627 / 700
chapter16 何度も君に恋をする
5
しおりを挟む
その日はランチも取れないほど忙しかった週末
を終えてやっとの休日だった
たいがいは休日も接待ゴルフなどの
予定が入るのだが
めったにない一人きりの
まったくのオフの日なので
体力の限界に挑戦してみようと
竜馬はジムでいつも通り汗を流した後
メビウスタワービルの近くの
公園にランニングに出かけた
ワイヤレスイヤホンを耳に突っ込み
クラッシックを聞きながら
軽くジョギングし
小さくても緑が豊かな公園を一周した頃には
ずいぶん気分もすっきりした
休日を一緒に過ごす女性などいなかった
すでに竜馬は周りから
「首切り社長」と恐れられてたし
それでなくても竜馬の毎日は
すでに綱渡り状態だ
責任の重い仕事と
会社の将来の重圧に日々耐えているので
その隙間に女性の事を考える余裕などまったく
なかった
その時ふと頭に浮かんだのはジャスティンだった
もう彼を亡くして
5度目の冬が来ようとしているのに
誰かと恋愛するどころか
男も女もジャスティンほどの人はおらず
竜馬にとっては誰もが物足りなかった
荒い息を整えて公園のベンチに座り
ぼんやりと記憶のジャスティンを辿る
夕陽に照らされて
金髪を輝かせる
大きくてしなやかな体つきのジャスティン
頭がものすごく良くて
洗練されていて優しいジャスティン
教会の鐘も負けてしまうぐらい
竜馬の胸を高鳴らせてくれるジャスティンの笑顔・・・
竜馬からした一度きりの
心を合わせたキスの後は
照れくさくてしばらくお互いの顔が見れなかった
今でもその気になれば鮮やかによみがえる
竜馬の胸の空洞は誰にも埋められなかった
肉体関係こそなかったが
たった一度の本気の恋愛が竜馬の心に永遠に
消えない爪痕を残したのだ
その時ベンチに座っている竜馬の目の前に
一匹の大きな犬が現れた
竜馬とその犬はじっと見つめあった
犬は豊な毛並みの尻尾を優しく揺らしながら
大きな金色の瞳をこちらにむけ
問いかけている
「・・・ゴールデン・・レトリバー・・
かな? 」
その犬の首輪には赤い十字架の「ヘルプ・マーク」
がついていた
竜馬はその犬に言った
「介助犬・・・か?
飼い主はどうしたんだい?
逃げ出してきたのか? 」
すると犬がぐるぐるその場に回って一声吠えた
竜馬は言った
「・・・ついてこいって・・ことか?
どうした?何かあったのか? 」
竜馬と犬は一緒に走り出した
を終えてやっとの休日だった
たいがいは休日も接待ゴルフなどの
予定が入るのだが
めったにない一人きりの
まったくのオフの日なので
体力の限界に挑戦してみようと
竜馬はジムでいつも通り汗を流した後
メビウスタワービルの近くの
公園にランニングに出かけた
ワイヤレスイヤホンを耳に突っ込み
クラッシックを聞きながら
軽くジョギングし
小さくても緑が豊かな公園を一周した頃には
ずいぶん気分もすっきりした
休日を一緒に過ごす女性などいなかった
すでに竜馬は周りから
「首切り社長」と恐れられてたし
それでなくても竜馬の毎日は
すでに綱渡り状態だ
責任の重い仕事と
会社の将来の重圧に日々耐えているので
その隙間に女性の事を考える余裕などまったく
なかった
その時ふと頭に浮かんだのはジャスティンだった
もう彼を亡くして
5度目の冬が来ようとしているのに
誰かと恋愛するどころか
男も女もジャスティンほどの人はおらず
竜馬にとっては誰もが物足りなかった
荒い息を整えて公園のベンチに座り
ぼんやりと記憶のジャスティンを辿る
夕陽に照らされて
金髪を輝かせる
大きくてしなやかな体つきのジャスティン
頭がものすごく良くて
洗練されていて優しいジャスティン
教会の鐘も負けてしまうぐらい
竜馬の胸を高鳴らせてくれるジャスティンの笑顔・・・
竜馬からした一度きりの
心を合わせたキスの後は
照れくさくてしばらくお互いの顔が見れなかった
今でもその気になれば鮮やかによみがえる
竜馬の胸の空洞は誰にも埋められなかった
肉体関係こそなかったが
たった一度の本気の恋愛が竜馬の心に永遠に
消えない爪痕を残したのだ
その時ベンチに座っている竜馬の目の前に
一匹の大きな犬が現れた
竜馬とその犬はじっと見つめあった
犬は豊な毛並みの尻尾を優しく揺らしながら
大きな金色の瞳をこちらにむけ
問いかけている
「・・・ゴールデン・・レトリバー・・
かな? 」
その犬の首輪には赤い十字架の「ヘルプ・マーク」
がついていた
竜馬はその犬に言った
「介助犬・・・か?
飼い主はどうしたんだい?
逃げ出してきたのか? 」
すると犬がぐるぐるその場に回って一声吠えた
竜馬は言った
「・・・ついてこいって・・ことか?
どうした?何かあったのか? 」
竜馬と犬は一緒に走り出した
7
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
タイプではありませんが
雪本 風香
恋愛
彼氏に振られたばかりの山下楓に告白してきた男性は同期の星野だった。
顔もいい、性格もいい星野。
だけど楓は断る。
「タイプじゃない」と。
「タイプじゃないかもしれんけどさ。少しだけ俺のことをみてよ。……な、頼むよ」
懇願する星野に、楓はしぶしぶ付き合うことにしたのだ。
星野の3カ月間の恋愛アピールに。
好きよ、好きよと言われる男性に少しずつ心を動かされる女の子の焦れったい恋愛の話です。
※体の関係は10章以降になります。
※ムーンライトノベルズ様、エブリスタ様にも投稿しています。
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる