ポリゴンスキルは超絶チートでした~発現したスキルをクズと言われて、路地裏に捨てられた俺は、ポリゴンスキルでざまぁする事にした~

喰寝丸太

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第3章 Sランク挑戦編

第55話 極速との対戦

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「ふっ、こんな美しくない仕事は嫌なんだけど仕方ない」
極速きょくそくさん、嫌なら辞めませんか」
「逃げるのも美しくない」
「そう、やっぱりね。そう言うと思ったよ。いきなりスキル発動されると負けるんで先手を取らせてもらう。【具現化】まきびし」

「こんなのでスキルを封じたと思ってもらっては困るね。【俊足】すり足歩行」

 すり足で極速きょくそくが俺に迫る。
 いつもの見えない速さじゃない。
 これならいける

「【具現化】ブービートラップ」

 手榴弾とワイヤーが具現化される。
 これにはAIが入れてあって、ワイヤーに人が触れると作動する。

「罠で来たね。おっと、触りそうになった」

 極速きょくそくの足が止まったので、俺はライフルを発射。
 そして、極速きょくそくが消えた。

「残像だよ。痛っ、踏んじゃったよ」

 まきびしを一つ踏んだらしい。
 だが、まだ油断は出来ない。

 ここで止めを打つ。

「【具現化】雷雲」

 霧のパーティクルに雷の魔法が付与してあるそれで迷路の結界を作った。
 触れば痺れるはずだ。

「ぎゃあ。僕とした事が美しくない声を奏でてしまった」
「降参してくれないかな。こうなったら手段は選ばない。【具現化】虫の集合体」
「うぎゃあ。そのおぞましい物を早くどけて」
「俺の勝ちって事で良いよね」
「僕の負けを認める」

 俺は虫の集合体を消した。
 良かった。
 俺にも精神的ダメージだったから。
 隣を見るとマリーは気絶していた。

 さすが女性用のトラップ、効き目は抜群だ。
 作ってる最中もあまりに気持ち悪いんで何度も目を背けた。
 極速きょくそくさんに効くとは思っていなかったけど、美しい物が好きだから効果があるかもと出してみた。

「シェードに頼まれた悪事を喋ってもらうよ」
「僕がやったのは投書したのと査察官を背負って連れてきた事ぐらいさ。非常に嫌な仕事だったよ。美しさの欠片もない」

 あの査察の一件か。
 ライオンの一匹が突然ジャンプして光になって消えた。
 後にボウガンの矢が残されている。
 誰だ。

 思い出した。
 後一人いることを。
 シェードではない。
 Fランクの駆け出し冒険者だ。

「Fランク冒険者だろう。出て来い。殺し屋なんだろう」
「ばれた。どこでばれたのかな。顔を見られた以上殺さないとね」

 姿は見えない。

「ライオンさん、やっちゃって」

 ライオン達が次々に森へと入っていく。

「僕が手を貸そうか。暗殺者は美しくない」
「俺がやられたらマリーを頼むよ」
「僕にふさわしい役どころだ」

 さて、どうやって殺そう。
 これかな。

「【具現化】スズメバチ。殺し屋を刺してやって」

 針のポリゴンには毒魔法のテクスチャーが貼ってある。
 刺されたら命を失いかねない。

 森で戦闘している音が聞こえる。
 程なくしてスズメバチが帰ってきた。
 ライオンは全頭やられたらしい。

 スズメバチの案内で殺し屋を探す。
 森の中にあのFランク冒険者が倒れていた。

 俺はライフルを倒れていた殺し屋に撃った。
 殺し屋はびくんと跳ねて、そして驚いた事に立ち上がった。
 着弾した腹からは血が流れている。

「酷いなぁ。倒れている人に攻撃するなんて」
「やっぱり毒は効かなかったんだな」

「痛かったよ。とってもね」

 ねを言ったと同時に短剣を抜いて首を刈りに来た。
 俺は落ち着いてライフルを発射した。
 着弾の衝撃で殺し屋はのけぞった。
 アニメーションを初期化し、何度もライフルの弾を撃ち込んだ。
 倒れても執拗に撃った。

「はぁはぁ、死んだか。これだから殺し屋は油断が出来ない」

 その時殺し屋が起き上がった。
 慌ててライフルを撃つ。
 弾丸は額を貫いた。

 しぶといな。
 だが、殺し屋だからという訳ではないと思う。
 クラン・デスタスのメンバーも死ぬまでやればこれ以上にしぶといだろう。
 勝負がついても致命傷はおろか、怪我一つしてない。
 彼らにしたらじゃれ合いみたいな物なんだろうな。

 ライオンを具現化して薬草を探し出し、依頼を達成した。
 シェードは最後まで出てこなかった。
 まだ最後の幕があるらしい。
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