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第2章 実家ざまぁ編
第77話 職業見学と、流民問題と、匂い魔法
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今日は職業見学の授業だ。
俺達おも研メンバーは、オルタネイト商会の配下の魔道具工房に、お邪魔した。
「いらっしゃいませ」
出迎えたのは元アルミナで今はレクティ。
「たしか、アルミナさんは亡くなったのだ」
エミッタがさっそく疑問を口にした。
「私はレクティです。オルタネイト伯爵とは親戚にあたります。アルミナさんとは、はとこの関係です」
「失礼したのだ。あまりにも似ているのだ」
「よく言われます」
「じゃあ、見学させてもらおう」
俺達は職人達に質問を開始。
俺はレクティに手招きされた。
何だろ。
「ちょっと、困っているのです」
「何なのか分からないが、俺がやる筋合いなんてないだろ」
「いいえ、責任はあります。バリアブルが落ち目なのは知ってますよね?」
「まあな」
「食えなくなった。領民が多数、隣のオルタネイト領に、逃げ出してます。この工房の職人も元はバリアブルの住民です」
「俺にも責任の一端はありそうだから、同情はするよ。でも新しい魔道具の普及を止める事なんて出来ない」
「構造に問題があるのです。クラッド商会とオルタネイト商会が莫大な富を独占しています。なんとか新しい魔道具作成の技術をオルタネイトの職人に伝えられませんか」
魔道具を作る魔道具を貸し出す事は出来る。
出来るがこれをやったら、職人の技術が衰退しないか。
魔道具を作る魔道具は俺にしか作れない。
俺がその魔道具の供給が出来なくなったら、破滅一直線だ。
これは上手くない。
「何か手を考えてみるよ。ところで、レクティは何で工房に勤めているんだ?」
「スパイが入り込んでいるのです。私は彼らをあぶり出す囮ですね。オルタネイト伯の親戚が来たとなると怪しい人が浮足立ちます。捜査役の人がやり易いのだそうです」
「タイト、アルミナさんと何をこそこそ話しているの」
「マイラ、怒るなよ。えっ、アルミナ? ああ、歩き方で分かるんだったな。アルミナとは仕事の話だ」
「そう、ならいいけど」
俺は見学に戻った。
職人が紙に書いた呪文を見ながら、魔道具を作る。
プログラム言語を言語として認識させるのにはどれぐらいの教育が必要かな。
英語の基礎知識が必須だとして、それからプログラムの知識だ。
それに威力が大きすぎて、めったな者には教えられない。
プログラムを職人に教えるのは駄目だな。
現実的でない。
俺が考案した魔道具はクズ魔石を使っているから、良い魔石が余っているはずだ。
これの有効利用とか考えられたらいいと思う。
プログラムではない職人に伝えられる技術。
そんなのがあったらいいと思う。
「出来たわ。流星魔法の魔道具」
セレンがそう言って胸を張った。
メテオ魔法が出来たのか。
一体どうやったのだ。
「凄いよ、セレン。どうやったんだ?」
「最初は光る星をどうにかしようと思ったのだけど。うんともすんとも言わないのよ。まるで手ごたえ無し」
そりゃそうだ。
何光年離れているか分からないからな。
そこまで魔法が届いたら驚きだ。
「それで」
「でね。小石を空に浮かして落とそうと思ったの。浮かす魔道具と、私に追従させる魔道具と、目標に落とす魔道具の三位一体よ」
「なるほどね。人工衛星を作るのか。理にかなってる」
パンと音が鳴って紙の破片が散らばった。
「ひゃっ」
セレンが驚いて俺に抱き着いた。
「ちょっと、どさくさに紛れて何やってるの」
セレンが我に返って赤くなり俺から飛び退いた。
「さっきの爆発。マイラだろ」
「うん、エミッタと共同開発の爆竹魔道具」
「あんまり悪戯するなよ」
「しないよ」
アキシャルは何してるかと言えば、花を作ってレクティに渡していた。
いつもぶれない奴だ。
レクティは歯牙にもかけない感じだったが。
そうだ。
俺も何か作って学園にレポートを出さないと。
何を作ろう。
プログラムの呪文は不味いから、普通の呪文で作る。
魔法は召喚魔法の一種だから、花の良い匂いを召喚してみるか。
「【今の季節のよい花の匂い召喚】。うん、いい匂いだ」
「負けた。負けたよ。花に匂いをつける発想を、僕はなぜしなかったんだ」
アキシャルが俺の魔法を見てがっくりうなだれた。
「俺のアイデアを使ってもいいよ。でも季節で花は変わるから、花に詳しくないと、一年中は魔法が発動しないな」
「それなら、自信があるさ」
アキシャルが復活した。
さっきの呪文で作った花の匂いの魔道具を、マイラにプレゼントした。
「えへへ、大事にするね」
プログラムの呪文で一年の花の香りを指定するのは簡単だ。
