624 / 700
chapter16 何度も君に恋をする
2
しおりを挟む「せ~の・・・・ 」
「よいしょ~!! 」
「よいしょ~!! 」
幹部団が鏡開きの樽に掛け声をかけて蓋を割っている
新オフィスビルお披露目パーティーでは
大勢のスタンド花に取引関係会社の人達で
ごった返していた
「・・・・文也・・・・
あれは何をやっているんだ? 」
竜馬が文也に聞く
さきほど
「CEOもご一緒に!」と幹部団に言われたが
何か怪しげだったので竜馬はかわりに宗一郎に行かせた
宗一郎もわけがわからず周りをキョロキョロ見ながら
木槌で蓋をコンッと軽く叩いただけで
あとはずっと突っ立っている
「鏡開きさ
お祝いの象徴といえば
酒樽に木槌で「よいしょ!」の掛け声だよ」
「何のために? 」
目を細めてどうしてもバカ騒ぎをしているようにしか
見えないと竜馬は幹部団から視線を外さず言った
「スポーツの優勝シーンや
著名人の賞受賞のニュースで見たことない?
日本ではお祝いする時に縁起をかついでするんだよ」
文也は忍耐強く答えた
「縁起とは?」
竜馬が咎める目で文也を見る
「説明するのに日が暮れるよ」
文也が肩をすくめた
文也は竜馬と宗一郎と同じく
やはり有能そうな雰囲気を出してはいるが
この二人ほど人を怖がらせるような感じではない
「それにしてもすごく身長が高くなったね
竜ちゃん・・・
みんな竜ちゃんと宗一郎がデカいからビビってるよ」
感心したように改めて竜馬を見る
「アメリカの食い物がよかったのかもな」
フッと竜馬がセドリックとマミーを思い出し
微笑んだ
慈しむことと育む事にかけては天性の才能がある女性
マミーにかかれば何でもデカくなる
現にマミーの畑のきゅうりはスイカほどある
文也がスマホを見ながら竜馬に言った
「竜ちゃん今日うちに来れる?
・・・母さんが今夜食事に寄ってくれてって
今line来た」
「気持ちはありがたいが
あまり慣れあうつもりはないよ 」
竜馬は最後に母の妹の久美子に会った時の
ことを思い出していた
あの頃の久美子は犯罪者となった
姉の子供(竜馬)と自分の子供(文也)を
あまり関わらせたくなかったのだろう
現にアメリカに渡ってから
ホームステイ先のカルロスに連絡していたがどうか
知らないが
竜馬がアメリカにいた時は久美子他竜馬の身内からは
一切連絡がなかった
ところが竜馬が日本で事業を起こそうとした時
どこから噂を聞きつけたかは知らないが
突然叔母の久美子(文也の母)から
竜馬の会社宛てに手紙が来た
その手紙には家計が苦しいから
文也を雇ってほしいと書かれていた
最初はどうしようか悩んでいた竜馬だったが
実際文也を雇ってみたら彼はよくやってくれた
新天地日本での事業興しに
やはり現地地元に詳しい文也は
良い竜馬の相談相手になり
シカゴと日本を行き来する厳しい環境の中
泣き言一つ言わずに竜馬と宗一郎のために働いてくれた
そして太陽のような希望の
ジャスティンを亡くした竜馬の心を
明るい性格の文也は癒してくれた
文也は見事メビウスのために献身的に働き
正々堂々と竜馬の信頼を仕事で得た
そして宗一郎と満場一致の意見の元
始まりは使えなくてもしょうがないと思っていた
縁故採用でも
企画部長としてメビウス幹部の地位を
見事勝ち取ったのだった
10
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。
渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!?
合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡――
だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。
「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき……
《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる