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第2章 遠征編
第39話 打ち上げ
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「ただいま、ダンジョン討伐を終えて戻りました」
「えっ、終わったの」
驚いたような受付嬢の声。
「クラン・ヴァルドのSランク4人と無事終わりました」
「大変。探索隊を編制しなおさないと」
「坊主、いい加減な事を言うなよ。ダンジョンが出来たって話も怪しいもんだ。まして、ダンジョン討伐だあ。とても信じられないぜ」
「受付のお姉さん。はい、証拠のダンジョンコア」
「これを渡したという事はギルドに貸し出してくれるんですよね」
「うん」
「やった。ボーナス倍増。では早速。ギルド職員がハイポーションを生み出せるよう命令して下さい」
「ダンジョンコア、ハイポーションをギルド職員と作れ」
「魔力を吸わせて。ハイポーション作成」
ダンジョンコアからポーションが生み出された。
「うわ、本当だわ。ハイポーションができた」
「貸出の金額はいくらぐらい」
「そうね。相場だと年間で金貨1282枚くらいかしら」
「やったぞ、マリー。大金持ちだ」
「ポーション無限なら、もっと高いんじゃ」
「あのね、ダンジョンコアは龍脈の上にないと無限製造は無理ね。今は物を生み出すのに魔力が必要よ」
「マリー、値段には理由があるものなんだ」
「そうなんだ。お姉さん、ごめんなさい」
「いいのよ。疑問点は聞いてもらっても。依頼で分からない事があったらバンバン聞きなさい」
「うん」
「これで収納バッグが買える」
「やっとだね」
作成依頼で消費したお金を取り戻せたな。
二年目からはがっぽがっぽだ。
笑いが止まらない。
「ディザ君達パーティをAランクに推薦するわ」
「いいの。戦闘はほとんどSランクの4人がやったのに」
「ダンジョンコア貸出しの功績はそれぐらい大きいわ」
「じゃ遠慮なく」
「野郎ども後片付けは不服だが、ダンジョンの素材を根こそぎ持ち帰るぞ」
「おう」
「行くぜ」
「準備オッケーだ」
「こうしちゃおられん。俺達のパーティも召集をかけないと」
ギルドにいた冒険者が散って行き、ギルドが空になった。
培養施設なんかは在りそうだから、安全に儲けられるだろう。
目の色が変わる訳だ。
それから、俺達は酒場でクラン・ヴァルドのメンバーと宴会を始めた。
「今日は最初にやられた王打のおごりね」
「仕方ないな。剣聖、助けた貸しがあるよな。勘定を半分持て」
「そんなのでいいのか」
「おう、命を救ってもらい一杯おごる。これが冒険者よ。よし、ダンジョン討伐の祝いだ。この酒場に居る奴は俺達がただで飲ませてやる」
「ごちになります」
「さすがSランク」
「クラン・ヴァルドもなかなかやるな」
人気取りしてどうなるって物でもないが、仕事をやりやすくしているんだろうな。
ベテランらしい心遣いだ。
「おりゃぁよ。閃いたぜ」
「何です剣聖さん」
「剣をよ。ねじり込むように突くのよ。名付けて螺旋剣」
「手首に負担がかかりそうな技ですね」
「レベルが100を超えるとそのくらい訳ないぜ」
「おう、俺もパクろうかな。スパイラルインパクトなんてどうだ」
「王打の好きにして下さい」
剣聖と王打の二人は技談義を始めてしまった。
マリーはアンリミテッドとペット談義をしている。
ジュエルスターは一人で寡黙に飲んでいた。
噂話が聞こえてくる。
「受付嬢に斬りかかった男がいるそうじゃねぇか。そいつ指名手配されたんだがよ。密告されそうになって宿の従業員を切り殺したらしい」
なぬ、ゼットの奴は指名手配されたのに宿に泊まったのか。
まあ、あいつに野宿は無理だから、分からないでもない。
「それは賞金首になりそうだな」
「ああ、賞金が掛かって、手が空いてる冒険者が血眼になって探している」
そうか、賞金首になったか。
そう言えば雇っていた傭兵はどうなった。
「おじさん、その賞金首に護衛はいないの」
「傭兵なら犯罪に加担出来ないと去って行ったぜ。だが、奴は覚醒者だ。見つけても知らんぷりした方が良い。宿の従業員と同じ目にあったら、かなわないからな」
「うん、気をつける」
ゼットの奴をどうしようかな。
見つけたら、捕まえるぐらいでいいか。
のこのこと出てくるほど馬鹿じゃないと思うがな。
腐っても覚醒者か。
逃げ足ってスキルは逃げるだけなら、有効な手だな。
そう言えばステータスをチェックしてなかった。
「ステータス」
――――――――――――――
名前:ディザ LV28
魔力:61
筋力:51
防御:44
知力:60
器用:49
瞬発:53
スキル:ポリゴン LV6
――――――――――――――
能力値は上がっているが、スキルレベルは上がらずか。