でもアキシャルに任せたのだから彼にやらせよう。
花の匂いは悪臭みたいなのもあるからな。
専門家に任せた方がいい。
俺達おも研メンバーは、オルタネイト商会の配下の魔道具工房に、お邪魔した。
「いらっしゃいませ」
出迎えたのは元アルミナで今はレクティ。
「たしか、アルミナさんは亡くなったのだ」
エミッタがさっそく疑問を口にした。
「私はレクティです。オルタネイト伯爵とは親戚にあたります。アルミナさんとは、はとこの関係です」
「失礼したのだ。あまりにも似ているのだ」
「よく言われます」
「じゃあ、見学させてもらおう」
俺達は職人達に質問を開始。
俺はレクティに手招きされた。
何だろ。
「ちょっと、困っているのです」
「何なのか分からないが、俺がやる筋合いなんてないだろ」
「いいえ、責任はあります。バリアブルが落ち目なのは知ってますよね?」
「まあな」
「食えなくなった。領民が多数、隣のオルタネイト領に、逃げ出してます。この工房の職人も元はバリアブルの住民です」
「俺にも責任の一端はありそうだから、同情はするよ。でも新しい魔道具の普及を止める事なんて出来ない」
「構造に問題があるのです。クラッド商会とオルタネイト商会が莫大な富を独占しています。なんとか新しい魔道具作成の技術をオルタネイトの職人に伝えられませんか」
魔道具を作る魔道具を貸し出す事は出来る。
出来るがこれをやったら、職人の技術が衰退しないか。
魔道具を作る魔道具は俺にしか作れない。
俺がその魔道具の供給が出来なくなったら、破滅一直線だ。
これは上手くない。
「何か手を考えてみるよ。ところで、レクティは何で工房に勤めているんだ?」
「スパイが入り込んでいるのです。私は彼らをあぶり出す囮ですね。オルタネイト伯の親戚が来たとなると怪しい人が浮足立ちます。捜査役の人がやり易いのだそうです」
「タイト、アルミナさんと何をこそこそ話しているの」
「マイラ、怒るなよ。えっ、アルミナ? ああ、歩き方で分かるんだったな。アルミナとは仕事の話だ」
「そう、ならいいけど」
俺は見学に戻った。
職人が紙に書いた呪文を見ながら、魔道具を作る。
プログラム言語を言語として認識させるのにはどれぐらいの教育が必要かな。
英語の基礎知識が必須だとして、それからプログラムの知識だ。
それに威力が大きすぎて、めったな者には教えられない。
プログラムを職人に教えるのは駄目だな。
現実的でない。
俺が考案した魔道具はクズ魔石を使っているから、良い魔石が余っているはずだ。
これの有効利用とか考えられたらいいと思う。
プログラムではない職人に伝えられる技術。
そんなのがあったらいいと思う。
「出来たわ。流星魔法の魔道具」
セレンがそう言って胸を張った。
メテオ魔法が出来たのか。
一体どうやったのだ。
「凄いよ、セレン。どうやったんだ?」
「最初は光る星をどうにかしようと思ったのだけど。うんともすんとも言わないのよ。まるで手ごたえ無し」
そりゃそうだ。
何光年離れているか分からないからな。
そこまで魔法が届いたら驚きだ。
「それで」
「でね。小石を空に浮かして落とそうと思ったの。浮かす魔道具と、私に追従させる魔道具と、目標に落とす魔道具の三位一体よ」
「なるほどね。人工衛星を作るのか。理にかなってる」
パンと音が鳴って紙の破片が散らばった。
「ひゃっ」
セレンが驚いて俺に抱き着いた。
「ちょっと、どさくさに紛れて何やってるの」
セレンが我に返って赤くなり俺から飛び退いた。
「さっきの爆発。マイラだろ」
「うん、エミッタと共同開発の爆竹魔道具」
「あんまり悪戯するなよ」
「しないよ」
アキシャルは何してるかと言えば、花を作ってレクティに渡していた。
いつもぶれない奴だ。
レクティは歯牙にもかけない感じだったが。
そうだ。
俺も何か作って学園にレポートを出さないと。
何を作ろう。
プログラムの呪文は不味いから、普通の呪文で作る。
魔法は召喚魔法の一種だから、花の良い匂いを召喚してみるか。
「【今の季節のよい花の匂い召喚】。うん、いい匂いだ」
「負けた。負けたよ。花に匂いをつける発想を、僕はなぜしなかったんだ」
アキシャルが俺の魔法を見てがっくりうなだれた。
「俺のアイデアを使ってもいいよ。でも季節で花は変わるから、花に詳しくないと、一年中は魔法が発動しないな」
「それなら、自信があるさ」
アキシャルが復活した。
さっきの呪文で作った花の匂いの魔道具を、マイラにプレゼントした。
「えへへ、大事にするね」
プログラムの呪文で一年の花の香りを指定するのは簡単だ。
でもアキシャルに任せたのだから彼にやらせよう。
花の匂いは悪臭みたいなのもあるからな。
専門家に任せた方がいい。
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