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chapter15 あの木の葉が落ちる時
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しおりを挟むドアを開けると見たこともない
広々とした寝室が広がっていた
竜馬のアパートメントの2倍を押し込めても
まだ空間はあまりそうだった
ここへきてジャスティンは莫大な富を
築いたのだと改めて実感する
今はずらりと並ぶ背の高い窓には
クリーム色のロールスクリーンの
ブラインドがかかっていた
らせん状に彫刻された柱が付いた
キングサイズのベッドが部屋の
斜めに置かれ
その隣には座りごごちが良さそうな
ソファーセットと電動のマッサージチェア一脚
壁には大きなブラズマテレビが掛かっていた
そして竜馬の目はキングサイズのベッドの中央に
傷を負ったライオンのように
横たわっているジャスティンを捕らえた
途端に竜馬は心臓を鷲し掴みにされた
自分の知っているジャスティンはこんな昼間っから
ベッドに横になっているような人間ではない
竜馬はドロシーを抱えたままベッドに這い登り
ドロシーをベッドに降ろした
ドロシーはすぐさま左からジャスティンに抱き着いた
竜馬も右からそのまま両腕をジャスティンに回した
唇を頭のてっぺんにつけると
ふわりと懐かしいシャンプーの匂いがした
自分も今でも同じものをずっと変わらず使っている
どれだけ億万長者になろうと
どれだけ体を病に蝕まれようとも
一緒にいた頃とジャスティンは何も変わっていない
ジャスティンはドロシーを片手に抱き
もう一方の片手で竜馬の背中をポンポンと叩いた
「おいおい 」
と優しい声がした
「泣き虫は相変わらずだな
見た目よりもそんなに俺は悪くないんだ」
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