異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第2章 実家ざまぁ編

第73話 お墓と、変装と、復讐

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Side:???

 憎い、こんな事になった原因の貴族が憎い。
 僕は母さんのお墓の前で怒りに震えた。

「復讐したくはないですか」
「誰です!? したいよ、できるならばね」
「手を貸してあげますよ」

「僕は何をしたらいいんです?」
「まず魔法で顔を変えてもらいます。それから公爵家に行ってニオブのふりをしてもらいましょう」
「ニオブというのはどんな人物なのですか?」
「公爵家の嫡子です。貴族です」

「僕に憎い貴族のふりをしろって言うのか」
「ええ。復讐にはそれが早道だと分かるでしょう」

 母さん、復讐の為に憎いあいつらの身分になる事を許してほしい。

「分かったよ。やるよ」

 姿の見えなかった相手が姿を現した。
 ローブを着ていてお面を被っている。
 相手は本を開いて、何かの準備をした。
 分かった、これから魔法を使うんだね。
 まさか僕を殺すつもりじゃ。
 でも信じてみよう。

「では行きますよ【顔面変形】」
「くあああっ」

 僕を激しい痛みが襲った。

「どうですか。新しい顔になった気分は」

 僕は鏡を差し出され自分の顔をまじまじと見た。

「ふぅふぅ、あまり元の顔と変わらない」
「そうでしょう。そういう人を選びました。肉を変えるのはいいんですが、骨まで変えるのは大ごとです」
「そういう魔法の事は分からないけど、あれより痛いのは勘弁してほしい」

「これを見に着けて下さい」

 差し出されたのは7センチぐらいの魔石。
 職業柄これは知っている。
 Aランク魔石だ。
 こんな高価な物を。
 僕はそれを懐に入れた。

「【鑑定】。うむ、魔力が3万を超えました。成功です。この魔道具に毎日、魔力を注がないといけません。あなたの魔力では少ないでしょうから、手の者を派遣します」
「好きにやってくれていい」
「さあ、行きましょう」

 僕は打ち合わせをした後に、公爵家の城に連れていかれた。

「ニオブです。名前以外の記憶はありません」

 打ち合わせ通りの台詞を吐いた。

「この声と顔つきニオブ坊ちゃんに違いありません」

 僕はニオブに声が似ているらしい。
 不思議だ。

「トロイダル男爵を呼び出してくれる」
「その者が何か?」
「特別に世話になったから、お礼を言いたい」
「はい、ただいま」

 しばらくして、男爵が入って来た。
 こいつだ。
 こいつが母さんを殺した。
 憎い、憎い。

「【太陽火球】」

 僕は魔法を行使した。
 この魔法は魔道具でブーストしていないと使えない。
 良い物を貸してもらった。

「な、何を。ぎゃああああ」

 トロイダル男爵は燃え尽きて灰になった。

「坊ちゃん、どうされたのですか? 世話になったと仰っていたのに」
「世話になったというのは、酷い扱いを受けたという事だ」
「そうでしたか。トロイダル男爵の家族には、男爵は無礼討ちになったと言っておきましょう。たぶん病死と届けが出されるはずです」

 みんなが後始末に奔走する中、僕は自室にこもり一息ついた。
 ふぅ、復讐があっけなく終わった。

「僕はこれからどうやって、生きていけばいいんだ。誰か教えてくれ」
「貴族を殺しまくればいいではないですか。そして王族を手に掛けるのです」

 あの仮面の男の声がした。
 そうだね、貴族は山ほどいる。
 それを任命した王族もね。
 殺してあげないと、母さんが浮かばれない。

「何から手をつけたらいい?」
「力を蓄えるのです。そして、反乱を起こすのです」
「思っていた事があるんだ」
「何です?」
「それは……」

 僕は計画というか思っていたアイデアを話した。

「素晴らしい。指示しなくてもここまで考えられるとは」
「じゃあ、実行に移すよ」

 新しい目標も出来た。
 でもなんか虚しい。
 トロイダル男爵をあっけなく殺したからかな。
 拷問とかもっとひどい目に遭わせればよかったのかもね。
 まあいいや。
 そのうち貴族は沢山殺す。
 数を殺せば気も晴れるよね。
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