79 / 409
第2章 実家ざまぁ編
第79話 ゴブリン農場と、毛長ゴブリンと、ぬいぐるみ
しおりを挟む
ゴブリン農場が生まれ変わったと言うので見に行った。
あれっ、飼育されているのがゴブリンじゃない。
雪男の小さい版みたいなのが歩いている。
「可愛いい。もふもふ」
マイラがそれに抱きつき、じゃれる。
「どうです。わしらのゴブリンは。見事な毛並みでしょう」
「えっ、その俺達の背より低い雪男はゴブリンなの」
「ゴブリンの肌がツルツルなのは、激しく動き回るからなんでさぁ」
「へぇ、知らなかった」
「わしらも知りやせんでしたが、敵が居ないと判ったら寝てばかりで、こんなになったんで」
「肥満の肉が毛の方に行くのか。謎生態だな」
「おまけに寒くなくなったのか、食べる餌の量も減っとります」
「で、俺を呼んだって事は相談事かな」
「この毛長ゴブリンを、ペットとして売り出そうか考えている最中ですが……」
急に黙る飼育員。
「問題がありそうだね」
「こいつら普段は大人しいが、たまに野生に戻るんでさ」
「ありがちだね。猿も一年に一回ぐらい飼っている人間に、反抗するらしい。群れの順位を確かめるための行為なんじゃないかな」
「良く考えたらわしらも似たようなもんだ。たまに上とやってみたくなるってもんで」
奴隷化の魔法は、魔導師の魔法だから、ちょっと不味い。
でも、そういう安全装置がないとな。
気を許して一緒に暮らしていたら、寝込みを襲われたなんて事になったら、洒落にならない。
中途半端に頭も良いのが難しい。
檻を自分で開けるぐらいしそうだ。
道具も使うからな。
猿より頭が良い。
奴隷化の魔法は作りたくないな。
魔導師に知られたらややこしいのもあるが、倫理的にあまりやりたくない。
奴隷の首輪なんてものも、ちょっとどうかと思う。
人間に悪用される危険性が大だ。
大人しくさせるのだったら、リラックスの魔道具なんてどうか。
いや、魔道具の魔力が切れていたのに気づかず、やられていたという事態も考えられる。
上手くいかないな。
いっそ、性格を変えてしまおうか。
魂を弄ればできない事もない。
この方法は恐ろしいな。
これじゃマッドサイエンティストだ。
「無理だね。毛を刈って何かに使った方が良いかもしれない」
「やっぱり、そうですか。そんな気はしてたんです」
「毛を刈っちゃうの」
「マイラ、もふもふはエレクで我慢するんだな」
「うん、我慢する」
ゴブリン牧場の人が総出でゴブリンの毛を刈り取る。
そして一人が毛で玉を作り、毛長ゴブリンのぬいぐるみを作った。
やっぱり、子供に与えるのならこういうのがいいよな。
これなら反抗して人間を殺しにもこない。
付属の魔道具を考える。
extern MAGIC *button_make(float mana);
extern int touch(MAGIC *mp);
extern void speak(char *ss);
extern int mclose(MAGIC *mp);
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法の定義*/
mp=button_make(0.00005); /*ボタン生成*/
while(1){
if(touch(mp)==1){ /*ボタンに触った*/
switch(rand()%5){
case 0:
speak("くきゅう"); /*音声を流す*/
break;
case 1:
speak("くぷ?"); /*音声を流す*/
break;
case 2:
speak("きゅうきゅう"); /*音声を流す*/
break;
case 3:
speak("くんくん); /*音声を流す*/
break;
case 4:
speak("ぷった"); /*音声を流す*/
break;
}
}
}
mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
}
この魔道具をぬいぐるみにつける。
5つの鳴き声がするようにした。
子供に受けるに違いない。
「これでこいつらを、寿命以外に殺さなくてもいいんで、良かったです」
「殺す必要がないなら。殺す事もない。必要があれば、容赦はしない。魔石は必要だよ」
「いやマイラ、必要があってもよく考えないと」
「うん、考える」
少しでも平和な世界になってくれるといい。
でもなぁ、状況が許してくれなさそうだ。
偽ニオブは何かやらかしそうだし、魔導師も黙っていないだろう。
殺しはモンスターぐらいにしときたい物だ。
