異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第2章 実家ざまぁ編

第124話 卒業式と、ノッチと、嫌な予感

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 今日の学園は卒業式だ。
 知り合いで卒業する人はいないが、出る事にした。
 まさかと思うが、ノッチが現れるかもと思ったのだ。

 めんどくさいので、入口近くの席に陣取り、入って行く人間全てに腕スキャンを掛ける。
 腕ばかり見ていると飽きる。
 そして、集中力が無くなった時、腕に鳥の痣が。
 ノッチだ。
 俺は辺りを見回す。

 俺と同年代の人間は偽ニオブしかいない。
 偽ニオブに腕スキャンを掛ける。
 あった、鳥の形の痣だ。

 偽ニオブがノッチだったのか。
 考えてもみなかった。

 だが、なぜ?

 ノッチの背景を調べる必要があるな。
 バリアブル領からは魔道具工房の職人が多数逃げてきている。
 その中にノッチの事を知っている人間がいるかも知れない。

「レクティ、悪いが、ノッチの事を知っている人間を探してくれ。至急だ」
「分かりました。重要な事なのですね」

 レクティが出て行く。
 偽ニオブ、いやノッチの姿を探すといつの間にか消えていた。
 中座したのか。
 嫌な予感がする。

 来賓としてきているランシェの元に人が近寄って耳元で何か囁く。
 嫌な予感はますます強くなる。

 ランシェは辺りを見回すと、俺と目を合わせた。
 そして来賓席から離れて俺の所に来る。

「バリアブルが反乱を起こしたのである。お前も来い」

 嫌な予感は当たった。
 ノッチは今頃バリアブルに向かったな。

 決着は現地で付けないといけないようだ。
 マイラとダイナを連れて王宮に行く。

 作戦本部が出来上がっていた。
 王が一番上座に座る。

「影はどうしたのだ。反乱の予兆は聞いていたが、時期を特定できなかったのか。トンネル工事の情報を掴めないとは嘆かわしい」
「すみません」

 ランシェが謝る。

「まあよい。軍備は整っておるのだろうな」
「はい、滞りなく」

 将軍と思わしき人物がそう答えた。

「では進軍を開始せよ」

 作戦本部が慌ただしくなった。
 軍人が何人も出入りして状況を報告する。

 俺の出る幕は今のところないな。
 そう思っていたら、レクティがやって来た。
 早いな、もうノッチの情報が入ったのか。

「まとめるのに手間が掛かりました。これが今分かっている情報です」

 出された資料を見る。
 ノッチの母はメイドをやっていたようだ。
 それも王都のバリアブル邸でだ。

 タンタルに見初められて、ノッチを身ごもったとある。
 という事はノッチと俺は異母兄弟という事か。
 偽ニオブとノッチの顔は似ているらしい。
 そりゃ兄弟だもんな。

 偽ニオブを見たノッチの知り合いが、ノッチは王都にいると言ったわけだ。
 資料にはサイラの事もあった。
 サイラも貴族の血筋らしい。
 これは予想してた。
 魔力量が多いからな。
 幸いにしてタンタルの子供ではないようだ。
 タンタルの子供だったら、ちょっとややこしい事になってたかも知れない。
 良かったよ。

「レクティは予想してたんだな」
「ノッチ探しを依頼された時に調べ始めました。タンタルの子供だと分かったのは最近ですが」

 レクティは有能だな。
 ランシェに是非推薦したい。
 でもひも付きは不味いんだったか。

 どうやら、俺はバリアブルと無関係を決め込む事は出来ないようだ。
 ノッチとどんな形であろうとも決着をつけないといけない。
 タンタルともな。

 ランシェのそばに行く。

「俺は決着をつけないといけないらしい」
「そうであるか。何やら決意したのであるな。男の顔をしておる。気をつけるのである」

 ランシェは書きつけを書いて持って行くが良いと俺に渡した。
 紙にはこの者に王族としての権利を認めるとある。
 成人すると手に入る権利が使えるらしい。

「ところで、レクティはどうやって中に入った?」
「オルタネイト領の情報を持って来たと言ってですわ」
「ああ、オルタネイト領はバリアブル領の隣だからな。心配だな」
「ええ、ですが父は既に現地に入って指揮を執っています。心配は要らないと思います」
「あの人なら、負けないような気がする」

 よし、超特急でバリアブルに行くとしよう。
 反乱が早く治めないと。
 お前、何やってるんだと、ノッチはとにかく一発殴る。
 そしてサイラの元に連れて行こう。
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