【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter16 何度も君に恋をする

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春の小春日和のような空の下
海風の爽やかな愛撫以外
肌に触れるものは何もない午後・・・・





「あなたのお祖父様は
僕とあなたが結婚することを望まれています」





唐突に彼が話したものだから
アリスの返事が裏返った
彼がじっとアリスを見つめている





「貴方様はこれが便宜結婚だということは
お判りでしょう? 」





アリスが言うと彼はこっちを向き
コクリとうなずいた

表情は真剣だが男女が結婚相手を
見つめるようなうっとりとした
夢見る雰囲気とはほとほと欠けている



 
「私達はお互いの資産を増やすために結婚します
私達の結婚にそれ以外の理由はありません
それはお互い十分理解しているはずです」




アリスが一歩彼に近寄って来た




「ですが私は平和的な結婚を望んでいます」





笑われるだろうか・・・・
そんなことを思ってしばらく返事を待ったが
初めに自分たちは結婚によって協・力・関係を確立
するのだと認めてもらいたい
決して支・配・ではなく






「だれかと夫婦として生涯を過ごすのなら
その相手に私を理解し
尊重していただきたいのです 
私の条件に・・・・
賛同してくださる?」







彼がじっとアリスを見つめている
まるで商取引のような
冷たい言い方をしてしまった



彼はどう思ったかしら?
彼が自分を見つめる真っ黒な瞳からは
何も読み取れない




ああ・・・
でも彼はとてもハンサムで
とても真剣に話を聞いてくださる



なんて魅力的な唇・・・
まるでどこかの国の王子様のよう・・・



アリスは思った
もしかしたら自分はラッキーなのかもしれない



これはアリスにとって他の女の子達が
当たり前のように望むもの―
恋をして・・・
一緒にいてドキドキし
肌がぞくっとするぐらい
若くてハンサムな夫を手に入れること
 



たとえ便宜上の結婚でも
これほどのまたとない機会はもうないだろう




これまで長いこと
伊藤家の資産の都合上で
生きてこなければいけなかった



宝石商ITOMOTOとしての
アリスの務めを果たす事・・・


人生に刺激は望まないし
誰かと愛し愛されるなんて希望をもったら
馬鹿を見るに決まっている




でも少なくとも彼の子供の
DNAは期待できるんじゃない?


なぜか女の本能が潜在意識の奥で
ピリッときらめいた

それは古来から女に備わった本能・・・




優れた男のDNAを欲しいと思う気持ち・・・




アリスはじっと彼を見つめて想像した




黒髪で体格の良い・・・
美しくて
賢い自分の子供・・・・



そんなことをボーッと考えていると
彼が一歩アリスに近づいた




彼はお辞儀をしとても優雅にアリスの手を取った




アリスの頭はくらくらした
大きく息を吸った
心臓がドキドキする・・・・






ああ・・・
どうしよう・・・
自分は彼をひと目見た時から恋をしてしまった







「商談成立ですね・・・・奥様・・・ 」






彼はアリスの手の甲に騎士のようにキスをした








二時間後二人は婚約発表をした











:*゚..:。:.   .:*゚:.。






カチッ・・・・
:*゚..:。:.   .

      :*゚:.。







ジェニと竜馬が遭遇するまであと300日・・・・








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