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第3章 狂戦士の守護者編
第143話 4回戦と、昼飯と、戦闘の形跡
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今日は4回戦。
どうしても、リラが気になる。
リラとエミッタの対戦を見に行く。
「始め!」
エミッタが爆発で粉をばら撒いた。
煙幕の効果を狙っているのか。
煙幕は広がるまで時間がかかるが、粉を爆発で吹き飛ばせば一瞬だ。
確かに有効な手だが、次の一手はどうするんだ。
双方が見えないんじゃ動けないだろう。
爆発が起きて立ち込めた粉塵が吹き飛ぶ。
エミッタの狙いが、分かったぞ。
動けなくして、削っていくつもりだ。
魔力を飛ばして、爆発させるのは時間が掛かる。
なぜかとというと魔力のみの移動は遅いからだ。
相手のすぐそばでいきなり魔法を出現させようと思ったら、普通に飛ばすのより倍以上の時間が掛かる。
だから、粉で煙幕を張って動けなくしたんだな。
次の瞬間、エミッタが場外に弾き飛ばされた。
粉が全部落ちると、リラが中央に立っている。
粉の中でもリラは行動できるらしい。
「勝者リラ!」
マイラとレクティの試合を観戦する。
レクティが魔石をばら撒く。
マイラはというとつぶてを飛ばし、魔石を弾いてレクティに接近していく。
魔石のいくつかは爆発を起こしたが、マイラには届かない。
「降参です」
レクティがあっさりと降参した。
切り札をまだ隠しているような感じがしたんだけどな。
こんな試合じゃ手の内は明かせないって事なのかも知れない。
他の結果はというと。
アキシャルとカソード戦はアキシャルの勝ち。
セレンと名前を知らない男子生徒の戦いは、セレンの勝ちだった。
リラとセレンとアキシャルとマイラが、準決勝に進む事になる。
「みんなお疲れ」
「負けちゃったのだ。リラ君はどうやって粉塵の中で状況把握をしたのだ?」
「えへへっ、乙女の勘。きゃは、乙女レーダー装備してるの」
「乙女の勘じゃ仕方ないのだ」
そんな訳あるか。
「マイラなら煙の中でどうやって戦う?」
「風を肌で感じれば、動きは分かる」
うーん、リラもその手を使ったのかな。
「ぶー、違うよ。乙女レーダーだもん」
リラが不服そう。
なんとなくマイラの言っている事が違うような気がした。
「僕なら大地の声を聞くよ。根を張り巡らすのさ」
アキシャルなら、振動を感知するのか。
その手もあるな。
リラは違うと言っているような気がする。
まあ、別に良いだろ。
「みんなで昼ごはんを食べに行くのだ」
賛成の声が上がった。
美味いと評判の定食屋に行く。
「ごめーん、リラ用事を思い出しちゃった。すぐに戻るから注文お願ーい」
リラが席を外して、しばらくして帰ってきた。
ふと、リラを見ると袖に血がついている。
「血が付いてるぞ」
「いけっなーい、帰って、洗濯しなきゃ。リラったら、暴漢の喧嘩を止めたんだよ。偉いでしょ。褒めて褒めて。リラは褒められて伸びる子」
「偉いのだ。頭を撫でてあげるのだ」
リラがエミッタに頭を撫でられ目を細める。
撫でられるの好きなのか。
孤児院育ちだと言っていたから、年上に撫でられるのに慣れているのかもな。
料理が運ばれてくる。
俺の位置からは見えるが、リラからは背後だ。
リラは後ろに手を伸ばしてお盆の上の料理を取った。
腕の関節の柔らかさも驚きだが、まるで背後が見えているみたいだ。
リラはマイラ並みの感知能力がある事が分かった。
何を感知しているかは分からないが。
定食5人前がリラの胃袋に消えていく。
いつも通り大食いだな。
「喧嘩の原因は何だったのだ?」
「グループが2つあって、とっても仲が悪いの。会うと必ず喧嘩になるんだぁ。もう、ぷんぷん。怒っちゃうよ」
「どうやって収めたのだ」
「もちろん、可愛く両方に、めってやったの」
リラの話が本当だとすれば2つのグループが戦闘していた事になる。
なんか引っ掛かるんだよな。
何だろ。
リラが本当の事を言っているとしたら、密偵失格だな。
何がしたいんだろうな。
戦果を誇示したかったのか。
リラの気持ちが分からない。
食事が終わった後にレクティと話す事にした。
「この付近で戦闘が起こったはずなんだが、分かるか?」
「戦闘の形跡はありませんね。あれば護衛が感づいているはずです」
レクティの護衛は常にいるらしい。
誰がそうなのか分からないが、店の客とか色んな所に紛れているのだろう。
「遮音の魔法を使ったってのはどうだ。俺にも同じ事が出来る」
「なら分かりませんね」
「念のためこの付近を調べてみてくれ」
「ええ」
寮に帰ってしばらくして、レクティが報告に来た。
「血痕と複数人の足跡がありました。地面の痕跡から推察すると、激しい戦闘が行われたようです」
「リラの話は本当だったみたいだな。密偵が情報を漏らすってどう思う」
「欺瞞にしてはお粗末に感じます。リラは密偵ではない気がします。目立ちすぎますから。でも刺客というのも違うような」
「そうだよな。どういうつもりなのか、魂胆が分からない」
「おそらく護衛ではないでしょうか」
「護衛か。なるほど、それは考えてなかった」
となると護衛対象は俺だよな。
そうなると、狼仮面と別人物?
