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chapter15 あの木の葉が落ちる時
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しおりを挟む「今はさまざまな件が現在交渉中なんだ
俺が死ぬ頃には
ここでの事業はわずかに残った以外
すべて清算されている
お前らは何のしがらみもなく潤沢な資金の元
新しくやっていけばいい 」
ジャスティンはそう言って
深く椅子にもたれなおした
風呂に入ったばかりなのだろうか
髪からシャンプーの良い香りがしている
その匂いには覚えがあった
「一つだけ質問していいですか?」
「質問が多いなカウンセラー、どうぞ 」
「あなたと・・・竜馬は・・・その・・・」
ジャスティンがにやりとした
「何が言いたいんだ?
いやらしいな宗一郎
俺たちがお互いのケツを掘りあっているホモ仲間だとでも?」
宗一郎が前髪の生え際まで真っ赤になった
「くっ・・・口が悪い!!
とんでもなく口が悪いぞ!
いつ俺がそんなことっっ!! 」
「うそ!うそ!カワウソ!!」
ケラケラジャスティンが楽しそうに笑う
宗一郎がまだ耳を赤くして
怒りだす一歩手前で言った
「お・・・俺が憧れてたあなたには
そんな所はなかった! 」
「お上品なマフィアなんかいるかよ
馬鹿じゃねーの?」
「かぁ~!なんか竜馬の前と俺の前じゃ
態度違うくないっすか?」
ジャスティンは笑いだしたら
止まらなくなったみたいだ
咽ぎながらヒーヒー言って宗一郎のリアクションに
いちいちバカ笑いしている
「マフィア語で一目惚れって言葉を
「雷に打たれる」って言うんだよ
雷に打たれたことは?宗一郎 」
「はぁ・・・いいえ・・・・
俺はないです・・まだ・・・・ 」
バツが悪いように宗一郎がもじもじして言った
「俺の場合はアイツ竜馬をひと目見ただけで
十分だったよ 」
宗一郎は身じろぎもせず
ジャスティンを見つめた
こんなにあっさり竜馬への愛を語るなんて
思いもよらなかった
流れる絹糸のような金髪・・・・
のみで削ったような完璧な横顔・・・
笑いすぎて今は目に涙が溜まっている
病に侵されてやつれているとはいえ
ジャスティンは魅力のかたまりだ
たしかに彼は美の女神に愛されている
そんなヤツにこんな事を言わせている
竜馬を改めて凄いと思った
それと同時に竜馬の将来もなんとなく心配になった
だって竜馬の美の基準は
ジャスティンこれなのだ
「数分後に男だと分かった時は
これ以上ないほどがっかりしたのを覚えているな」
ジャスティンは懐かしそうに目を細め
ささやき声で最後は誰に言うでもなくつぶやいた
「肉体関係があるかないかは
大した問題ではなかろう
セックスをしていようといまいと
俺がアイツを愛していて
俺がいなくなった後を心配しているのに
変わりはないんだから」
「ここまでするなんて
心配し過ぎじゃないですかね?」
宗一郎が尋ねた
「やりすぎるのが性格でね
竜馬にも言われたよ 」
宗一郎は深く椅子にもたれなおした
「・・・・感謝しています・・・ 」
ポツリと宗一郎が自分の恩人に向かって言った
「恩義に必ず報いたいと思っています・・・」
ジャスティンが宗一郎に優しく微笑んだ
「青臭いこと言うなよ宗一郎
今はまだ会社は俺のものだが
いずれはお前の椅子ができる
準備を整えておくんだな
あとは竜馬や俺の配下の彼らが面倒を見てくれる
それについては何も問題はおこらないだろう」
宗一郎が笑った
「それにしても竜馬が首切りなんてできるわけがないですよワハハハ 」
「馬鹿だなお前もやるんだよ宗一郎
ワハハハ 」
宗一郎は「え?」とばかりに
ジャスティンに顔をむけ目を見開いた
ジャスティンも「はい?」とばかりに
首を傾げて宗一郎を見ている
「・・・マジ?・・・ですか?」
「どうしたの?
なんか楽しそうだね 」
二人がじっと見つめあっていると
ドアを開けて竜馬が入って来た
「竜馬助けて・・・・
宗一郎がおれにいやらしいことを言うんだ」
ジャスティンがガウンの裾を萌え袖にして
口元を隠しヨヨヨと弱々しく嘆く
「ええ?
ぎ・・・逆だ!!どっちかといえば
俺がいやらしいことを言われてるんだぞ! 」
宗一郎が立ち上がり
憤慨して竜馬に説明しようとした
「疲れたよぉ・・竜馬ぁ・・・
もう1ミリも動けない
ベッドに連れてって 」
ジャスティンが両手を広げて
竜馬をウルウルした瞳で見つめる
「ええっ?大変だ!・・・うんうん
ベッドに行こうね・・・
まったくダメじゃないか宗一郎
こんなにジャスティンを疲れさせて 」
竜馬が慌ててジャスティンを抱き上げて
「めっ」とばかりに宗一郎を睨む
「俺か?俺が悪いのか?」
宗一郎は憤慨して言った
そうして竜馬に抱かれたジャスティンは
竜馬からは見えないように
肩越しに宗一郎に中指を立て
3の倍数のアホ顔をして去って行った
ジャスティンは宗一郎というおもちゃを手に入れた
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