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chapter18 竜馬の帰還
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しおりを挟む夜明け近くに目が覚めると
彼の腕はまだジェニを抱いていた
ブラインドを閉め忘れた隙間の窓から
光が寝室に差し込む
日が昇り始めた空をオレンジ色に染めている
寝返りを打って上体をおこし
ジェニは竜馬を見つめた
暁の光がスヤスヤ眠る
彫の深い顔をなぞるのを眺める
改めて感動する
ああ・・・生きて彼がここにいる
私の腕の中にいる
病院で昏睡状態の彼の横では
本当に生きた心地がしなかった
またその時のフラッシュバックが襲う
途端にボロボロ涙がでる
よかった・・・
彼は私の元にいる
その安堵の波がジェニを襲う
そのあまりの激しさに彼を起こさないように
していたのに
つい声を立てすすり泣きが部屋に響いた
彼が目を開けた
「・・・どうしたジェニ・・・わぁ! 」
彼は驚いて飛び起きた
なぜならジェニが無言でボロボロ涙を流して
大泣きしているからだ
いちごのパジャマの前身頃が涙で濡れている
「な?なに?・・
いつから泣いているの?
どこ痛いのか?」
ジェニは竜馬の首に飛びついた
「苦しいの・・・・ 」
ジェニが竜馬を見つめて言った
心配でたまらないという顔で
竜馬はオロオロする
「竜馬さん・・・・愛している・・・
愛してる・・・
そう思うとここが・・・
苦しいの 」
切羽詰まった声でジェニが心臓を抑えて泣く
竜馬は安心したのかため息をついて
ジェニを抱きしめ
そのまま二人はまた大きな枕に横になった
朝日が差し込んでくる中
しばらくじっと見つめあい
竜馬がそっとジェニの涙を指で拭いた
「ソレハ・・・フジノヤマイデス・・・
ナオリマセン・・・ 」
「・・・どうして照れたら
片言カタコト日本語の外人のようになるの?」
「スイマセン・・・・・ 」
ジェニは照れている竜馬に身を寄せた
もうおかしくなって涙はひっこんだ
「では・・・・私の不治の病は
治らないんですね 」
「大丈夫だよ・・・・
その病やまいは僕もかかっているから 」
フフフと彼は笑った
「僕の方が重症患者だ 」
ジェニは顔をずらし上半身裸の
彼の脇に鼻をつけた
そして見つけた・・・
ここにも小さな三角の火傷の跡が・・・・
治りかかって白くはなっている
明日からはここもキスするポイントに
追加しなければ・・・・
安心したらなんだか眠くなってきた
ジェニはこのまま目を閉じた
「愛しているわ・・・竜馬さん」
彼の胸に手を置いて囁きかけた
「わかっている・・・・ 」
彼が耳元で静かに言う
「わかっているとも・・・
愛しいジェニ・・・
僕も君をどれほど愛しているか・・・・」
ジェニはまどろみ眠りに入り
夢をすべて彼に預けた
「夢の中で話してあげる・・・ 」
:*゚..:。:. .:*゚:.。
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