レベル10が最高らしいから、なかなか上がらないのかもな。
「えっ、終わったの」
驚いたような受付嬢の声。
「クラン・ヴァルドのSランク4人と無事終わりました」
「大変。探索隊を編制しなおさないと」
「坊主、いい加減な事を言うなよ。ダンジョンが出来たって話も怪しいもんだ。まして、ダンジョン討伐だあ。とても信じられないぜ」
「受付のお姉さん。はい、証拠のダンジョンコア」
「これを渡したという事はギルドに貸し出してくれるんですよね」
「うん」
「やった。ボーナス倍増。では早速。ギルド職員がハイポーションを生み出せるよう命令して下さい」
「ダンジョンコア、ハイポーションをギルド職員と作れ」
「魔力を吸わせて。ハイポーション作成」
ダンジョンコアからポーションが生み出された。
「うわ、本当だわ。ハイポーションができた」
「貸出の金額はいくらぐらい」
「そうね。相場だと年間で金貨1282枚くらいかしら」
「やったぞ、マリー。大金持ちだ」
「ポーション無限なら、もっと高いんじゃ」
「あのね、ダンジョンコアは龍脈の上にないと無限製造は無理ね。今は物を生み出すのに魔力が必要よ」
「マリー、値段には理由があるものなんだ」
「そうなんだ。お姉さん、ごめんなさい」
「いいのよ。疑問点は聞いてもらっても。依頼で分からない事があったらバンバン聞きなさい」
「うん」
「これで収納バッグが買える」
「やっとだね」
作成依頼で消費したお金を取り戻せたな。
二年目からはがっぽがっぽだ。
笑いが止まらない。
「ディザ君達パーティをAランクに推薦するわ」
「いいの。戦闘はほとんどSランクの4人がやったのに」
「ダンジョンコア貸出しの功績はそれぐらい大きいわ」
「じゃ遠慮なく」
「野郎ども後片付けは不服だが、ダンジョンの素材を根こそぎ持ち帰るぞ」
「おう」
「行くぜ」
「準備オッケーだ」
「こうしちゃおられん。俺達のパーティも召集をかけないと」
ギルドにいた冒険者が散って行き、ギルドが空になった。
培養施設なんかは在りそうだから、安全に儲けられるだろう。
目の色が変わる訳だ。
それから、俺達は酒場でクラン・ヴァルドのメンバーと宴会を始めた。
「今日は最初にやられた王打のおごりね」
「仕方ないな。剣聖、助けた貸しがあるよな。勘定を半分持て」
「そんなのでいいのか」
「おう、命を救ってもらい一杯おごる。これが冒険者よ。よし、ダンジョン討伐の祝いだ。この酒場に居る奴は俺達がただで飲ませてやる」
「ごちになります」
「さすがSランク」
「クラン・ヴァルドもなかなかやるな」
人気取りしてどうなるって物でもないが、仕事をやりやすくしているんだろうな。
ベテランらしい心遣いだ。
「おりゃぁよ。閃いたぜ」
「何です剣聖さん」
「剣をよ。ねじり込むように突くのよ。名付けて螺旋剣」
「手首に負担がかかりそうな技ですね」
「レベルが100を超えるとそのくらい訳ないぜ」
「おう、俺もパクろうかな。スパイラルインパクトなんてどうだ」
「王打の好きにして下さい」
剣聖と王打の二人は技談義を始めてしまった。
マリーはアンリミテッドとペット談義をしている。
ジュエルスターは一人で寡黙に飲んでいた。
噂話が聞こえてくる。
「受付嬢に斬りかかった男がいるそうじゃねぇか。そいつ指名手配されたんだがよ。密告されそうになって宿の従業員を切り殺したらしい」
なぬ、ゼットの奴は指名手配されたのに宿に泊まったのか。
まあ、あいつに野宿は無理だから、分からないでもない。
「それは賞金首になりそうだな」
「ああ、賞金が掛かって、手が空いてる冒険者が血眼になって探している」
そうか、賞金首になったか。
そう言えば雇っていた傭兵はどうなった。
「おじさん、その賞金首に護衛はいないの」
「傭兵なら犯罪に加担出来ないと去って行ったぜ。だが、奴は覚醒者だ。見つけても知らんぷりした方が良い。宿の従業員と同じ目にあったら、かなわないからな」
「うん、気をつける」
ゼットの奴をどうしようかな。
見つけたら、捕まえるぐらいでいいか。
のこのこと出てくるほど馬鹿じゃないと思うがな。
腐っても覚醒者か。
逃げ足ってスキルは逃げるだけなら、有効な手だな。
そう言えばステータスをチェックしてなかった。
「ステータス」
――――――――――――――
名前:ディザ LV28
魔力:61
筋力:51
防御:44
知力:60
器用:49
瞬発:53
スキル:ポリゴン LV6
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能力値は上がっているが、スキルレベルは上がらずか。
レベル10が最高らしいから、なかなか上がらないのかもな。
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