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第2章 世界樹から始まる英雄への道
第13話 英雄級にレベルアップ
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辺りにオーガの咆哮が鳴り響く。
オークが3メートルぐらいだが、4メートルの巨体が何倍にも感じる。
こりゃ少し手に余るかもな。
見るとジュサの顔も青い。
世界樹に辿り着けばレベル50という所で俺達はオーガと遭遇した。
飛車と香車を持った角行が対峙する。
オーガのパンチの一撃で飛車ひしゃげて、ふっとばされる。
おいおい、一撃かよ。
角行が切りかかるも、手で払われクルクルと回った。
不味い、てんで勝負になってない。
「ジュサ、オーガに格を下げる呪いを掛けてくれ」
「ええ、かの者の格を下げたまえ【カース】」
でも少しも弱くなった気がしないんだな。
角行に掛けている停まれなくなる呪いの方が良かったか。
オーガに対して肉弾戦はきつい。
どうしたらいいかな。
「ジュサ悪い。呪いを停まれなくなる呪いに切り替えてくれ」
「ええ、かの者は停まれない【カース】」
オーガがころりと転がった。
しかし、すぐに立ち上がる。
呪いが効かないのかそんな馬鹿な。
いや少し踏ん張りが利かない感じだ。
効いてはいるが効果が薄いって事なのだな。
角行が背中を痛打された。
猛スピードで車にはねられたみたいな残骸になる。
どうするよ。
オーガは俺達を見て涎を垂らした。
あがかなくてどうする。
俺は歩兵のスピードを生かして香車を拾った。
残ったもう一本は宙を飛ばしフェイントに使う。
そして、オーガの脛に香車を叩き込んだ。
一撃で折れ曲がる香車。
くそっ万事休すか。
オーガの連打を俺はひらひらとかわし続ける。
駄目だ。
これではジリ貧だ。
考えろ起死回生の一手を考えるんだ。
弱者が必ずとも弱いとは限らない。
蟻が象を倒すという諺もある。
考えていたのが悪かったのだろう。
オーガのパンチがかすってしまった。
俺は錐揉み回転して倒れた。
「サクタぁー。オーガ、許さない。呪ってやる。かの者は即死する【カース】」
口の中に土の味がする。
オーガをみると一瞬硬直した後、何事なくジュサに歩み寄った。
辞めろー。
そうだ土だ。
土っていうのは菌の塊だ。
菌には厄介な物も含まれる。
体を蝕み殺すような。
「細菌の屍骸よ、凶悪なグールとなれ【メイクアンデッド】」
地面から黒い霧が立ち登る。
そしてオーガを包んだ。
「ぐおぉぉぉん」
オーガが苦しみ始める。
オーガの肉は膿み爛れ腐り落ちていった。
ドスンと倒れて、最後は骨だけになる。
それもしばらくしてサラサラと崩れていった。
俺は骨折が無いか調べながら立ち上がった。
打ち身はあるみたいだが、他は大丈夫な感じだ。
「あれ何!? ひょっとして私、覚醒しちゃった」
「あれは俺だよ。俺の力だ」
「そんな、恐ろしい力があるの」
ああ、この世界の人間は細菌を理解してないのか。
よく考えたら野菜の漬物だって死体術士が試さない訳がない。
鎧に見失わせる呪いをかけたのと一緒か。
認識しないと駄目って事なのだろう。
よく考えたら俺ってもう無敵。
いや、治癒魔法や光魔法には防がれる気がする。
この細菌アンデッドに名前を付けるか。
死を運ぶ空気。
運ぶ空気なら風。
風なら扇子だな。
「秘密の力だ」
「そう、あんな事が起きるなんて。私達ってやっぱり禁忌なのかな」
「包丁だって人は殺せる。ようは使い方さ」
「そうね」
俺はアンデッド達を回復して、もうトラブルはごめんだと先を急いだ。
世界樹には相変わらず人が沢山いる。
「お疲れ様です」
「またあなたですか。本当に渡した実はエリクサーになっているんでしょうね」
「疑うなら問い合わせてみたらどうです」
「良いでしょう。あなたの顔は完全に覚えましたから。後で問い合わせて届いていないとなったら、覚悟して下さい」
「お好きなように」
世界樹の実、十個を処理して瓶にいれた。
そして。
「世界樹の実よ、酒を纏い、砂糖の武器を取って美味い酒になれ。【メイクアンデッド】」
脳内に一際大きく響くファンファーレ。
「ジュサ、やったよ。遂にレベル50だ」
「おめでとう。覚えたのはどんな能力なの」
「ヴァンパイアを作れる」
「悪夢の代名詞でしょ。たしか都市を丸ごとアンデッドに変えたとかいう。あのヴァンパイア」
「違うよ。あれはトゥルーヴァンパイアだよ」
「どう違うの」
「ただのヴァンパイアは少し強くて血を吸うだけ。血を吸って仲間を増やせない。霧にもなれないし」
「そうなの。でも強いんでしょう」
