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chapter16 何度も君に恋をする
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「よかったらハナのトレーナーに
うちの息子を派遣させましょう
おうちでの良い過ごし方の
レクチャーもハナには必要ね 」
そしてチラリと竜馬を見て花江は笑った
「この愛情深い飼い主さんは
甘やかせるのがお上手なようですから 」
なぜかその言葉に竜馬の心が痛んだ
「僕は・・・愛情深くなんかありません・・」
そんな竜馬を観察するように花江の瞳が輝く
「愛にもいろいろあるのよ・・・
それに段階があるわ
まず一つ目は「愛する愛」・・・
自分が好意を抱いている人に親切にすること
子供でもできる最も簡単にできる愛の行為よ 」
花江の細い指がカップをつかみ
こくりと紅茶を飲む
「そして次の段階は
「生かす愛」これは指導者の愛ね
本当にそのものの事を思えばこそ
厳しいことも言わないといけない局面が出てくるわ
犬の訓練などもこれに該当するわ
その上は「存在の愛」・・・・
その人がいるだけで事態は好転し良い方向に
みんなが感化されていく・・・ 」
竜馬は花江の愛の段階説の「存在の愛」を聞いて
ジャスティンをぼんやり思い出した
たしかにそういう人物は世の中にいる
かといって自分がそうなれるかは
わからないしわかりたくもなかった
「そして「許す愛」 」
花江が声をひそめて言った
「人や自分自身の過去も未来もすべて
受け入れるの・・・
良い所も悪い所もひっくるめてね
自分を責めてはいけないわ
あまり自分を責めすぎると何も受け入れられなくなるわ
すでに過ぎたことを後悔しすぎてもダメ 」
花江の言うことは理解できたが
なんだかこんがらかって来た
そこに散歩帰りのマックスが帰って来た
花江の息子が愛想よく竜馬に話かけている間も
マックスは玄関にじっと座り足を拭いてもらうのを待っている
そして驚いたことにリールを咥えて
いつもの置き場所のハンガーに
キチンとひっかけたのだ
ハナは自分の父親の威厳と風格に
おじけづいたのか遠くから
びくびくとマックスを眺めている
足を拭いてもらって
マックスが竜馬に挨拶をしに来た
「やぁ!マックス!
あいかわらずお前はカッコいいな!」
竜馬が笑って耳の後ろをかいてやる
パタパタと「私も会えて嬉しいよ」と
マックスも尻尾を振って賢そうな瞳で
じっと竜馬を見る
「君のおてんば娘を連れて来たんだ
一言僕の言うことを聞けって
言ってやってくれよ 」
花江と息子はその会話を聞いて笑った
マックスは水を優雅に飲んでから
リビングの隅にドスンと寝そべった
尻尾を優しくゆっくり床にパタンッパタンッ
と打ち付けている
ハナは格好のじゃれるおもちゃを見つけ
必死でマックスの尻尾にじゃれている
「犬の躾がこんなに難しいとは
思ってもみませんでしたよ 」
「僕が日中はお手伝いしますよ」
花江の息子が快く引き受けてくれた
竜馬も微笑んで言った
「僕は何から始めればいいかな 」
そうね・・・と花江がしばらく
竜馬を観察してから言った
「あなたはまずはご自分を許すことから
お始めになられた方がいいわ 」
うちの息子を派遣させましょう
おうちでの良い過ごし方の
レクチャーもハナには必要ね 」
そしてチラリと竜馬を見て花江は笑った
「この愛情深い飼い主さんは
甘やかせるのがお上手なようですから 」
なぜかその言葉に竜馬の心が痛んだ
「僕は・・・愛情深くなんかありません・・」
そんな竜馬を観察するように花江の瞳が輝く
「愛にもいろいろあるのよ・・・
それに段階があるわ
まず一つ目は「愛する愛」・・・
自分が好意を抱いている人に親切にすること
子供でもできる最も簡単にできる愛の行為よ 」
花江の細い指がカップをつかみ
こくりと紅茶を飲む
「そして次の段階は
「生かす愛」これは指導者の愛ね
本当にそのものの事を思えばこそ
厳しいことも言わないといけない局面が出てくるわ
犬の訓練などもこれに該当するわ
その上は「存在の愛」・・・・
その人がいるだけで事態は好転し良い方向に
みんなが感化されていく・・・ 」
竜馬は花江の愛の段階説の「存在の愛」を聞いて
ジャスティンをぼんやり思い出した
たしかにそういう人物は世の中にいる
かといって自分がそうなれるかは
わからないしわかりたくもなかった
「そして「許す愛」 」
花江が声をひそめて言った
「人や自分自身の過去も未来もすべて
受け入れるの・・・
良い所も悪い所もひっくるめてね
自分を責めてはいけないわ
あまり自分を責めすぎると何も受け入れられなくなるわ
すでに過ぎたことを後悔しすぎてもダメ 」
花江の言うことは理解できたが
なんだかこんがらかって来た
そこに散歩帰りのマックスが帰って来た
花江の息子が愛想よく竜馬に話かけている間も
マックスは玄関にじっと座り足を拭いてもらうのを待っている
そして驚いたことにリールを咥えて
いつもの置き場所のハンガーに
キチンとひっかけたのだ
ハナは自分の父親の威厳と風格に
おじけづいたのか遠くから
びくびくとマックスを眺めている
足を拭いてもらって
マックスが竜馬に挨拶をしに来た
「やぁ!マックス!
あいかわらずお前はカッコいいな!」
竜馬が笑って耳の後ろをかいてやる
パタパタと「私も会えて嬉しいよ」と
マックスも尻尾を振って賢そうな瞳で
じっと竜馬を見る
「君のおてんば娘を連れて来たんだ
一言僕の言うことを聞けって
言ってやってくれよ 」
花江と息子はその会話を聞いて笑った
マックスは水を優雅に飲んでから
リビングの隅にドスンと寝そべった
尻尾を優しくゆっくり床にパタンッパタンッ
と打ち付けている
ハナは格好のじゃれるおもちゃを見つけ
必死でマックスの尻尾にじゃれている
「犬の躾がこんなに難しいとは
思ってもみませんでしたよ 」
「僕が日中はお手伝いしますよ」
花江の息子が快く引き受けてくれた
竜馬も微笑んで言った
「僕は何から始めればいいかな 」
そうね・・・と花江がしばらく
竜馬を観察してから言った
「あなたはまずはご自分を許すことから
お始めになられた方がいいわ 」
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