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第13章 闘技場から始まる争奪戦
第79話 開拓地の様子
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開拓地に到着。
世界樹のリッチ達と眠っているドラゴンヴァンパイア達が出迎えてくれた。
もう魔獣相手の戦力は申し分ないな。
帰って早々に俺はチンピラ神官を訪ねた。
「どうだ、開拓地は」
「ヴァンパイア達が血を飲んでいても住人は驚かなくなりました。おかげで血を確保するのが容易になって嬉しいです」
チンピラ神官もヴァンパイアなんだよな。
つい人間と錯覚しそうになるが、血と言った時の嬉しそうな顔がそうなのだと思い起こさせる。
「薪ゾンビは足りているか」
「ええ、毎日、闇の炎で暖まっています」
ヴァンパイアにとって闇の炎は娯楽だ。
人間だと温泉に入っているようなものだろう。
「人数がだいぶ増えたようだが」
「シュプザム教会の差別職や禁忌持ちへの弾圧は激しさを増しています。迫害から逃れた人が噂を聞いて辿り着いたみたいです」
「そうか、教会が開拓地に攻めてくるのも時間の問題だな」
俺は開拓地を見て回る事にした。
新しい家がいくつも立ち並び、住人はみんな幸せそうに見える。
「あっ、お兄ちゃん」
ミディが子供達と遊んでいるのが見えた。
「よっ、ミディは今日も元気だな」
「ここは見張られているよ。ゴーストが教えてくれたの」
「そうか、気にするな。そういう事があるのは織り込み済みだ」
「そうなの」
「今度から気が付いたら、ヴァンパイア達に教えてやれ」
「うん」
よし、開拓地の周りにトラップを仕掛けよう。
「ジュサ、トラップを仕掛けるから、協力してくれ」
「何すればいいの」
「地面に呪いをかけて、踏み込んだら体調を悪くさせるんだ」
「そんな事でいいの」
「それとクロスボウの矢に呪いを掛けてくれ」
「射手はどうするの」
「ネズミのゾンビにやらせるさ。人が近づいたら、逃げろと教える予定だ」
「胴体にひもを付けて引き金を引かせるのね」
「ご名答」
それだけだと頼りないな。
何か見えないトラップが欲しいな。
殺人バクテリアのトラップゾーンを作るとして、あとはそうだな。
空気のアンデッドにかき乱されたら雷の音を出せと命じるか。
そうすれば侵入が分かる。
亡命者は道をくるだろうから、道にはトラップを仕掛けないでおこう。
ヴァンパイアの門番をおけば警備は問題ない。
「ねえ、遊びに行かない」
「そうだな。トラップは後回しでもいいだろう」
「お花畑があるのよ」
「うっかりだ。住民が道以外の所を通るかも知れないな」
「ちょっと、仕事の事は忘れてよ」
「悪い、悪い。じゃ、行くか」
俺はジュサと連れだってお花畑に行った。
子供達が何人かいて花を摘んだり虫を獲ったりしていた。
「ちょっと、ムードがないわね。家族連れで来る方が良いみたい」
「そうだな。今度ミディを連れてこよう。むっ」
少し離れた所にある木の影に人が見える。
開拓地の誰か。
それともシュプザム教会のスパイか。
判別が難しい。
ミディがいれば良かったのに。
さて、目標は怪我を負わせずに無力化だな。
そういう技を持ってないのに気づいた。
ジュサの呪いでなんとかしてもらおうか。
「木の影の人物に呪いを掛けてくれ。呪いの内容は全身痒くなるだ」
「分かったわ。全身痒くなれ【カース】」
木の影の人物がのたうつのが分かった。
近くに寄ると狩人の恰好をしている男だった。
スパイか、開拓地の人か、それとも村の狩人か。
どうなんだよ、おい。
しょうがない。
縛って開拓地に連れていこう。
縛るともぞもぞと常に動いている。
痒くてたまらないのだろうな。
ジュサと二人で男を運ぶ。
堀に掛かった橋の所にいたヴァンパイアに知ってる奴か尋ねる。
どうやら知らん奴らしい。
「あー、見張ってた人だ」
騒ぎを聞きつけて寄って来た開拓地の群衆の中にミディがいた。
そうかこいつが。
ヴァンパイアがねぐらにしている家に運び込んで首をかききる。
「ヴァンパイアになれ【メイクアンデッド】」
男はヴァンパイアになって縄をちぎった。
「どんな命令を受けた」
「魔境の奥に村ができているから見張れと金貨10枚で雇われました」
「依頼主に報告はしたか」
「ええ、何度か」
やっぱりな。
この場所はシュプザム教会にばれている。
この様子だと戦力も知られているな。