「そうだな。リビングアーマーより確実に強い」
さて、何を素材にヴァンパイアを作ろうか。
オークが3メートルぐらいだが、4メートルの巨体が何倍にも感じる。
こりゃ少し手に余るかもな。
見るとジュサの顔も青い。
世界樹に辿り着けばレベル50という所で俺達はオーガと遭遇した。
飛車と香車を持った角行が対峙する。
オーガのパンチの一撃で飛車ひしゃげて、ふっとばされる。
おいおい、一撃かよ。
角行が切りかかるも、手で払われクルクルと回った。
不味い、てんで勝負になってない。
「ジュサ、オーガに格を下げる呪いを掛けてくれ」
「ええ、かの者の格を下げたまえ【カース】」
でも少しも弱くなった気がしないんだな。
角行に掛けている停まれなくなる呪いの方が良かったか。
オーガに対して肉弾戦はきつい。
どうしたらいいかな。
「ジュサ悪い。呪いを停まれなくなる呪いに切り替えてくれ」
「ええ、かの者は停まれない【カース】」
オーガがころりと転がった。
しかし、すぐに立ち上がる。
呪いが効かないのかそんな馬鹿な。
いや少し踏ん張りが利かない感じだ。
効いてはいるが効果が薄いって事なのだな。
角行が背中を痛打された。
猛スピードで車にはねられたみたいな残骸になる。
どうするよ。
オーガは俺達を見て涎を垂らした。
あがかなくてどうする。
俺は歩兵のスピードを生かして香車を拾った。
残ったもう一本は宙を飛ばしフェイントに使う。
そして、オーガの脛に香車を叩き込んだ。
一撃で折れ曲がる香車。
くそっ万事休すか。
オーガの連打を俺はひらひらとかわし続ける。
駄目だ。
これではジリ貧だ。
考えろ起死回生の一手を考えるんだ。
弱者が必ずとも弱いとは限らない。
蟻が象を倒すという諺もある。
考えていたのが悪かったのだろう。
オーガのパンチがかすってしまった。
俺は錐揉み回転して倒れた。
「サクタぁー。オーガ、許さない。呪ってやる。かの者は即死する【カース】」
口の中に土の味がする。
オーガをみると一瞬硬直した後、何事なくジュサに歩み寄った。
辞めろー。
そうだ土だ。
土っていうのは菌の塊だ。
菌には厄介な物も含まれる。
体を蝕み殺すような。
「細菌の屍骸よ、凶悪なグールとなれ【メイクアンデッド】」
地面から黒い霧が立ち登る。
そしてオーガを包んだ。
「ぐおぉぉぉん」
オーガが苦しみ始める。
オーガの肉は膿み爛れ腐り落ちていった。
ドスンと倒れて、最後は骨だけになる。
それもしばらくしてサラサラと崩れていった。
俺は骨折が無いか調べながら立ち上がった。
打ち身はあるみたいだが、他は大丈夫な感じだ。
「あれ何!? ひょっとして私、覚醒しちゃった」
「あれは俺だよ。俺の力だ」
「そんな、恐ろしい力があるの」
ああ、この世界の人間は細菌を理解してないのか。
よく考えたら野菜の漬物だって死体術士が試さない訳がない。
鎧に見失わせる呪いをかけたのと一緒か。
認識しないと駄目って事なのだろう。
よく考えたら俺ってもう無敵。
いや、治癒魔法や光魔法には防がれる気がする。
この細菌アンデッドに名前を付けるか。
死を運ぶ空気。
運ぶ空気なら風。
風なら扇子だな。
「秘密の力だ」
「そう、あんな事が起きるなんて。私達ってやっぱり禁忌なのかな」
「包丁だって人は殺せる。ようは使い方さ」
「そうね」
俺はアンデッド達を回復して、もうトラブルはごめんだと先を急いだ。
世界樹には相変わらず人が沢山いる。
「お疲れ様です」
「またあなたですか。本当に渡した実はエリクサーになっているんでしょうね」
「疑うなら問い合わせてみたらどうです」
「良いでしょう。あなたの顔は完全に覚えましたから。後で問い合わせて届いていないとなったら、覚悟して下さい」
「お好きなように」
世界樹の実、十個を処理して瓶にいれた。
そして。
「世界樹の実よ、酒を纏い、砂糖の武器を取って美味い酒になれ。【メイクアンデッド】」
脳内に一際大きく響くファンファーレ。
「ジュサ、やったよ。遂にレベル50だ」
「おめでとう。覚えたのはどんな能力なの」
「ヴァンパイアを作れる」
「悪夢の代名詞でしょ。たしか都市を丸ごとアンデッドに変えたとかいう。あのヴァンパイア」
「違うよ。あれはトゥルーヴァンパイアだよ」
「どう違うの」
「ただのヴァンパイアは少し強くて血を吸うだけ。血を吸って仲間を増やせない。霧にもなれないし」
「そうなの。でも強いんでしょう」
「そうだな。リビングアーマーより確実に強い」
さて、何を素材にヴァンパイアを作ろうか。
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