ああ、もう分からん。
護衛という推論が間違っているのかも。
とにかく謎だ。
どうしても、リラが気になる。
リラとエミッタの対戦を見に行く。
「始め!」
エミッタが爆発で粉をばら撒いた。
煙幕の効果を狙っているのか。
煙幕は広がるまで時間がかかるが、粉を爆発で吹き飛ばせば一瞬だ。
確かに有効な手だが、次の一手はどうするんだ。
双方が見えないんじゃ動けないだろう。
爆発が起きて立ち込めた粉塵が吹き飛ぶ。
エミッタの狙いが、分かったぞ。
動けなくして、削っていくつもりだ。
魔力を飛ばして、爆発させるのは時間が掛かる。
なぜかとというと魔力のみの移動は遅いからだ。
相手のすぐそばでいきなり魔法を出現させようと思ったら、普通に飛ばすのより倍以上の時間が掛かる。
だから、粉で煙幕を張って動けなくしたんだな。
次の瞬間、エミッタが場外に弾き飛ばされた。
粉が全部落ちると、リラが中央に立っている。
粉の中でもリラは行動できるらしい。
「勝者リラ!」
マイラとレクティの試合を観戦する。
レクティが魔石をばら撒く。
マイラはというとつぶてを飛ばし、魔石を弾いてレクティに接近していく。
魔石のいくつかは爆発を起こしたが、マイラには届かない。
「降参です」
レクティがあっさりと降参した。
切り札をまだ隠しているような感じがしたんだけどな。
こんな試合じゃ手の内は明かせないって事なのかも知れない。
他の結果はというと。
アキシャルとカソード戦はアキシャルの勝ち。
セレンと名前を知らない男子生徒の戦いは、セレンの勝ちだった。
リラとセレンとアキシャルとマイラが、準決勝に進む事になる。
「みんなお疲れ」
「負けちゃったのだ。リラ君はどうやって粉塵の中で状況把握をしたのだ?」
「えへへっ、乙女の勘。きゃは、乙女レーダー装備してるの」
「乙女の勘じゃ仕方ないのだ」
そんな訳あるか。
「マイラなら煙の中でどうやって戦う?」
「風を肌で感じれば、動きは分かる」
うーん、リラもその手を使ったのかな。
「ぶー、違うよ。乙女レーダーだもん」
リラが不服そう。
なんとなくマイラの言っている事が違うような気がした。
「僕なら大地の声を聞くよ。根を張り巡らすのさ」
アキシャルなら、振動を感知するのか。
その手もあるな。
リラは違うと言っているような気がする。
まあ、別に良いだろ。
「みんなで昼ごはんを食べに行くのだ」
賛成の声が上がった。
美味いと評判の定食屋に行く。
「ごめーん、リラ用事を思い出しちゃった。すぐに戻るから注文お願ーい」
リラが席を外して、しばらくして帰ってきた。
ふと、リラを見ると袖に血がついている。
「血が付いてるぞ」
「いけっなーい、帰って、洗濯しなきゃ。リラったら、暴漢の喧嘩を止めたんだよ。偉いでしょ。褒めて褒めて。リラは褒められて伸びる子」
「偉いのだ。頭を撫でてあげるのだ」
リラがエミッタに頭を撫でられ目を細める。
撫でられるの好きなのか。
孤児院育ちだと言っていたから、年上に撫でられるのに慣れているのかもな。
料理が運ばれてくる。
俺の位置からは見えるが、リラからは背後だ。
リラは後ろに手を伸ばしてお盆の上の料理を取った。
腕の関節の柔らかさも驚きだが、まるで背後が見えているみたいだ。
リラはマイラ並みの感知能力がある事が分かった。
何を感知しているかは分からないが。
定食5人前がリラの胃袋に消えていく。
いつも通り大食いだな。
「喧嘩の原因は何だったのだ?」
「グループが2つあって、とっても仲が悪いの。会うと必ず喧嘩になるんだぁ。もう、ぷんぷん。怒っちゃうよ」
「どうやって収めたのだ」
「もちろん、可愛く両方に、めってやったの」
リラの話が本当だとすれば2つのグループが戦闘していた事になる。
なんか引っ掛かるんだよな。
何だろ。
リラが本当の事を言っているとしたら、密偵失格だな。
何がしたいんだろうな。
戦果を誇示したかったのか。
リラの気持ちが分からない。
食事が終わった後にレクティと話す事にした。
「この付近で戦闘が起こったはずなんだが、分かるか?」
「戦闘の形跡はありませんね。あれば護衛が感づいているはずです」
レクティの護衛は常にいるらしい。
誰がそうなのか分からないが、店の客とか色んな所に紛れているのだろう。
「遮音の魔法を使ったってのはどうだ。俺にも同じ事が出来る」
「なら分かりませんね」
「念のためこの付近を調べてみてくれ」
「ええ」
寮に帰ってしばらくして、レクティが報告に来た。
「血痕と複数人の足跡がありました。地面の痕跡から推察すると、激しい戦闘が行われたようです」
「リラの話は本当だったみたいだな。密偵が情報を漏らすってどう思う」
「欺瞞にしてはお粗末に感じます。リラは密偵ではない気がします。目立ちすぎますから。でも刺客というのも違うような」
「そうだよな。どういうつもりなのか、魂胆が分からない」
「おそらく護衛ではないでしょうか」
「護衛か。なるほど、それは考えてなかった」
となると護衛対象は俺だよな。
そうなると、狼仮面と別人物?
ああ、もう分からん。
護衛という推論が間違っているのかも。
とにかく謎だ。
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