あれっ、飼育されているのがゴブリンじゃない。
雪男の小さい版みたいなのが歩いている。
「可愛いい。もふもふ」
マイラがそれに抱きつき、じゃれる。
「どうです。わしらのゴブリンは。見事な毛並みでしょう」
「えっ、その俺達の背より低い雪男はゴブリンなの」
「ゴブリンの肌がツルツルなのは、激しく動き回るからなんでさぁ」
「へぇ、知らなかった」
「わしらも知りやせんでしたが、敵が居ないと判ったら寝てばかりで、こんなになったんで」
「肥満の肉が毛の方に行くのか。謎生態だな」
「おまけに寒くなくなったのか、食べる餌の量も減っとります」
「で、俺を呼んだって事は相談事かな」
「この毛長ゴブリンを、ペットとして売り出そうか考えている最中ですが……」
急に黙る飼育員。
「問題がありそうだね」
「こいつら普段は大人しいが、たまに野生に戻るんでさ」
「ありがちだね。猿も一年に一回ぐらい飼っている人間に、反抗するらしい。群れの順位を確かめるための行為なんじゃないかな」
「良く考えたらわしらも似たようなもんだ。たまに上とやってみたくなるってもんで」
奴隷化の魔法は、魔導師の魔法だから、ちょっと不味い。
でも、そういう安全装置がないとな。
気を許して一緒に暮らしていたら、寝込みを襲われたなんて事になったら、洒落にならない。
中途半端に頭も良いのが難しい。
檻を自分で開けるぐらいしそうだ。
道具も使うからな。
猿より頭が良い。
奴隷化の魔法は作りたくないな。
魔導師に知られたらややこしいのもあるが、倫理的にあまりやりたくない。
奴隷の首輪なんてものも、ちょっとどうかと思う。
人間に悪用される危険性が大だ。
大人しくさせるのだったら、リラックスの魔道具なんてどうか。
いや、魔道具の魔力が切れていたのに気づかず、やられていたという事態も考えられる。
上手くいかないな。
いっそ、性格を変えてしまおうか。
魂を弄ればできない事もない。
この方法は恐ろしいな。
これじゃマッドサイエンティストだ。
「無理だね。毛を刈って何かに使った方が良いかもしれない」
「やっぱり、そうですか。そんな気はしてたんです」
「毛を刈っちゃうの」
「マイラ、もふもふはエレクで我慢するんだな」
「うん、我慢する」
ゴブリン牧場の人が総出でゴブリンの毛を刈り取る。
そして一人が毛で玉を作り、毛長ゴブリンのぬいぐるみを作った。
やっぱり、子供に与えるのならこういうのがいいよな。
これなら反抗して人間を殺しにもこない。
付属の魔道具を考える。
extern MAGIC *button_make(float mana);
extern int touch(MAGIC *mp);
extern void speak(char *ss);
extern int mclose(MAGIC *mp);
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法の定義*/
mp=button_make(0.00005); /*ボタン生成*/
while(1){
if(touch(mp)==1){ /*ボタンに触った*/
switch(rand()%5){
case 0:
speak("くきゅう"); /*音声を流す*/
break;
case 1:
speak("くぷ?"); /*音声を流す*/
break;
case 2:
speak("きゅうきゅう"); /*音声を流す*/
break;
case 3:
speak("くんくん); /*音声を流す*/
break;
case 4:
speak("ぷった"); /*音声を流す*/
break;
}
}
}
mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
}
この魔道具をぬいぐるみにつける。
5つの鳴き声がするようにした。
子供に受けるに違いない。
「これでこいつらを、寿命以外に殺さなくてもいいんで、良かったです」
「殺す必要がないなら。殺す事もない。必要があれば、容赦はしない。魔石は必要だよ」
「いやマイラ、必要があってもよく考えないと」
「うん、考える」
少しでも平和な世界になってくれるといい。
でもなぁ、状況が許してくれなさそうだ。
偽ニオブは何かやらかしそうだし、魔導師も黙っていないだろう。
殺しはモンスターぐらいにしときたい物だ。
0
お気に入りに追加
1,139
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる