24 / 80
第2章 遠征編
第24話 宿で襲われる
しおりを挟む
夜中に物音で起きる。
イオとカリストが黒ずくめの人間に噛みついているのが、月明かりに照らされて見えた。
当然の事だが、ポリゴンは夜、眠らない。
護衛にぴったりだ。
マリーはすぐそばでぐっすりと寝ていた。
これだけ騒いでも起きないとはマリーよ大物になれるぞ。
俺は抱きついているマリーを優しく剥がすとベッドから起き上がった。
まだいる。
永遠に燃えるカンテラを出して辺りを照らした。
外されたドアがあり、ドア枠の外に何人か人間がいた。
「【具現化】巨大ゴム輪【アニメーション】縮め【具現化】巨大ゴム輪【アニメーション】縮め」
腕と足を拘束した。
これでいいだろう。
「ぐわっ、何だこれは」
「覚醒者だなんて話は聞いてない。俺は逃げる」
一人、噛みつかれて重傷。
もう一人はゴムに拘束されていた。
残りは逃げたようだ。
尋問しようとしたところ、毒を飲んで死んだ。
身分を示す物など持ってないだろうな。
死体をどうしよう。
朝になれば宿の人間も起きてくる
「イオ、カリスト、死体を捨ててきて」
イオとカリストが死体の腕を咥えて死体を引きずっていく。
どこに捨ててくるのだろう。
興味は沸いたが、知らぬが花だな。
後は血の跡とドアを直さないと。
血の跡はポリゴンを床に貼って誤魔化した。
そこだけ床の色が違うが致し方ない。
どうしろってんだ。
ドアは俺の腕力じゃ直せない。
仕方ない。
ポリゴンでドアを作って仮ごしらえだ。
もう、寝よう。
子供の体なんで物凄く眠たい。
「お休み」
朝になり。
廊下に出ると引きずったような血の跡が続いている。
おう、捨てに行かせる時に考えなかった。
俺達の部屋から死体を運んだのがもろばれだ。
やばい。
「マリー、急いで。高飛びするぞ」
「何、飛ぶの。空の上って綺麗?」
ノックの音がして、ドアが開けられる。
「ちょっといいかな」
うわ、兵士が来ちまったよ。
「はい、なんです」
「死体が二つ路地裏に転がされていたんだが、何か知らないか」
「夜中に音がして起きたんだけど、怖くて布団被って寝てました」
「嬢ちゃんのほうはどうだい」
「寝てたよ」
「そうかい」
「たぶんペットの魔獣が泥棒を撃退したんだと思います」
「なるほどね。ドアと床はどうしたんだ」
「スキルで修理しました」
「実に子供らしい行動だな。これはシロかな。まあ正当防衛だから罪に問えないが」
「そうなんですか」
「強盗は殺しても罪じゃない。そうでないと犯罪は無くならない」
「こういう場合壊された宿の弁償は誰がするんですか」
「坊主がする事になるな。ただし、犯罪者には賞金が掛かっている事も多いから、お釣りが出る事もある」
「今回はどうなんです」
「大当たりだな。殺しで手配されている奴だ。たぶん小遣い稼ぎに子供だと思って狙ったのだろう」
「仲間が報復に来る可能性があるんじゃないですか」
「あるな」
これで終わりではないようだな。
「ちょっと、これは一体なんなのよ」
宿の女将が様子を見に来た。
「泥棒が入ったようだな」
「兵隊さん、犯人は捕まったの」
「そこのペットが殺したらしい」
兵士がイオとカリストに視線をやる。
「この床とドアは何!?」
「解除します」
床の血の跡があらわになって、ポリゴンで作ったドアは消えた。
「出て行ってよ。もちろん修理代も払ってもらいます」
「そこは賞金でなんとかなるさ。あまり子供に当たっては可哀そうだ」
「とにかく出て行って」
「マリー、別の所で宿を取ろう」
「うん」
賞金を貰い。
宿の修理代を払って、少し途方にくれた。
別の宿を取ったところで同じ事の繰り返しになるのが想像できたからだ。
「マリー、宿を取るとは言ったがまた奴らが襲って来ないとも限らない」
「お城がほしいな。それでね、侵入者を撃退しちゃうの」
「そうだ、作れば良いんだ。豆腐ハウスで良いのなら簡単に作れる。空き地を探して借りよう。だけど、子供に貸してくれるかな」
街の外なら問題ないか。
俺達は街の外で出た。
まずは土台を作る。
石の床を一面に貼り付けて。
その上にレンガのテクスチャーを貼った壁を作る。
そして壁を何重にも重ねる。
そして屋根を載せて、ドアと木の床を敷き詰めれば完成だ。
これなら、魔獣が襲ってきてもしばらく耐えられるはずだ。
家具は買わないとな。
ベッドとタンスぐらいなら作れるけど。
「ここが二人のお城なのね」
「不格好だが、そうだな」
忍者屋敷みたいに仕掛けも作りたい。
後でバージョンアップしよう。
