異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第1章 ニオブざまぁ編

第41話 嘘判別魔法と、奨学金と、反乱騒ぎ

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 今日やる事が一段落したので、スペルブックの最後に書いた『やることリスト』を眺めてみた。
 あと達成されていないのは。

 行方不明の生徒捜索。
 嘘判別魔法。
 収納魔法。
 欠損も治る治癒魔法。
 ファラド一族とのケリをつける。

 こんな所だな。
 嘘判別魔法でも作ってみるか。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

extern char liar_check(char *s,char *question);

char main(int argc,char *argv[])
{
 FILE *fp; /*嘘を判別するデータの定義*/
 char s[256]; /*読み取るデータの格納場所*/
 fp=fopen("神秘魔法名.soul","r"); /*魂を開く*/
 while(fgets(s,256,fp)!=NULL){ /*一行読み取りを終わるまで繰り返す*/
  if(liar_check(s,argv[1])=='N') return('N'); /*嘘か判別 嘘ならFALSEを返す。『argv[1]』に尋ねたい質問*/
 }
 fclose(fp); /*読み取るデータを閉じる*/
 return('Y'); /*嘘はなかった*/
}

 こんなのでどうだ。

「【嘘判別魔法】。昨日、黙っておやつ食べた?」

 試しに魔法をマイラに使ってみる。

「知らない」

 Nの文字が脳内に返ってきた。

「嘘だな。正常に働いている。成功だ」
「何も魔法を使わなくても」
「嫌だったら拒否したらいいよ」
「もう、タイトの事を断れないの知ってる癖に」
「ごめん。マイラには嘘判別魔法は使わないよ」
「そうして」
「大変だ」

 カソードが寮の部屋にノックもせず飛び込んで来た。

「何っ、お兄さんに何かあったのか?」
「違うんだ。ニオブ陣営が奨学金をやり始めた。苦学生の票は軒並み向こうに取られたみたい」

 奨学金かぁ。
 ニオブらしくない発想だな。
 だが、札束で横っ面を叩くのはらしいと言えばらしいな。
 ニオブだったら、少ない小遣いぐらいの金額で、買収すると思ったんだけどな。

 奨学金は一人あたりの金額が大きい。
 ニオブの野郎、思い切ったな。

 簡単に対抗できるけどもな。

「今、手紙を書くから、クラッド商会という所に持っていけ。奨学金を出してくれるはずだ」
「えっ、一人や二人の奨学金じゃないんだよ」
「分かってる。何百人だと言うんだろ。ぜんぜん余裕だ」

 今まで貯めた金がそれぐらいある。
 金貨10枚ぐらいの魔道具を数万個、作ったからな。
 奨学金はこれでいいだろ。

 数日後、アノード陣営の奨学金も始まり、形勢が再び五分になった。
 このまま終盤まで行くのかなぁ。
 ドアが控えめにノックされた。

「どうぞ」
「あの、その」

 ためらいながら入って来たのはアルミナだった。

「何か用かな?」
「ええと」

 物凄くアルミナの歯切れが悪い。

「なんとなく分かるよ。ニオブが馬鹿な事をしでかしたんだろう」
「そうなんです。武力行使するんだって言って」
「仕方ない奴だな」
「お願いします。止められるのは、あなたしかいません。そのう、なるべく手荒にしてほしくないんです」
「相手は生徒だから、手加減するよ」
「すいません無理を言って」
「アルミナはアノードさんに報せて」
「はい」

 俺とマイラはアルミナから聞いた場所に姿を隠して潜入した。
 武器を持った生徒がうじゃうじゃ居るな。
 まあ、眠ってもらうのだけどな。
 電撃をばら撒く。
 気絶しないしぶとい奴は、マイラが叩きのめして縛り上げた。

「ニオブが居ない。野郎はどこに行った?」

 俺は気の弱そうな奴を選んで尋問を開始した。

「知らない」
「本当かな」

 俺はスペルブックを開き、無詠唱で嘘判別魔法を使った。

「はっ、この圧は、魔法を使ったな。し、知らないんだ」
「嘘だな。魔法にはっきり出てる」
「嘘判別魔法は魔導師しか使えないはずなのに」
「似たような魔法は作れる。脈拍とか汗とか目線とかでだ」

 神秘魔法名の秘密を漏らさない為に嘘をついた。
 魔導師達に俺が神秘魔法名を知っていると報せたくないからな。

「ニオブ様は、サージ師の所に行った」

 どさくさに紛れてニオブを殺そうかとも思ったが、運の良い奴だ。
 そして、アノードが警備員を連れて到着した。

「ご苦労様」
「アノードさん、主犯のニオブがいない。サージの所だ」
「分かった人をやるとしよう」

「これで選挙はアノードさんの勝ちだね」
「奨学金を設立したところなど、強引だが良い手だった。そこは評価できたので残念だ。もっとも奨学金のアイデアはアルミナさんで、金を出したのもアルミナさんだったが」

 なるほどな。
 アルミナが入れ知恵したのか。
 たしかに彼女らしいかも知れない。

「ところでニオブ達はどうなる?」
「たぶん停学だな。今回は未遂なので、そんなところだろう」

 そして、投票が始まった。
 俺はもちろんアノードに票を入れた。
 選挙結果は見なくても良いな。
 もう決まっている。
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