ヴァンパイア領主に状況を知らせて、大軍が移動した場合は教えてもらおう。
今のところこれしか対処できない。
世界樹のリッチ達と眠っているドラゴンヴァンパイア達が出迎えてくれた。
もう魔獣相手の戦力は申し分ないな。
帰って早々に俺はチンピラ神官を訪ねた。
「どうだ、開拓地は」
「ヴァンパイア達が血を飲んでいても住人は驚かなくなりました。おかげで血を確保するのが容易になって嬉しいです」
チンピラ神官もヴァンパイアなんだよな。
つい人間と錯覚しそうになるが、血と言った時の嬉しそうな顔がそうなのだと思い起こさせる。
「薪ゾンビは足りているか」
「ええ、毎日、闇の炎で暖まっています」
ヴァンパイアにとって闇の炎は娯楽だ。
人間だと温泉に入っているようなものだろう。
「人数がだいぶ増えたようだが」
「シュプザム教会の差別職や禁忌持ちへの弾圧は激しさを増しています。迫害から逃れた人が噂を聞いて辿り着いたみたいです」
「そうか、教会が開拓地に攻めてくるのも時間の問題だな」
俺は開拓地を見て回る事にした。
新しい家がいくつも立ち並び、住人はみんな幸せそうに見える。
「あっ、お兄ちゃん」
ミディが子供達と遊んでいるのが見えた。
「よっ、ミディは今日も元気だな」
「ここは見張られているよ。ゴーストが教えてくれたの」
「そうか、気にするな。そういう事があるのは織り込み済みだ」
「そうなの」
「今度から気が付いたら、ヴァンパイア達に教えてやれ」
「うん」
よし、開拓地の周りにトラップを仕掛けよう。
「ジュサ、トラップを仕掛けるから、協力してくれ」
「何すればいいの」
「地面に呪いをかけて、踏み込んだら体調を悪くさせるんだ」
「そんな事でいいの」
「それとクロスボウの矢に呪いを掛けてくれ」
「射手はどうするの」
「ネズミのゾンビにやらせるさ。人が近づいたら、逃げろと教える予定だ」
「胴体にひもを付けて引き金を引かせるのね」
「ご名答」
それだけだと頼りないな。
何か見えないトラップが欲しいな。
殺人バクテリアのトラップゾーンを作るとして、あとはそうだな。
空気のアンデッドにかき乱されたら雷の音を出せと命じるか。
そうすれば侵入が分かる。
亡命者は道をくるだろうから、道にはトラップを仕掛けないでおこう。
ヴァンパイアの門番をおけば警備は問題ない。
「ねえ、遊びに行かない」
「そうだな。トラップは後回しでもいいだろう」
「お花畑があるのよ」
「うっかりだ。住民が道以外の所を通るかも知れないな」
「ちょっと、仕事の事は忘れてよ」
「悪い、悪い。じゃ、行くか」
俺はジュサと連れだってお花畑に行った。
子供達が何人かいて花を摘んだり虫を獲ったりしていた。
「ちょっと、ムードがないわね。家族連れで来る方が良いみたい」
「そうだな。今度ミディを連れてこよう。むっ」
少し離れた所にある木の影に人が見える。
開拓地の誰か。
それともシュプザム教会のスパイか。
判別が難しい。
ミディがいれば良かったのに。
さて、目標は怪我を負わせずに無力化だな。
そういう技を持ってないのに気づいた。
ジュサの呪いでなんとかしてもらおうか。
「木の影の人物に呪いを掛けてくれ。呪いの内容は全身痒くなるだ」
「分かったわ。全身痒くなれ【カース】」
木の影の人物がのたうつのが分かった。
近くに寄ると狩人の恰好をしている男だった。
スパイか、開拓地の人か、それとも村の狩人か。
どうなんだよ、おい。
しょうがない。
縛って開拓地に連れていこう。
縛るともぞもぞと常に動いている。
痒くてたまらないのだろうな。
ジュサと二人で男を運ぶ。
堀に掛かった橋の所にいたヴァンパイアに知ってる奴か尋ねる。
どうやら知らん奴らしい。
「あー、見張ってた人だ」
騒ぎを聞きつけて寄って来た開拓地の群衆の中にミディがいた。
そうかこいつが。
ヴァンパイアがねぐらにしている家に運び込んで首をかききる。
「ヴァンパイアになれ【メイクアンデッド】」
男はヴァンパイアになって縄をちぎった。
「どんな命令を受けた」
「魔境の奥に村ができているから見張れと金貨10枚で雇われました」
「依頼主に報告はしたか」
「ええ、何度か」
やっぱりな。
この場所はシュプザム教会にばれている。
この様子だと戦力も知られているな。
ヴァンパイア領主に状況を知らせて、大軍が移動した場合は教えてもらおう。
今のところこれしか対処できない。
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