イオとカリストが黒ずくめの人間に噛みついているのが、月明かりに照らされて見えた。
当然の事だが、ポリゴンは夜、眠らない。
護衛にぴったりだ。
マリーはすぐそばでぐっすりと寝ていた。
これだけ騒いでも起きないとはマリーよ大物になれるぞ。
俺は抱きついているマリーを優しく剥がすとベッドから起き上がった。
まだいる。
永遠に燃えるカンテラを出して辺りを照らした。
外されたドアがあり、ドア枠の外に何人か人間がいた。
「【具現化】巨大ゴム輪【アニメーション】縮め【具現化】巨大ゴム輪【アニメーション】縮め」
腕と足を拘束した。
これでいいだろう。
「ぐわっ、何だこれは」
「覚醒者だなんて話は聞いてない。俺は逃げる」
一人、噛みつかれて重傷。
もう一人はゴムに拘束されていた。
残りは逃げたようだ。
尋問しようとしたところ、毒を飲んで死んだ。
身分を示す物など持ってないだろうな。
死体をどうしよう。
朝になれば宿の人間も起きてくる
「イオ、カリスト、死体を捨ててきて」
イオとカリストが死体の腕を咥えて死体を引きずっていく。
どこに捨ててくるのだろう。
興味は沸いたが、知らぬが花だな。
後は血の跡とドアを直さないと。
血の跡はポリゴンを床に貼って誤魔化した。
そこだけ床の色が違うが致し方ない。
どうしろってんだ。
ドアは俺の腕力じゃ直せない。
仕方ない。
ポリゴンでドアを作って仮ごしらえだ。
もう、寝よう。
子供の体なんで物凄く眠たい。
「お休み」
朝になり。
廊下に出ると引きずったような血の跡が続いている。
おう、捨てに行かせる時に考えなかった。
俺達の部屋から死体を運んだのがもろばれだ。
やばい。
「マリー、急いで。高飛びするぞ」
「何、飛ぶの。空の上って綺麗?」
ノックの音がして、ドアが開けられる。
「ちょっといいかな」
うわ、兵士が来ちまったよ。
「はい、なんです」
「死体が二つ路地裏に転がされていたんだが、何か知らないか」
「夜中に音がして起きたんだけど、怖くて布団被って寝てました」
「嬢ちゃんのほうはどうだい」
「寝てたよ」
「そうかい」
「たぶんペットの魔獣が泥棒を撃退したんだと思います」
「なるほどね。ドアと床はどうしたんだ」
「スキルで修理しました」
「実に子供らしい行動だな。これはシロかな。まあ正当防衛だから罪に問えないが」
「そうなんですか」
「強盗は殺しても罪じゃない。そうでないと犯罪は無くならない」
「こういう場合壊された宿の弁償は誰がするんですか」
「坊主がする事になるな。ただし、犯罪者には賞金が掛かっている事も多いから、お釣りが出る事もある」
「今回はどうなんです」
「大当たりだな。殺しで手配されている奴だ。たぶん小遣い稼ぎに子供だと思って狙ったのだろう」
「仲間が報復に来る可能性があるんじゃないですか」
「あるな」
これで終わりではないようだな。
「ちょっと、これは一体なんなのよ」
宿の女将が様子を見に来た。
「泥棒が入ったようだな」
「兵隊さん、犯人は捕まったの」
「そこのペットが殺したらしい」
兵士がイオとカリストに視線をやる。
「この床とドアは何!?」
「解除します」
床の血の跡があらわになって、ポリゴンで作ったドアは消えた。
「出て行ってよ。もちろん修理代も払ってもらいます」
「そこは賞金でなんとかなるさ。あまり子供に当たっては可哀そうだ」
「とにかく出て行って」
「マリー、別の所で宿を取ろう」
「うん」
賞金を貰い。
宿の修理代を払って、少し途方にくれた。
別の宿を取ったところで同じ事の繰り返しになるのが想像できたからだ。
「マリー、宿を取るとは言ったがまた奴らが襲って来ないとも限らない」
「お城がほしいな。それでね、侵入者を撃退しちゃうの」
「そうだ、作れば良いんだ。豆腐ハウスで良いのなら簡単に作れる。空き地を探して借りよう。だけど、子供に貸してくれるかな」
街の外なら問題ないか。
俺達は街の外で出た。
まずは土台を作る。
石の床を一面に貼り付けて。
その上にレンガのテクスチャーを貼った壁を作る。
そして壁を何重にも重ねる。
そして屋根を載せて、ドアと木の床を敷き詰めれば完成だ。
これなら、魔獣が襲ってきてもしばらく耐えられるはずだ。
家具は買わないとな。
ベッドとタンスぐらいなら作れるけど。
「ここが二人のお城なのね」
「不格好だが、そうだな」
忍者屋敷みたいに仕掛けも作りたい。
後でバージョンアップしよう。
0
お気に入りに追加
452
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる