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chapter16 何度も君に恋をする
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犬に案内され
竜馬は公園の散歩道の奥へ進んでいった
するとその散歩道の休憩用のベンチに座り切れず
地面にうずくまっている
白髪のお婆さんを見つけた
小さな体を丸めて息を切らしている
「大丈夫ですか?
どこか痛みますか? 」
竜馬は礼儀正しく尋ねた
お婆さんの背中を触る・・・・
小さくゼイゼイと喘ぎ震えている
竜馬はジョギングウェアに短パンだが
今朝はとても冷える
お婆さんは紫の薄めのダウンを着ているとはいえ
下はスカートだ
寒さがこたえたのだろうか
深刻な状態かもしれない
傍らにいる犬は我慢の限界に達したようだ
竜馬の腕を頭でつつきワンッと鳴いた
耳を立て
まだ飼い主の状況を理解していない
竜馬を金色の目でひたと見つめている
ずいぶん具合が悪そうだ
竜馬は胸の中で心配が膨らんだ
「救急車をお呼びしましょう
それかご家族様に連絡しましょうか?」
その瞬間おばあさんが目を閉じた
気絶するまいとしているのか
唾を飲み込んだ
ゼイ・・・ゼイ・・・
「大丈夫です・・・
どうぞ・・・お構いなく・・・
しばらく座っていたら・・よくなりますので」
犬はワンワンッと吠えた
明らかに竜馬に助けろと言っている
「マックス!ステイ!」
お婆さんがきっぱりと言うと
犬はバシッと座り大人しくなった
なんて利口なんだ
今信用できるのは犬の方かもしれない
竜馬はお婆さんの言うことより
犬の言うことを聞くことにした
そしてお婆さんのカバンにも犬の首輪についている
同じヘルプマークがついていた
タグの裏を見る
「田宮・・・花江・・・78歳・・
この人の名前かい? 」
マックスが「正解だ!」とばかりにワフッと吠えた
そこには花江を知るだけの十分な情報が
書かれていた
花江は心臓病で今起こしているのは
間違いなく発作だ
「田宮さん!待ったなしですよ
救急車を呼びます
そしてここに記載されてるのは
ご家族さんの番号ですねかけますね! 」
ゼ―・・・ゼ―・・・
「ほ・・ほんとう・・・に・・・
大丈夫ですから・・・ 」
またマックスがワンッと吠えた
竜馬はマックスの頭を撫でてやった
偉いぞマックス
僕が来たからにはもう大丈夫だ
「大丈夫は「気持ち」を表す言葉です
体調とは関係ありません! 」
その後の竜馬の処置は速かった
救急車に花江を乗せ
救急隊は花江の容態を確認しすぐに
酸素マスクを装着した
マックスと竜馬も救急車に乗り込んだ
家族に電話をしてここに来てくれるのを待つより
搬送先の病院で待ち合わせをするように指示をした
その方が一番良い方法だったからだ
救急車で搬送されているとき
マックスはずっと大人しく
竜馬の膝の上に乗っていた
ゼ―・・・ゼ―・・・
「犬は・・・お好き・・・ですか? 」
酸素マスクのおかげで少し
容態が良くなってきた花江が竜馬に聞いた
「昔知人が同じ名前のペットを飼っていましてね
僕も彼を欲しいと思ったものですよ」
竜馬はタトゥー彫師のロック・ハウンドの
所のワニのマックスを
思い出して微笑んだ
鋼のような獰猛な牙
どことなく笑っているかのような愛嬌のある顔
戦車のような頑丈な背中
「こんなに賢くはなかったな」
竜馬は犬のマックスの頭を撫でて言った
竜馬は公園の散歩道の奥へ進んでいった
するとその散歩道の休憩用のベンチに座り切れず
地面にうずくまっている
白髪のお婆さんを見つけた
小さな体を丸めて息を切らしている
「大丈夫ですか?
どこか痛みますか? 」
竜馬は礼儀正しく尋ねた
お婆さんの背中を触る・・・・
小さくゼイゼイと喘ぎ震えている
竜馬はジョギングウェアに短パンだが
今朝はとても冷える
お婆さんは紫の薄めのダウンを着ているとはいえ
下はスカートだ
寒さがこたえたのだろうか
深刻な状態かもしれない
傍らにいる犬は我慢の限界に達したようだ
竜馬の腕を頭でつつきワンッと鳴いた
耳を立て
まだ飼い主の状況を理解していない
竜馬を金色の目でひたと見つめている
ずいぶん具合が悪そうだ
竜馬は胸の中で心配が膨らんだ
「救急車をお呼びしましょう
それかご家族様に連絡しましょうか?」
その瞬間おばあさんが目を閉じた
気絶するまいとしているのか
唾を飲み込んだ
ゼイ・・・ゼイ・・・
「大丈夫です・・・
どうぞ・・・お構いなく・・・
しばらく座っていたら・・よくなりますので」
犬はワンワンッと吠えた
明らかに竜馬に助けろと言っている
「マックス!ステイ!」
お婆さんがきっぱりと言うと
犬はバシッと座り大人しくなった
なんて利口なんだ
今信用できるのは犬の方かもしれない
竜馬はお婆さんの言うことより
犬の言うことを聞くことにした
そしてお婆さんのカバンにも犬の首輪についている
同じヘルプマークがついていた
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「田宮・・・花江・・・78歳・・
この人の名前かい? 」
マックスが「正解だ!」とばかりにワフッと吠えた
そこには花江を知るだけの十分な情報が
書かれていた
花江は心臓病で今起こしているのは
間違いなく発作だ
「田宮さん!待ったなしですよ
救急車を呼びます
そしてここに記載されてるのは
ご家族さんの番号ですねかけますね! 」
ゼ―・・・ゼ―・・・
「ほ・・ほんとう・・・に・・・
大丈夫ですから・・・ 」
またマックスがワンッと吠えた
竜馬はマックスの頭を撫でてやった
偉いぞマックス
僕が来たからにはもう大丈夫だ
「大丈夫は「気持ち」を表す言葉です
体調とは関係ありません! 」
その後の竜馬の処置は速かった
救急車に花江を乗せ
救急隊は花江の容態を確認しすぐに
酸素マスクを装着した
マックスと竜馬も救急車に乗り込んだ
家族に電話をしてここに来てくれるのを待つより
搬送先の病院で待ち合わせをするように指示をした
その方が一番良い方法だったからだ
救急車で搬送されているとき
マックスはずっと大人しく
竜馬の膝の上に乗っていた
ゼ―・・・ゼ―・・・
「犬は・・・お好き・・・ですか? 」
酸素マスクのおかげで少し
容態が良くなってきた花江が竜馬に聞いた
「昔知人が同じ名前のペットを飼っていましてね
僕も彼を欲しいと思ったものですよ」
竜馬はタトゥー彫師のロック・ハウンドの
所のワニのマックスを
思い出して微笑んだ
鋼のような獰猛な牙
どことなく笑っているかのような愛嬌のある顔
戦車のような頑丈な背中
「こんなに賢くはなかったな」
竜馬は犬のマックスの頭を撫でて言った
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