奥からナイトより大きいモンスターが現れた。
 勝てない。
 こう思ったのはタイトに対峙した時以来。

 クィーンなの。
 なんという威圧感。
 私の中のサイリスが怯えている。

 でも、ここで退いたら失敗作と言われて、処分されるかも。
 私は人工魔王だから。
 同格のはず。

 意を決して、クィーンを殴りに行った。
 かわされた。
 残像を殴らされた。

 くそっ、アリのくせしてなんて早いのよ。
 そして、腹部に衝撃を受けた。
 顎で突かれた。
 腹に大きな穴が開いている。

「撤退しろ。ナイトの死骸は回収した。クィーンは惜しいが、あれは手に余る」
「そうね」

 いざという時の為に渡されてたアリモンスター用の忌避剤を撒く。
 そして全力で逃げた。
 悔しい。
 のほほんとしたタイトに可能なのに私は駄目だ。
 一体何が違うのよ。
 覚悟、能力、生まれ、才能、何が違うの。

 タイトをもっと研究して、取り入れるべき所は取り入れないと。

「回収係はどうした?」
「遅いから置いて来た。運が良ければ生きて帰れると思う。魔王は凄かったわ」
「そうか。まだ足りないか」

「実験台は嫌! 手術は嫌!」
「落ち着け取り乱すな。ここでサイリスが出て来たら、我々は全滅だ」

「実験台にしないって約束して」
「するよ。する。するから手を放せ」

 私は監視役の襟を半ば千切っていたのに気づいた。
 慌てて手を放す。

「食料を出して。だいぶダメージを負ったから、血肉が足りないわ」
「【収納魔法】。ほらよ」

 出された料理を次から次へと食い漁る。
 一時間ほど食べ続けて、ようやく落ち着いた。
 回収係も現れた。

「今後は魔道具を装備するか? 噂でタイトは、沢山の魔道具を身に着けているらしい」
「そういうのなら、歓迎。スピードが速くなるのをお願い。クィーンは私より早かった。それと液体を掛けられた時の防御をお願い。ナイトの酸には苦戦したわ」

「分かった。開発してみよう」

 アリの涙を見るどころか、こっちが悔し涙を見せてしまった。
 何回でも挑戦できるみたいだから、いつかリベンジしましょう。
 次こそは、アリの涙を見てみたい。
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