【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter15 あの木の葉が落ちる時

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キッチンのインターフォンでウェンディが
ジャスティンのランチの支度が出来たから
隣の棟まで取りに来てほしいと言った




竜馬が今朝
「セントマイルズ・リサイクル・ショップ」
で買ってきた



にんじんスープ、野菜のパウンドケーキ
それに「米」と「梅干し」と「冷凍うどん」を
巨大な冷蔵庫に入れる





できるだけ柔らかいものを
買おうと努めているのだが
それでもジャスティンの噛んで飲み込む
力には有り余るらしい



このところジャスティンが食べているのは
ほとんど流動食で
それにマフィンを浸して
消化しやすいようにぐしゃぐしゃにつぶす



ウェンディも今ではほとんどミキサーにして
ピューレにしている

ジャスティンは飲み込む力が
弱くなっているにもかかわらず



「これじゃドロシーの離乳食よりひどい」



と文句を言った



なので竜馬は日本の「お粥」の精神を説き
仏の道を目指す僧侶の主な食事が「お粥」だと言って
腹八分目で煩悩を払拭するのだとか
思いつくかぎりの口からでまかせを並べた



するとなんだかわからないが「お粥」は
高尚らしいと判断したジャスティンは

ウエンディの作るピューレよりも
お粥を積極的に食べてくれるようになった



ジャスティンはお粥をスプーンですくって食べる




竜馬は相変わらず色んな食品を買ってきては
ジャスティンに見せた


それはジャスティンの表情をみたいからであって
実際に食べられないのはよくわかっていた



冷蔵庫を開けると溢れるほど
ピューレやペースト状の食べ物が入った
システマの容器が入っている




それでも竜馬はいつか以前のように
奇跡的に元気な日が出来て
一緒に本物のランチを食べて


パクパク噛みながらしゃべる
行儀の悪いジャスティンが見たいと希望を持った




叶わぬ願いだった






そこへ宗一郎がキッチンへ入って来た





「なぁ!竜馬!この下半期の経営計画書の
ここの部分が謎なんだ
ジャスティン今起きてる?
ちょっと聞きたいんだけど・・・・」






宗一郎が竜馬に聞いた




「なんでもかんでも
ジャスティンに頼るんじゃないよ!」





つい竜馬がついキツイ口調で言ってしまった
宗一郎は少し面食らって竜馬を見た






「・・・ごめん・・・ 」
 

すぐに竜馬は謝った




「・・・・どうした?
ジャスティンに何かあったのか? 」





宗一郎は優しく言って竜馬の肩を叩いた






「ジャスティンは・・・」






竜馬は首をふってしばらくじっと手に持っている
システマの容器をじっと見た
中身はドロドロでとてもじゃないが
食べ物には見えない










「もう・・・無理だ・・・」









口に出した途端
涙で前がかすれた




ガシャンッとシステマのタッパーを
落して竜馬が両手で顔を覆った

タッパーの蓋は剥がれ
中身が床にちらばった




宗一郎は腕を伸ばし竜馬をきつく抱き寄せた


竜馬は危うくこぼれて散らばった
タッパーの中身を踏んで滑りそうになった





ヒック・・・
「うっうぅぅ~~・・・・ 」





「お前がそんなことでどうするんだよ・・・」






宗一郎が優しく背中を撫でる






「わかった!
これからは仕事は俺がなんとかする」





そして竜馬から少し体を離し
眼鏡越しに竜馬を見た






「お前は最後まで傍にいてやれ・・・・」







宗一郎も声を震わせて言った







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