【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter17 この世とあの世の境界線

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竜馬はジェニの孤独とひたむきさに心を打たれた




「お茶をごちそうさま 」




旨いケーキとジェニの昔話に
胸がいっぱいになった竜馬は
真希に礼を言っていとまを告げた



「いえいえ・・・
こちらこそお話しできて嬉しかったです 」




「ところでメビウスビルの1階に
空き店舗があるのを知っているかい?
スターバックスの横の・・・」





突然突拍子もない竜馬の言葉に
真希はキョトン・・・となった





「ええ・・・知っています・・・
けど・・・それがどうされましたか?」




ガジガジ竜馬は後頭部を掻いた





「そこに保育施設を作ろうと思うんだ
メビウスビルの地下室に
みんながグルになって赤ん坊を隠していると
このビルの安全衛生管理課の連中が知ったら
卒倒しかねない 」





竜馬がにやりと笑って言った

真希はあっけに取られて口を開け
ただ目を見開いて竜馬を見つめた





「他にも調べたら子供をどこに預けるかで
悩んでいる女性社員が
わが社には沢山いることが判明したんだ 
キチンとした保育士を雇ってね
ここなら一緒に出勤してきて休憩時間には
遠慮なくお子さんとコミュニケーションが
取れるだろうし
お迎えの時間に間に合わせようと慌てなくてもいい

わが社の優秀な女性社員達に
思いっきり才能を発揮してもらうためには
生活面でもしっかりサポート
させてもらったほうがいいと思ってね」





「・・・信じられない・・・」






真希が両手で口元を抑え
何も言えなくなっているのを見て
竜馬は微笑んだ






「僕は堅物や冷徹と言われているけど
間違いに気づけば改める心を持っているよ
それにわが社に子供はまだまだ増えるだろうしね」





真希が感激で心を震わせ目に涙を
いっぱい溜めているのを見たら
照れくさくなったのか





竜馬は苦笑いをして
肩をすくめエレベーターホールに消えて行った






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