【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter15 あの木の葉が落ちる時

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二人はシカゴのとあるビルのエレベーターに乗って
ガラス越しの外の景色を見ていた




「準備はいいか?」


竜馬はうなずいた


「今夜は食事をするだけだ
そうだろう?」



風邪気味の宗一郎はティッシュで鼻をかんだ




「もちろんただの食事だ
日本から20時間もかけて商社企業団が
食事をしにやってきてるんだ
生きて帰れたら儲けもんさ 」




と宗一郎はさらに言う



「心配するな宗一郎」



竜馬が笑った



「すべてうまくいくさ
これからやろうとしていることは前例が無い
不可能を可能にしようとしているんだ
間もなくそれを成し遂げる 」





竜馬は宗一郎の肩に回した手に力を込めた
かつて
ジャスティン・アレンが人に頼み事をするときに
そうしたように親しみを込めて





竜馬と宗一郎は会食会場のドアを開けた




そこには日本の大企業団と投資ファンド会社の
重鎮数十人がいた




彼らは宗一郎と竜馬の姿を見るなり
一斉に立ち上がり
その名を口々に言い
笑いながら全員二人に握手を求めてきた




竜馬は目の前の
新しい社名のねじれた輪のロゴが描かれた
垂れ幕を見上げた




その横にはこの社名の由来や付けられた時の
「創業者精神・理念・志し・目指すべき目標・
社会との関わり」

といったものが書かれていた

竜馬はそれを見て考案者の事を思い出し
フッと微笑んだ










:*゚..:。:.   .:*゚:.。






「メビウスの輪」はひねりがあることで
表裏の区別ができない連続面となる
それは永遠に続くという意味があるんだ 」




ジャスティンはベッドの上で
細長い紙の端と端を捻りながらくっつけた




「へぇ~・・・・
それを社名にするの? 」





竜馬がサインペンをもってジャスティンに言った



「メビウスの輪は
”無限の可能性”を意味することから
途切れることのないその形が ”永遠” を象徴する
竜馬・・・お前の会社も成長し、そしてまた
初心に還りを繰り返し・・・
また無限に成長していくんだ」




竜馬がねじれた輪のイラストを
ペンで一生懸命描く




「ロゴはこんな感じでいいかな?」


「下手くそだな 」




ジャスティンが笑った




「デザイン案だよ・・・
絵は苦手なんだ 」




竜馬が唇を尖らせて言った





「新しい会社の新社名は
メビウス・ホールディングス 」






ジャスティンは完成予定の
メビウスタワー・オフィスビルの
模型を手に取って眺めていた







「新天地はJapan日本だ」














:*゚..:。:.   .:*゚:.。








【日本・関西】







パパーッ・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。

       パーッ・・・・
         .:*゚:.。








大阪は御堂筋・・・・

広大に広い土地に鉄の策が
動物園の檻のように取り付けられ
中がまったく見えないようにされている



忙しくトラックが行きかう出入口に
建設地を公告する看板が掲げられている





看板には「高級分譲マンション30階~40階」
~2021年6月販売開始~

と書かれていた







「どうしたのぉ~??ジェニ!」





神崎広告代理店企画森本藤子が紙袋いっぱいに
試供品を抱えて
看板をじっと睨んでいるジェニに言った


ラベンダーのツイードスーツに
コテで巻いた完璧な内巻き髪を揺らしている





「ずっとここ工事してるけど
ここにビルが出来たら路上駐車できないから
困るなぁ~って思って!
ねぇ、ここ商業施設が出来るのかな? 」




ピンクのポンポンのついたマフラーを
ぐるぐる巻きにして口元を隠し
神崎ジェニが大きな茶色い瞳で

看板のねじれた輪のロゴと
そびえ立つ工事中のビルを交互に見る






「ん~?どれどれ?」





素早く藤子がスマホを片手に調べ出す




「メビウスタワー・オフィスビルですって!
あら!商業施設じゃないわ!
オフィスビルよ!でも30階から上が住居で
1階は・・・メディカル施設に・・・
やった!スタバが入るみたい!!」





藤子の顔に笑みが広がった




「そんなにスタバが嬉しい?」




そっけなくジェニが言った




「だって神崎のオフィス周辺は工場地帯でしょ?
おしゃれなカフェなんかないもの
私憧れなの!仕事が終わったら
おしゃれなカフェで一息つくのよ 」



「どっちみち
うちの会社からここは遠いから来ないわよ! 」



「それもそうね!
あっ!ちょっと!あなたの鈴木君駐禁されかけてない?」



「え? 」





二人が視線を向けるとすぐ前の道路に停めてある
ジェニの水色のラパン(愛称鈴木君)を囲んで
大阪府警の制服を着た警官が二人
ナンバープレートを調べている




ジェニが走り出した
ピンクのマフラーのポンポンが
走りに合わせて飛び跳ねている





「キャー!!待ってくださーい
すぐどきますからーーー!!  」


「ちょっと!ジェニ!
半分持ってよぉ~~~  」





藤子も叫びながらサンプルがどっさり入った
紙袋を抱えて走り出した















:*゚..:。:.   



.       :*゚:.。


























*゚..:。:.   .:*゚:.。

カチッ・・・・

:*゚..:。:.   





      .:*゚:.。




ジェニと竜馬が遭遇するまで
あと1000日・・・・





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