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chapter18 竜馬の帰還

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ジェニと竜馬はミシガン湖の畔の広大な
高級住宅街「ロイヤルタウン」の最奥にある
灰色のヨーロッパ風の邸宅の前にハーレーを停めた



竜馬はゲートの電子キーに慣れた手つきで
パスコードを入れた


するとゲートが重々しくゆっくりと開き
広く舗装された道を通って
正面玄関にハーレーを停めた





「わぁ・・・・・・
うちと比べ物にならない・・・ 」





ジェニは目の前の美しい邸宅を
ほれぼれと眺めた





「日本に来る前にこの家を購入
したんだ・・・・今は
ウェンディの旦那が管理してくれてる」




竜馬は片手をジェニの背中に添え
正面玄関へといざなった




「じゃぁ・・・ここは
ジャスティンのお屋敷で・・・
今は竜馬さんのものなのね? 」




 
ジェニは尋ねつつ
ひんやりとした大理石の玄関広間に足を踏み入れた


広間にはジャスティンがいた頃のままで
家具も絵画もすべてそのままになっていた



二人はキッチンが隣接された
リビングに入っていった


ジェニは歓声を上げて幅6メートルほどもある
天井の透かし彫りを眺めようと
顔をずっと上に向けていた





「一人で来るには・・・・
ここはあまりにも思い出がありすぎてね・・・・
かといって誰かの手に渡らせるのも嫌だったんだ」




竜馬は少し照れくさそうに言った




「ずっと・・・・
ホテル暮らしもどうかと思ってさ・・・
僕の耳の手術もあるし
当分の間はここで暮らしたら
でも・・・
君が嫌なら当然ホテルでも全然いいよ・・・」






やっと二人きりになれたとばかりに
竜馬がジェニを抱き寄せた
竜馬は身をかがめジェニの鼻をくっつけ
唇を重ねようとした




「僕は君とこういうことが出来れば
どこでもいいんだけど・・・    」





ところがジェニは
竜馬がすでに硬くなったモノを
押し付けようとする前にさっと離れた





肩透かしをくらって唇を尖らす竜馬を
その場に残して 
ジェニがいたずらっぽく微笑んだ





「屋敷の中を案内してくださる?
隅々まで!
知っておく必要があるわ! 」





ジャスティン邸は驚くほど魅力にあふれていた
部屋の多くは楕円形で
どの部屋もなだらかな出窓が設置されている



いくつかの部屋では珍しい調度品も飾られ
品が良くジャスティンのセンスが伺えた




特に二階の中央のパステルカラーの
壁紙の部屋はとても素敵だった


この部屋だけふかふかのフランス製の
分厚い絨毯が敷かれていて
歩いていても心地が良い




「決めたわ!ここにする!」





ジェニは竜馬の前で立ち止まった





「何を?」





ジェニは部屋の中央でくるくる回った






「子供部屋よ!
私たちの子供! 」







竜馬が驚いて目を見開いた
ジェニは何か企んでいるのか
目をいたずらっぽく輝かせている






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